PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第50回 理学療法士国家試験 午前 第14問

臨床医学第50回午前

第50回 理学療法士国家試験 午前 第14問(臨床医学)の正答は 5 です。

問題
85歳の男性。脳梗塞の既往がある。2、3か月前から食事中にむせることが多くなっていた。3日前から元気がなく、昨晩から発熱と意識障害とがみられたため救急搬送され気管挿管の上、入院となった。体温38.0℃、呼吸数25/分、左胸部に肺胞呼吸音、右胸部に水泡音が聴取された。エックス線写真(別冊No.3)を別に示す。この患者の症状が生じている原因として最も考えられるのはどれか。
第50回午前第14問 図
  1. 1. 気胸
  2. 2. 心不全
  3. 3. 肺水腫
  4. 4. 間質性肺炎
  5. 5. 誤嚥性肺炎

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 誤嚥性肺炎

※画像(別冊No.3)の胸部エックス線写真では、右下肺野を中心に淡い浸潤影(consolidation)が広がっています。脳梗塞既往があり数か月前から食事中のむせがみられた高齢者で、発熱・意識障害を伴い、右胸部に水泡音(湿性ラ音)を聴取することから、嚥下障害を背景とした誤嚥性肺炎が最も考えられます。


【各選択肢の解説】

1. 気胸
❌ 誤り。気胸では患側の肺血管影が消失し含気の亢進した(黒い)領域と虚脱した肺がみられます。浸潤影と水泡音を呈する本例とは画像・聴診所見が異なります。
2. 心不全
❌ 誤り。心不全(肺うっ血)では両側肺門部を中心に蝶形陰影や心拡大、胸水を伴うことが多く、片側下肺野の浸潤影と発熱主体の本例とは合致しません。
3. 肺水腫
❌ 誤り。肺水腫は両側びまん性の浸潤影(バットウィング像)が典型で、発熱・むせの経過より循環・腎要因が主体です。片側性の本例像とは異なります。
4. 間質性肺炎
❌ 誤り。間質性肺炎は両側下肺野・末梢優位の網状影やすりガラス影、捻髪音(fine crackles)が特徴です。誤嚥の経過と片側浸潤影の本例とは合いません。
5. 誤嚥性肺炎
✅ 正しい。嚥下障害(むせ)を背景に、臥位で誤嚥しやすい右下葉に好発します。右下肺野の浸潤影・発熱・右の水泡音と一致し、最も考えられます。

【試験対策ポイント】

誤嚥性肺炎は国試頻出。右主気管支は左より太く・短く・垂直に近いため、誤嚥物は右に落ちやすく、特に臥位では右下葉(S6・S10)に好発する。背景に脳血管障害・加齢による嚥下機能低下、不顕性誤嚥(むせのない誤嚥)がある。画像は「片側性の下肺野浸潤影+湿性ラ音」を手がかりに、両側性の心不全・肺水腫・間質性肺炎と鑑別する。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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