PTカコモン — 理学療法士国家試験 過去問・解説

第54回 理学療法士国家試験 午前 第62問

生理学第54回午前
骨格筋の筋収縮で正しいのはどれか。 1. 筋小胞体には Na⁺ を貯蔵している。 2. 活動電位は筋収縮に遅れて発生する。 3. Ca²⁺ が筋小胞体に取り込まれると筋収縮が起こる。 4. ミオシン頭部の角度が戻るときに ATP の加水分解が起こる。 5. 神経筋接合部での興奮の伝達は神経と筋との間で双方向性である。
  1. 1. 筋小胞体には Na⁺ を貯蔵している。
  2. 2. 活動電位は筋収縮に遅れて発生する。
  3. 3. Ca²⁺ が筋小胞体に取り込まれると筋収縮が起こる。
  4. 4. ミオシン頭部の角度が戻るときに ATP の加水分解が起こる。 ✓
  5. 5. 神経筋接合部での興奮の伝達は神経と筋との間で双方向性である。

正答:4番

解説
■ 正答:4番 — ミオシン頭部の角度が戻るときに ATP の加水分解が起こる。 ミオシン頭部がパワーストロークで角度を戻す際、新たなATPが結合することでミオシン頭部とアクチンの結合が解離し、その後ATP加水分解によってミオシン頭部が元の角度に戻ります。この過程がスライディング機構による筋収縮を実現します。 --- 【各選択肢の解説】 1. 筋小胞体には Na⁺ を貯蔵している。 ❌ 誤り。筋小胞体はCa²⁺を貯蔵しており、Na⁺ではありません。細胞外液に多くのNa⁺が存在します。 2. 活動電位は筋収縮に遅れて発生する。 ❌ 誤り。活動電位は筋収縮に先行して発生します。活動電位がCa²⁺放出を引き起こし、その後筋収縮が起こります。 3. Ca²⁺ が筋小胞体に取り込まれると筋収縮が起こる。 ❌ 誤り。逆です。Ca²⁺が筋小胞体から放出されると筋収縮が起こります。Ca²⁺の取り込みは筋弛緩に関与します。 4. ミオシン頭部の角度が戻るときに ATP の加水分解が起こる。 ✅ 正しい。新規ATP結合後の加水分解によってミオシン頭部がリセット状態に戻ります。これが次のサイクルを準備します。 5. 神経筋接合部での興奮の伝達は神経と筋との間で双方向性である。 ❌ 誤り。神経筋接合部での伝達は単方向性で、神経終末からアセチルコリンが放出され筋へ伝わります。筋から神経への逆行伝達はありません。 --- 【試験対策ポイント】 • 筋小胞体に貯蔵されるイオンはCa²⁺(Na⁺ではない) • 活動電位→Ca²⁺放出→筋収縮(時間的順序) • ATP加水分解はミオシン頭部のリセット(角度が戻る時)に必須 • 神経筋接合部での伝達は神経→筋の単方向性
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