第54回 理学療法士国家試験 午前 第7問
物理療法第54回午前
正中神経を手首と肘部で電気刺激した運動神経伝導検査の波形を示す。この運動神経伝導検査から考えられる病態はどれか。ただし、手首と肘部の刺激部位間の距離は175 mmである。(正常範囲:振幅3.5 mV以上、運動神経伝導速度48 m/s以上)
1. 運動ニューロン変性
2. 軸索変性
3. 神経筋接合部異常
4. 正常
5. 脱髄
- 1. 運動ニューロン変性
- 2. 軸索変性
- 3. 神経筋接合部異常
- 4. 正常
- 5. 脱髄 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 脱髄
脱髄では神経線維の髄鞘が障害され、活動電位の伝導速度が低下します。本問では運動神経伝導速度が正常範囲を下回り、かつ振幅(複合筋活動電位)が比較的保持されている点が脱髄の特徴です。
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【各選択肢の解説】
1. 運動ニューロン変性
❌ 誤り。運動ニューロン変性では神経体が障害されるため、複数の筋への広範な脱神経が生じ、振幅の著明な低下が認められます。
2. 軸索変性
❌ 誤り。軸索変性では軸索本体が障害されるため、刺激部位より遠位での複合筋活動電位が著明に低下します。本問では振幅が比較的保持されています。
3. 神経筋接合部異常
❌ 誤り。神経筋接合部異常(重症筋無力症など)では伝導速度は正常ですが、繰り返し刺激で振幅の減衰(デクレメント)が見られます。
4. 正常
❌ 誤り。運動神経伝導速度が48 m/s以上という正常範囲を下回っているため、正常ではありません。
5. 脱髄
✅ 正しい。脱髄では髄鞘の喪失により伝導速度が低下しますが、軸索本体は保持されるため振幅は比較的維持されます。この伝導速度低下と振幅保持のパターンが脱髄の特徴です。
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【試験対策ポイント】
- 脱髄:伝導速度↓、振幅→保持
- 軸索変性:伝導速度→正常〜軽度低下、振幅↓↓
- 近位部刺激vs遠位部刺激での振幅比較が診断の鍵