PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第50回 理学療法士国家試験 午前 第20問

理学療法管理学第50回午前

第50回 理学療法士国家試験 午前 第20問(理学療法管理学)の正答は 5 です。転倒インシデント発生後の対応として「適切でないもの」を選ぶ問題です。

問題
60歳の男性。脳梗塞による片麻痺と高次脳機能障害に対して理学療法を実施している。時折、能力以上の動作を行おうとするために転倒のリスクが指摘されていた。理学療法終了後、搬送担当者がわずかに目を離した間に立ち上がりバランスを崩して床に座りこんだが、明らかな打撲や血圧の変化はみられなかった。対応として適切でないのはどれか。
  1. 1. 家族に経過を説明する。
  2. 2. 再発防止の具体案を提案する。
  3. 3. 口頭で速やかに主治医へ報告する。
  4. 4. 発生した状況を詳細に文書で報告する。
  5. 5. 理学療法士に責任がないことを明確にする。

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — 理学療法士に責任がないことを明確にする。

転倒インシデント発生後の対応として「適切でないもの」を選ぶ問題です。医療安全の原則では、事実を正確に報告・共有し、再発防止と患者・家族への誠実な対応を行うことが求められます。自己保身として「理学療法士に責任がないことを明確にする」ことを優先するのは、安全文化に反する不適切な対応です。


【各選択肢の解説】

1. 家族に経過を説明する。
✅ 適切。インシデントの経過を家族へ誠実に説明することは、信頼関係の維持と医療安全上の責務として正しい対応です。
2. 再発防止の具体案を提案する。
✅ 適切。原因を分析し再発防止策を講じることは、医療安全の中核であり望ましい対応です。
3. 口頭で速やかに主治医へ報告する。
✅ 適切。患者の状態変化やインシデントは速やかに主治医へ報告し、必要な医学的対応につなげるべきです。
4. 発生した状況を詳細に文書で報告する。
✅ 適切。インシデントレポートとして状況を客観的・詳細に記録することは、組織的な再発防止と情報共有のために必要です。
5. 理学療法士に責任がないことを明確にする。
❌ 適切でない。責任の有無を真っ先に主張するのは自己保身であり、原因究明・再発防止・患者本位の対応という医療安全の理念に反します。本問の「適切でないもの」に該当します。

【試験対策ポイント】

医療安全・リスクマネジメントの基本姿勢は「事実の正確な報告・共有→原因分析→再発防止」と「患者・家族への誠実な説明(情報開示)」。インシデント(ヒヤリ・ハット)/アクシデントを区別し、責任追及(個人の非難)よりシステム改善を重視する。「責任がないことを強調」「隠蔽」「報告を怠る」は典型的な不適切選択肢として狙われる。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

それでも誤りが残ることがあります。「おかしいな」と思ったらお問い合わせから気軽に教えてください。確認のうえ修正し、皆さんと一緒に解説を育てていきます。

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