第51回 理学療法士国家試験 午前 第15問
理学療法治療学第51回午前
45歳の男性。筋萎縮性側索硬化症。発症から1年経過している。ADLは自立しているが、主に下肢の筋力低下、バランス不良および鶏歩が認められる。理学療法で適切なのはどれか。
1. 車椅子操作の練習
2. 下肢の漸増抵抗運動
3. 両松葉杖での歩行練習
4. 感覚再教育によるバランス練習
5. プラスチックAFOを装着した歩行練習
- 1. 車椅子操作の練習
- 2. 下肢の漸増抵抗運動
- 3. 両松葉杖での歩行練習
- 4. 感覚再教育によるバランス練習
- 5. プラスチックAFOを装着した歩行練習 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — プラスチックAFOを装着した歩行練習
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は進行性疾患であり、鶏歩(足を高く上げる歩き方)が認められる場合、下垂足による歩行障害に対してAFO(足関節装具)装着が最適な対応です。ADL自立している現在の段階では、機能維持と安全な歩行確保が優先されます。
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【各選択肢の解説】
1. 車椅子操作の練習
❌ 誤り。ADLが自立している現段階では、移動手段の転換は時期尚早です。進行に伴い必要となる可能性がありますが、現在の最優先ではありません。
2. 下肢の漸増抵抗運動
❌ 誤り。ALS は神経変性疾患であり、運動ニューロン障害に対する漸増抵抗運動は筋疲労を招き、症状悪化のリスクとなります。
3. 両松葉杖での歩行練習
❌ 誤り。鶏歩は下垂足に起因するもので、装具で足関節の背屈を補助することが根本的解決です。松葉杖は余計な上肢負荷を増加させます。
4. 感覚再教育によるバランス練習
❌ 誤り。ALSはバランス障害の原因が感覚障害ではなく、運動ニューロン変性による筋力低下のため、感覚再教育は効果的ではありません。
5. プラスチックAFOを装着した歩行練習
✅ 正しい。AFOは下垂足を補助し、足を高く上げる必要性を軽減し、安全で効率的な歩行を実現します。ALS の進行性特性に対応した適切な機能訓練です。
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【試験対策ポイント】
• ALS患者への運動療法:漸増抵抗運動は禁忌(筋疲労リスク)
• 下垂足+鶏歩の組み合わせ→AFO適応の典型
• 神経変性疾患は「機能維持・QOL向上」が目標(筋力増強ではない)