第53回 理学療法士国家試験 午後 第8問
義肢装具学第53回午後
70歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。Brunnstrom法ステージは下肢Ⅲ。関節可動域制限はない。ダブルクレンザック足継手付き両側金属支柱型短下肢装具を用いて歩行練習を実施している。足継手を背屈0〜20度で可動するように設定すると左立脚中期に膝折れが出現した。装具の調整で正しいのはどれか。
1. 足継手の可動範囲を背屈0〜5度に設定する。
2. スウェーデン式膝装具を併用する。
3. Tストラップを追加する。
4. 外側ウェッジを入れる。
5. 装具の踵を高くする。
- 1. 足継手の可動範囲を背屈0〜5度に設定する。 ✓
- 2. スウェーデン式膝装具を併用する。
- 3. Tストラップを追加する。
- 4. 外側ウェッジを入れる。
- 5. 装具の踵を高くする。
正答:1番
解説
■ 正答:1番 — 足継手の可動範囲を背屈0〜5度に設定する。
立脚中期の膝折れは、足継手の過度な背屈可動により足が前に流れすぎ、膝を安定させる後方モーメントが減少するために生じます。足継手の可動範囲を制限して背屈を抑制することで、立脚期の膝安定性が向上します。
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【各選択肢の解説】
1. 足継手の可動範囲を背屈0〜5度に設定する。
✅ 正しい。背屈を制限することで足の過度な前進を防ぎ、膝伸展モーメントを維持して膝折れを改善します。
2. スウェーデン式膝装具を併用する。
❌ 誤り。膝折れの根本原因は足継手の設定にあり、膝装具追加は装具設計の本質的解決ではありません。
3. Tストラップを追加する。
❌ 誤り。Tストラップは内反足の防止や足関節の内外反制御目的で、膝折れ対策には直接的な効果がありません。
4. 外側ウェッジを入れる。
❌ 誤り。外側ウェッジは足の回外変形制御目的で、膝折れとは関連性がありません。
5. 装具の踵を高くする。
❌ 誤り。踵を高くするとさらに背屈が増加し、膝折れが悪化します。
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【試験対策ポイント】
• 立脚中期の膝折れ→足継手の背屈制限が基本対策
• Brunnstrom法ステージⅢ(下肢)では膝伸展筋力が不十分で、装具による膝安定化が必須
• 足継手可動域設定は歩行安定性に直結する重要な調整項目