PTカコモン理学療法士国家試験 過去問・解説

第55回 理学療法士国家試験 午後 第12問

理学療法評価学第55回午後

第55回 理学療法士国家試験 午後 第12問(理学療法評価学)の正答は 4 です。歩行のふらつき・構音障害・四肢協調運動障害・小脳/脳幹萎縮から、本症例は脊髄小脳変性症など小脳性運動失調が考えられます。

問題
62歳の女性。約半年前から歩行中にふらつき、しゃべりにくいことに気付いていたが、最近これらの症状が悪化してきた。その他、四肢協調運動障害、頭部CTで小脳および脳幹萎縮を指摘されている。この症例の評価指標として適切でないのはどれか。
  1. 1. FBS
  2. 2. 踵膝試験
  3. 3. 鼻指鼻試験
  4. 4. FMA〈Fugl-Meyer assessment〉
  5. 5. SARA〈scale for the assessment and rating test〉

正答:4番

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解説
■ 正答:4番 — FMA〈Fugl-Meyer assessment〉

歩行のふらつき・構音障害・四肢協調運動障害・小脳/脳幹萎縮から、本症例は脊髄小脳変性症など小脳性運動失調が考えられます。FMAは脳卒中片麻痺の運動機能を評価する指標で、小脳性運動失調の評価には適しません。よって適切でないものとして4番が正答です。


【各選択肢の解説】

1. FBS
❌ 誤り(適切な指標)。Berg Balance Scaleはバランス評価で、失調によるふらつき・転倒リスク評価に適しています。
2. 踵膝試験
❌ 誤り(適切な指標)。下肢の協調運動・測定障害をみる失調検査で、本症例に適しています。
3. 鼻指鼻試験
❌ 誤り(適切な指標)。上肢の協調・測定障害(測定異常・企図振戦)をみる失調検査で適切です。
4. FMA〈Fugl-Meyer assessment〉
✅ 正しい(適切でない指標)。脳卒中片麻痺の運動・感覚機能を評価する指標で、小脳性運動失調の評価には適しません。
5. SARA〈scale for the assessment and rating of ataxia〉
❌ 誤り(適切な指標)。運動失調の重症度を定量評価する尺度で、本症例に最も適しています。

【試験対策ポイント】

「適切でないものを選ぶ」問題は評価指標と疾患の対応を問う。小脳性運動失調の評価には、定量尺度のSARA、協調運動検査の鼻指鼻試験・踵膝試験・回内回外試験、バランスのFBS(BBS)が用いられる。一方FMA(Fugl-Meyer assessment)は脳卒中片麻痺専用の運動・感覚・関節評価で失調には不適。疾患像(小脳・脳幹萎縮=失調)をまず把握し、片麻痺用の評価が紛れていないかを探すのがコツ。

✍️ この解説の作成・点検

ST-Toolbox編集部(リハビリテーション領域の国家資格を持つ現役専門職が運営)が、理学療法士領域の有資格者の知見と標準的な教科書・ガイドラインに基づいて作成・点検しています。解説の下書きにはAIを活用し、人が確認・点検したうえで公開しています。

それでも誤りが残ることがあります。「おかしいな」と思ったらお問い合わせから気軽に教えてください。確認のうえ修正し、皆さんと一緒に解説を育てていきます。

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