PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第50回 理学療法士国家試験 午前 第12問

理学療法治療学第50回午前

第50回 理学療法士国家試験 午前 第12問(理学療法治療学)の正答は 3 です。痙直型両麻痺の典型像はクラウチング姿勢(股・膝屈曲、足背屈、骨盤後傾)とはさみ肢位(股内転・内旋)。

問題
4歳の男児。痙直型両麻痺。GMFCS(gross motor function classification system)レベルⅢ。立位姿勢を図に示す。理学療法で適切なのはどれか。
第50回午前第12問 図
  1. 1. 股関節内旋筋の促通
  2. 2. ハムストリングスの促通
  3. 3. 腹筋群と殿筋群の同時収縮の促通
  4. 4. 長下肢装具の使用
  5. 5. 両側T字杖の使用

正答:3番

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解説
■ 正答:3番 — 腹筋群と殿筋群の同時収縮の促通

※画像の立位姿勢では、股関節屈曲・膝屈曲・足関節背屈位でしゃがみ込むような「クラウチング姿勢(crouch gait)」を呈し、骨盤が後傾しています。痙直型両麻痺・GMFCSレベルⅢでよくみられる姿勢です。骨盤・体幹の安定性を高めるには、腹筋群と殿筋群を同時収縮させて骨盤を中間位に保つ抗重力姿勢の促通が適切です。


【各選択肢の解説】

1. 股関節内旋筋の促通
❌ 誤り。痙直型両麻痺ではすでに股関節が内旋・内転傾向(はさみ肢位)になりやすく、内旋筋を促通すると変形を助長します。
2. ハムストリングスの促通
❌ 誤り。ハムストリングスは膝屈曲・骨盤後傾に働き、クラウチング姿勢を強めます。本例ではむしろ抑制・伸張の対象であり促通は不適です。
3. 腹筋群と殿筋群の同時収縮の促通
✅ 正しい。腹筋群と殿筋群(大殿筋)の同時収縮で骨盤を起こし中間位に安定させると、股関節伸展位を保ちやすくなりクラウチング姿勢の改善につながります。
4. 長下肢装具の使用
❌ 誤り。GMFCSレベルⅢでは膝のコントロールはある程度可能で、膝まで固定する長下肢装具は過剰です。一般には短下肢装具(AFO)で足部・足関節を制御します。
5. 両側T字杖の使用
❌ 誤り。4歳でGMFCSレベルⅢでは後方支持型歩行器などの歩行補助具が用いられます。両側T字杖はバランス・上肢操作の面で本児には適しません。

【試験対策ポイント】

痙直型両麻痺の典型像はクラウチング姿勢(股・膝屈曲、足背屈、骨盤後傾)はさみ肢位(股内転・内旋)。介入は「骨盤を起こす腹筋+殿筋の協調」で抗重力位を整えるのが基本。短縮しやすいハムストリングス・股内転筋・下腿三頭筋は促通でなく伸張・抑制の対象。GMFCSはⅠ(制限なし)〜Ⅴ(手動車椅子も困難)で重症度を表す。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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