PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第53回 理学療法士国家試験 午後 第8問

義肢装具学第53回午後

第53回 理学療法士国家試験 午後 第8問(義肢装具学)の正答は 1 です。立脚中期の膝折れは、下腿が前へ倒れ過ぎて膝に屈曲モーメントがかかるために起こる。

問題
70歳の男性。脳梗塞による左片麻痺。Brunnstrom法ステージは下肢Ⅲ。関節可動域制限はない。ダブルクレンザック足継手付き両側金属支柱型短下肢装具を用いて歩行練習を実施している。足継手を背屈0〜20度で可動するように設定すると左立脚中期に膝折れが出現した。装具の調整で正しいのはどれか。
  1. 1. 足継手の可動範囲を背屈0〜5度に設定する。 ✓
  2. 2. スウェーデン式膝装具を併用する。
  3. 3. Tストラップを追加する。
  4. 4. 外側ウェッジを入れる。
  5. 5. 装具の踵を高くする。

正答:1番

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この問題の正答率(PTカコモン利用者の実データ)

初回正答率 67.6%標準

34人の初回解答から算出(2026年10月21日時点)

同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、PTカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。

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解説
■ 正答:1番 — 足継手の可動範囲を背屈0〜5度に設定する。

立脚中期の膝折れは、下腿が前へ倒れ過ぎて膝に屈曲モーメントがかかるために起こる。背屈0〜20度まで許すと下腿の前傾を止められないので、背屈を制限して下腿の前傾を抑え、膝を伸展位に保つ。関節可動域制限がないので背屈を制限しても足部の問題は生じない。


【各選択肢の解説】

1. 足継手の可動範囲を背屈0〜5度に設定する。
✅ 正しい。背屈の可動域を小さくすると、立脚中期に下腿が前に倒れ込むのを装具が止める。床反力が膝の前方を通りやすくなり、膝伸展モーメントで膝折れが防がれる。
2. スウェーデン式膝装具を併用する。
❌ 誤り。スウェーデン式膝装具は膝の後方への動きを止める装具で、膝折れ(屈曲方向)は防げない。正しくは、反張膝(過伸展)の防止に用いる。
3. Tストラップを追加する。
❌ 誤り。Tストラップは前額面で足部を引き寄せる部品で、矢状面の膝折れには効かない。正しくは、足部の内反または外反を矯正するために用いる。
4. 外側ウェッジを入れる。
❌ 誤り。外側ウェッジは前額面の調整で、膝折れには効かない。正しくは、足底の外側を高くして足部を外反方向へ導き、内反を矯正する(変形性膝関節症では膝の内反モーメントの軽減に使う)。
5. 装具の踵を高くする。
❌ 誤り。踵を高くすると下腿がさらに前傾し、膝屈曲モーメントが増えて膝折れを助長する。正しくは、踵を低くするか背屈を制限して下腿の前傾を抑える。

【試験対策ポイント】

立脚期の膝の問題足継手の調整
膝折れ(膝が前に崩れる)背屈を制限する
反張膝(膝が後ろに押される)底屈を制限する(軽い背屈位で止める)

ダブルクレンザック足継手は前後のロッドで背屈・底屈の範囲を別々に決められる。

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