PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第54回 理学療法士国家試験 午前 第91問

神経内科学第54回午前

第54回 理学療法士国家試験 午前 第91問(神経内科学)の正答は 5 です。複数の末梢神経で運動神経伝導速度(MCV)が低下した、という所見から疾患を推定する問題です。

問題
下肢の末梢神経伝導検査で複数の神経に運動神経伝導速度低下を認めた。最も考えられる疾患はどれか。
  1. 1. 多発性筋炎
  2. 2. 視神経脊髄炎
  3. 3. 閉塞性動脈硬化症
  4. 4. 筋萎縮性側索硬化症
  5. 5. Guillain-Barré症候群

正答:5番

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解説
■ 正答:5番 — Guillain-Barré症候群

複数の末梢神経で運動神経伝導速度(MCV)が低下した、という所見から疾患を推定する問題です。神経伝導速度の低下は髄鞘(ミエリン)の障害=脱髄を意味し、多発神経で脱髄をきたす代表がGuillain-Barré症候群です。


【各選択肢の解説】

1. 多発性筋炎
❌ 誤り。筋自体の炎症性疾患で、障害されるのは筋であり末梢神経の伝導速度は正常です(筋原性パターン)。
2. 視神経脊髄炎
❌ 誤り。視神経と脊髄を侵す中枢神経の脱髄疾患で、末梢神経伝導検査の異常は主病態ではありません。
3. 閉塞性動脈硬化症
❌ 誤り。下肢動脈の血流障害による疾患で、間欠性跛行が主症状です。神経伝導速度低下は主所見ではありません。
4. 筋萎縮性側索硬化症
❌ 誤り。運動ニューロン(軸索)の変性疾患で、伝導速度は比較的保たれ、針筋電図で脱神経・線維束性収縮を認めるのが特徴です。
5. Guillain-Barré症候群
✅ 正しい。急性炎症性脱髄性多発神経炎で、多発する末梢神経の脱髄により運動神経伝導速度が低下します。

【試験対策ポイント】

神経伝導検査の読み方が鍵です。伝導速度の著明な低下=脱髄(Guillain-Barré、CIDP、Charcot-Marie-Tooth)/振幅低下で速度保持=軸索障害(ALS、軸索型ニューロパチー)。ALSは運動ニューロン疾患でも軸索型なので伝導速度は保たれる点が引っかけです。Guillain-Barré症候群は先行感染後に上行性の運動麻痺・腱反射消失をきたす、と併せて押さえましょう。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

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