PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第53回 理学療法士国家試験 午後 第10問

内科学・臨床医学第53回午後

第53回 理学療法士国家試験 午後 第10問(内科学・臨床医学)の正答は 5 です。筋萎縮性側索硬化症(ALS)は上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの両方が障害される。

問題
45歳の男性。半年前から左上肢遠位部の脱力、3か月前から左上肢の筋萎縮と右上肢の脱力、さらに最近歩行障害と構音障害を認めるようになり、神経内科で筋萎縮性側索硬化症と診断された。現時点で認められる可能性が高いのはどれか。
  1. 1. 褥瘡
  2. 2. 振動覚低下
  3. 3. 眼球運動障害
  4. 4. 膀胱直腸障害
  5. 5. Hoffmann反射陽性

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — Hoffmann反射陽性

筋萎縮性側索硬化症(ALS)は上位運動ニューロンと下位運動ニューロンの両方が障害される。Hoffmann反射陽性は上位運動ニューロン障害(錐体路徴候)を示す所見で、ALSで認められる。一方、ALSでは感覚障害・眼球運動障害・膀胱直腸障害・褥瘡は原則として末期まで保たれる(陰性四徴)。


【各選択肢の解説】

1. 褥瘡
❌ 誤り。ALSでは末期まで褥瘡ができにくいのが特徴。コラーゲン代謝の特性などで皮膚が保たれ、陰性所見の一つとされる。
2. 振動覚低下
❌ 誤り。ALSは運動ニューロン疾患であり、感覚系は障害されない。振動覚を含む感覚は保たれる。
3. 眼球運動障害
❌ 誤り。ALSでは外眼筋(眼球運動)は末期まで保たれることが多く、陰性四徴の一つ。
4. 膀胱直腸障害
❌ 誤り。ALSでは排尿・排便を司る仙髄のOnuf核が保たれるため、膀胱直腸障害は原則生じない。
5. Hoffmann反射陽性
✅ 正しい。Hoffmann反射陽性は上位運動ニューロン障害(錐体路徴候)を示す。ALSは上位・下位両ニューロンが障害されるため陽性となる。

【試験対策ポイント】

ALSの陰性四徴(保たれるもの)=感覚障害・眼球運動障害・膀胱直腸障害・褥瘡は超頻出。逆に陽性となるのは上位(腱反射亢進・Babinski・Hoffmann・痙縮)+下位(筋萎縮・線維束性収縮・脱力)の両方の所見。本症例は四肢の筋萎縮・脱力(下位)に加え錐体路徴候(上位)が出る点が診断の要。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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