PTカコモン — 理学療法士国家試験 過去問・解説

第55回 理学療法士国家試験 午前 第18問

人間発達学第55回午前
32歳の女性。2週前に上気道炎を発症し、5日前から四肢末端の異常感覚を自覚した。その後、徐々に四肢の脱力を認めた。Guillain-Barré症候群と診断され、直ちにγ-グロブリン大量静注療法を開始した。入院時の四肢筋力はMMTで段階4であったが、入院2日後には顔面筋麻痺と構音・嚥下障害が出現し、翌日には痰が多く呼吸困難が出現したため、気管挿管され人工呼吸器管理となった。四肢筋力は近位筋で段階1、その他は段階2〜3に低下している。現時点で優先される治療はどれか。 1. 機能的電気刺激 2. 筋力増強運動 3. 座位練習 4. 自発呼吸練習 5. 排痰練習
  1. 1. 機能的電気刺激
  2. 2. 筋力増強運動
  3. 3. 座位練習
  4. 4. 自発呼吸練習
  5. 5. 排痰練習 ✓

正答:5番

解説
■ 正答:5番 — 排痰練習 現在、患者は人工呼吸器管理下にあり、痰の貯留が呼吸困難の直接的な原因となっているため、気道クリアランスの確保が最優先される。生命維持に関わる気道管理が治療の第一段階である。 --- 【各選択肢の解説】 1. 機能的電気刺激 ❌ 誤り。現段階では筋力が著しく低下(近位筋MMT1)しており、神経筋接続の回復を待つ必要がある。急性期での使用は適応外。 2. 筋力増強運動 ❌ 誤り。Guillain-Barré症候群の急性期で、筋力が極度に低下している状態での筋力強化は患者の消耗を招き禁忌に近い。 3. 座位練習 ❌ 誤り。人工呼吸器装着中であり、現在は気道管理と生命維持が優先。回復段階での姿勢変換訓練は後期のセラピーとなる。 4. 自発呼吸練習 ❌ 誤り。現在も痰の貯留により呼吸困難がある状態では、気道クリアランスが先決。自発呼吸試験は痰処理後に段階的に検討される。 5. 排痰練習 ✅ 正しい。痰が多く呼吸困難の原因となっている現在、気道内分泌物の排出を促進することが即座の生命維持に必須。吸引補助やハフィング等の排痰技術が最優先。 --- 【試験対策ポイント】 - Guillain-Barré症候群の急性期:気道管理と生命維持が最優先 - 人工呼吸器装着患者における理学療法の優先順位は「気道クリアランス→呼吸機能→運動機能」 - 急性期の筋力強化運動は禁忌(神経炎症の悪化につながる可能性)
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