PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第50回 理学療法士国家試験 午前 第17問

理学療法評価学第50回午前

第50回 理学療法士国家試験 午前 第17問(理学療法評価学)の正答は 5 です。軽度の認知症があり、口頭での詳細な手順の説明が理解しにくい症例での深部(位置・運動)覚検査を選ぶ問題です。

問題
80歳の女性。多発性脳梗塞。動作の観察から、明らかな運動麻痺はみられないが軽度の感覚障害が予想される。軽度の認知症があり、口頭での詳細な手順の説明は理解しにくい。深部感覚検査として適切なのはどれか。
  1. 1. 非検査肢の自動運動による模倣試験
  2. 2. 非検査肢の他動運動による模倣試験
  3. 3. 検査肢の自動運動による再現試験
  4. 4. 検査肢の他動運動による再現試験
  5. 5. 関節定位覚(母指探し)検査

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 関節定位覚(母指探し)検査

軽度の認知症があり、口頭での詳細な手順の説明が理解しにくい症例での深部(位置・運動)覚検査を選ぶ問題です。母指探し試験(thumb localizing test)は、検査者が患者の母指を動かし、それを反対の手で探させるだけの単純な課題で、複雑な言語指示がいらず認知症があっても実施しやすい検査です。


【各選択肢の解説】

1. 非検査肢の自動運動による模倣試験
❌ 誤り。検査肢の位置を反対側で自動的に再現させる模倣試験は、「同じ位置にして」という言語的・概念的理解を要し、認知症のある本例には不向きです。
2. 非検査肢の他動運動による模倣試験
❌ 誤り。他動でも模倣(左右で同じ肢位を作る)には課題の意図理解が必要で、口頭指示が通りにくい本例では実施が難しくなります。
3. 検査肢の自動運動による再現試験
❌ 誤り。一度とった肢位を覚えて再現させる課題は、記憶と指示理解を要し、認知症のある本例には適しません。
4. 検査肢の他動運動による再現試験
❌ 誤り。検査者が動かした肢位を後で再現させる方法も、課題の理解と保持が必要で、本例には実施しにくい検査です。
5. 関節定位覚(母指探し)検査
✅ 正しい。閉眼下で検査者が動かした母指を反対の手で探させるだけの単純な課題で、複雑な言語指示が不要なため、軽度認知症の本例に最も適した深部感覚検査です。

【試験対策ポイント】

深部感覚検査は対象者の理解度に合わせて選ぶ。位置覚(関節覚)=母指探し試験・模倣試験・再現試験運動覚=動かした方向を答えさせる。模倣・再現は「言語/概念理解」が必要なため、認知症や失語があると難しい。母指探し試験は指示が単純で適用範囲が広い点を覚えておく。感覚障害が軽度予想される多発性脳梗塞では、こうした実施容易な検査の選択がポイントになる。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

それでも誤りが残ることがあります。「おかしいな」と思ったらお問い合わせから気軽に教えてください。確認のうえ修正し、皆さんと一緒に解説を育てていきます。

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