PTカコモン — 理学療法士国家試験 過去問・解説

第53回 理学療法士国家試験 午後 第7問

義肢装具学第53回午後
45歳の男性。左大腿切断後。大腿義足を用いた歩行練習中、左立脚中期に過度の腰椎前弯が観察された。原因として正しいのはどれか。 1. 義足長が長過ぎる。 2. 足継手の後方バンパーが弱過ぎる。 3. ソケットが前方に位置し過ぎている。 4. ソケットの初期屈曲角が不足している。 5. 膝継手の摩擦が弱過ぎる。
  1. 1. 義足長が長過ぎる。
  2. 2. 足継手の後方バンパーが弱過ぎる。
  3. 3. ソケットが前方に位置し過ぎている。
  4. 4. ソケットの初期屈曲角が不足している。 ✓
  5. 5. 膝継手の摩擦が弱過ぎる。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — ソケットの初期屈曲角が不足している。 立脚中期に過度の腰椎前弯が生じるのは、義足側の骨盤が後方に傾く代償が生じているためです。ソケットの初期屈曲角が不足すると、膝関節が伸展位に保たれやすくなり、立脚中期で膝が突っ張る状態になります。これにより、患側の股関節伸展が制限され、体幹を前傾させて重心を移動させようとするため、腰椎の過度な前弯が代償的に出現します。 --- 【各選択肢の解説】 1. 義足長が長過ぎる。 ❌ 誤り。義足長が長いと、接地側が高くなり、骨盤が上方挙上し、健側への側方傾斜が生じます。腰椎前弯の主原因ではありません。 2. 足継手の後方バンパーが弱過ぎる。 ❌ 誤り。後方バンパーの調整は、立脚後期から遊脚への移行時の背屈制御に関わります。立脚中期の腰椎前弯とは直接の関連性が薄いです。 3. ソケットが前方に位置し過ぎている。 ❌ 誤り。ソケットの前後位置は、股関節のモーメントアームに影響しますが、立脚中期の腰椎前弯を直接引き起こす主要因ではありません。 4. ソケットの初期屈曲角が不足している。 ✅ 正しい。初期屈曲角が不足すると膝伸展が強くなり、立脚中期で膝が過度に伸展して安定しようとします。その結果、股関節伸展が制限され、体幹の前傾と腰椎前弯が代償的に出現します。 5. 膝継手の摩擦が弱過ぎる。 ❌ 誤り。膝継手の摩擦低下は、遊脚での膝屈曲に影響し、歩容では遊脚短縮が生じやすくなりますが、立脚中期の腰椎前弯の直接原因ではありません。 --- 【試験対策ポイント】 - ソケット初期屈曲角不足 → 膝伸展強化 → 股関節伸展制限 → 腰椎前弯代償 - 立脚中期の体幹・脊椎の問題は、下肢関節の制御不全による代償歩行と認識する - 大腿義足の主要調整項目:初期屈曲角、ソケット位置、膝継手、足継手バンパー
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