第52回 理学療法士国家試験 午前 第7問
整形外科学第52回午前
30歳の男性。スキーで転倒して受傷した。エックス線写真(別冊No. 1)を別に示す。肩脱臼整復後に肩関節内転・内旋位で固定されたが、上腕の外側上部に感覚鈍麻を訴えた。合併症の神経麻痺はどれか。
1. 腋窩神経
2. 肩甲上神経
3. 肩甲下神経
4. 尺骨神経
5. 正中神経
- 1. 腋窩神経 ✓
- 2. 肩甲上神経
- 3. 肩甲下神経
- 4. 尺骨神経
- 5. 正中神経
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 腋窩神経
肩脱臼整復後に上腕の外側上部に感覚鈍麻が生じたことから、この領域を支配する腋窩神経の損傷が考えられます。腋窩神経は肩関節脱臼時に最も損傷されやすい神経であり、特に内転・内旋位での固定により圧迫される危険性が高いです。
---
【各選択肢の解説】
1. 腋窩神経
✅ 正しい。腋窩神経は肩関節後方を通り、上腕外側上部(三角筋領域)の感覚を支配します。肩脱臼整復後の合併症として最も頻度が高く、内転・内旋位の固定で圧迫されやすいです。
2. 肩甲上神経
❌ 誤り。肩甲上神経は棘上筋・棘下筋を支配し、肩甲骨周辺の運動支配が主です。感覚障害の主訴とは合致しません。
3. 肩甲下神経
❌ 誤り。肩甲下神経は肩甲下筋を支配する運動神経です。上腕外側上部の感覚鈍麻とは無関係です。
4. 尺骨神経
❌ 誤り。尺骨神経は前腕・手指の感覚を支配します。上腕外側上部の感覚領域ではありません。
5. 正中神経
❌ 誤り。正中神経は前腕・手掌の感覚を支配します。肩脱臼との直接的な関連性がありません。
---
【試験対策ポイント】
• 腋窩神経損傷:上腕外側上部(肩から二頭筋部まで)の感覚低下が特徴的
• 肩脱臼後の神経損傷はAx(腋窩)神経が最頻度(約5-18%)
• 内転・内旋位固定は腋窩神経圧迫のリスク因子