第54回 理学療法士国家試験 午後 第84問
生理学第54回午後
高齢者の長期の安静臥床の影響で正しいのはどれか。2つ選べ。
1. 記銘力の低下
2. 1回換気量の増加
3. 循環血液量の減少
4. 予備呼気量の増加
5. 安静時心拍数の減少
- 1. 記銘力の低下 ✓
- 2. 1回換気量の増加
- 3. 循環血液量の減少 ✓
- 4. 予備呼気量の増加
- 5. 安静時心拍数の減少
正答:1・3番
解説
■ 正答:1番、3番 — 記銘力の低下、循環血液量の減少
長期の安静臥床は認知機能低下と循環動態の悪化を招きます。記銘力低下は脳への刺激減少と認知機能の不活化によって生じ、循環血液量減少は重力に対する血液の再分配と利尿作用による体液喪失が原因です。
---
【各選択肢の解説】
1. 記銘力の低下
✅ 正しい。長期安静によって脳への感覚入力が減少し、認知的刺激の欠如により記憶機能が低下します。高齢者でより顕著です。
2. 1回換気量の増加
❌ 誤り。安静臥床により呼吸筋力が低下し、1回換気量は**減少**します。特に背臥位は肺容量を制限します。
3. 循環血液量の減少
✅ 正しい。臥床により重力的血液再分配が生じ、また利尿ホルモン(ANP)の変化で体液が喪失され、循環血液量が減少します。
4. 予備呼気量の増加
❌ 誤り。安静臥床により腹部内臓が肺を圧迫し、予備呼気量は**減少**します。肺活量全体が低下します。
5. 安静時心拍数の減少
❌ 誤り。長期安静では循環血液量減少と心機能低下に対する代償として、むしろ安静時心拍数は**増加**します。
---
【試験対策ポイント】
• 安静臥床の呼吸影響:肺容量・換気量**減少**、呼吸筋萎縮
• 循環血液量減少:重力的再分配+利尿作用、起立性低血圧の危険因子
• 認知機能低下:感覚遮断、身体活動の欠如による脳刺激減少