第50回 理学療法士国家試験 午後 第20問
理学療法管理学第50回午後
75歳の女性。左変形性膝関節症。翌日に左側の人工関節置換術を施行予定のため、術前の理学療法評価を実施した。術前評価を終了した際に患者は「明日の手術が心配です」と訴えた。理学療法士の対応として適切なのはどれか。\n1. 「手術をやめたいということですか」\n2. 「つらいのは1週間くらいなので、大丈夫ですよ」\n3. 「手術を頑張れば、膝関節の伸びがよくなりますよ」\n4. 「手術をすれば、今より楽に歩けるようになりますよ」\n5. 「手術を明日に控えて、いろいろと心配になりますよね」
- 1. 「手術をやめたいということですか」
- 2. 「つらいのは1週間くらいなので、大丈夫ですよ」
- 3. 「手術を頑張れば、膝関節の伸びがよくなりますよ」
- 4. 「手術をすれば、今より楽に歩けるようになりますよ」
- 5. 「手術を明日に控えて、いろいろと心配になりますよね」 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 「手術を明日に控えて、いろいろと心配になりますよね」
患者の不安や心配に対して、理学療法士が共感的に傾聴し、患者の感情を認める対応が適切です。これは患者中心のケアと治療的コミュニケーションの基本です。
---
【各選択肢の解説】
1. 「手術をやめたいということですか」
❌ 誤り。患者の訴えを曲解し、勝手に行動意図を推測しています。「心配」と「やめたい」は異なります。患者の真意を確認せず、不安をさらに増幅させる危険性があります。
2. 「つらいのは1週間くらいなので、大丈夫ですよ」
❌ 誤り。患者の感情を軽視し、自分の判断で「大丈夫」と安易に断定しています。根拠のない楽観的コメントは信頼を損なわせます。
3. 「手術を頑張れば、膝関節の伸びがよくなりますよ」
❌ 誤り。患者の現在の心理状態(不安)に対応していません。術後の利益を強調するだけでは、術前の不安解消にはなりません。
4. 「手術をすれば、今より楽に歩けるようになりますよ」
❌ 誤り。同様に術後成果を強調していますが、患者の「明日の手術が心配」という現在の感情に寄り添っていません。
5. 「手術を明日に控えて、いろいろと心配になりますよね」
✅ 正しい。患者の感情を認め、共感的に傾聴する対応です。患者の心理状態を理解し、不安に対して受容的な態度を示すことで信頼関係を構築できます。
---
【試験対策ポイント】
• 患者教育・カウンセリングの場面では「共感的傾聴」が基本原則
• 術前不安への対応は感情の認識→傾聴→必要に応じた情報提供の順序
• 「大丈夫」「頑張って」などの安易な励ましは避ける