PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第51回 理学療法士国家試験 午後 第7問

理学療法治療学第51回午後

第51回 理学療法士国家試験 午後 第7問(理学療法治療学)の正答は 4 です。足尖までの長さで足継手のないプラスチックAFOは、立脚後期(蹴り出し)でMP関節の背屈が妨げられ、踵離地〜前遊脚が出にくくなります。

問題
79歳の女性。脳卒中後の左片麻痺。プラスチックAFOを装着してT字杖歩行が可能である。装具は足尖までの長さで足継手はない。Brunnstrom法ステージでは上肢Ⅳ、下肢Ⅴ。左立脚後期が歩行周期の中で極端に短く安定性も低下している。歩容を改善するために有用な方法はどれか。
  1. 1. 外側フレアを付ける。
  2. 2. 足部のベルクロの固定を緩める。
  3. 3. 装具の高さを下腿中央付近まで低くする。
  4. 4. 装具の中足指節関節部から遠位部を切除する。
  5. 5. 足関節部の固定性を強化(コリュゲーション)する。

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — 装具の中足指節関節部から遠位部を切除する。

足尖までの長さで足継手のないプラスチックAFOは、立脚後期(蹴り出し)でMP関節の背屈が妨げられ、踵離地〜前遊脚が出にくくなります。MP関節より遠位部を切除すれば、立脚後期にMP背屈が可能となり蹴り出しが改善し、立脚後期の短縮・不安定性が是正されます。


【各選択肢の解説】

1. 外側フレアを付ける。
❌ 誤り。外側フレアは足部の内反(内がえし)を制動する目的。立脚後期の短さという問題には対応しない。
2. 足部のベルクロの固定を緩める。
❌ 誤り。固定を緩めると装具内で足が動き、かえって安定性が低下する。立脚後期の改善にはつながらない。
3. 装具の高さを下腿中央付近まで低くする。
❌ 誤り。高さを下げると足関節の制動性が低下し、内反尖足の制御が不十分になる。蹴り出し改善とは別問題。
4. 装具の中足指節関節部から遠位部を切除する。
✅ 正しい。MP関節遠位を切除することで立脚後期にMP背屈(蹴り出し)が可能となり、短縮していた立脚後期が改善する。
5. 足関節部の固定性を強化(コリュゲーション)する。
❌ 誤り。固定を強めると足関節背屈・蹴り出しがさらに制限され、立脚後期は悪化する。

【試験対策ポイント】

AFOのトリミング・調整は「どの相の何を改善したいか」で考える。立脚後期(蹴り出し)の改善にはMP関節部より遠位を切除してMP背屈を許すのが定石。下肢ステージⅤと比較的良好な分離運動があるため、過度な固定よりも蹴り出しを引き出す調整が適している。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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