PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第53回 理学療法士国家試験 午後 第15問

物理療法第53回午後

第53回 理学療法士国家試験 午後 第15問(物理療法)の正答は 1 です。蜂窩織炎(皮下組織の急性細菌感染)を発症し薬物療法中の急性期では、リンパ浮腫に対する圧迫・運動・ドレナージはいずれも感染を拡げる危険があり中止する。

問題
58歳の女性。5年前に子宮頸癌の手術を行った。2年前から右下肢にリンパ浮腫が出現し、弾性ストッキングを着用していた。1年前から安静臥位で右下肢を挙上しても浮腫が改善せず、皮膚が固くなり非圧窩性浮腫が認められたため、週1回外来で理学療法を実施していた。2日前に蜂窩織炎を発症し、現在、薬物療法中である。対応として適切なのはどれか。
  1. 1. 患部の冷却
  2. 2. スキンケア休止
  3. 3. 圧迫下での下肢運動
  4. 4. 用手的リンパドレナージ
  5. 5. 経皮的電気刺激療法〈TENS〉

正答:1番

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解説
■ 正答:1番 — 患部の冷却

蜂窩織炎(皮下組織の急性細菌感染)を発症し薬物療法中の急性期では、リンパ浮腫に対する圧迫・運動・ドレナージはいずれも感染を拡げる危険があり中止する。この時期は患部の安静と炎症を抑える冷却が適切で、感染が落ち着くまで複合的理学療法は休止する。


【各選択肢の解説】

1. 患部の冷却
✅ 正しい。蜂窩織炎の急性期は炎症・熱感が強く、冷却で炎症・疼痛を緩和できる。圧迫やドレナージは禁忌のため、安静と冷却が適切。
2. スキンケア休止
❌ 誤り。リンパ浮腫管理ではスキンケア(皮膚の清潔・保湿)は感染予防の基本で、蜂窩織炎時こそ重要。休止は不適切。
3. 圧迫下での下肢運動
❌ 誤り。急性炎症時に圧迫や運動を行うと感染を全身へ拡散させる恐れがある。蜂窩織炎の急性期は圧迫療法を中止する。
4. 用手的リンパドレナージ
❌ 誤り。用手的リンパドレナージは感染を助長・拡散させるため、蜂窩織炎の急性期は禁忌。炎症消退後に再開する。
5. 経皮的電気刺激療法〈TENS〉
❌ 誤り。TENSは疼痛緩和目的だが、急性感染部位への電気刺激は適応外で、蜂窩織炎の治療には用いない。

【試験対策ポイント】

リンパ浮腫の複合的治療(スキンケア・用手的リンパドレナージ・圧迫療法・運動療法)は、蜂窩織炎などの急性炎症・感染時には圧迫・ドレナージ・運動を中止するのが鉄則。理由は感染を拡散させるため。急性期は安静・冷却・抗菌薬で炎症を鎮め、軽快後に複合治療を再開する。スキンケアは感染予防の土台で継続する点も重要。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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