第55回 理学療法士国家試験 午後 第16問
整形外科学第55回午後
83歳の女性。転倒して右股関節痛を訴えた。エックス線写真(別冊No. 2)を別に示す。疑うべき疾患はどれか。
1. 股関節脱臼
2. 大腿骨近位部骨折
3. 恥骨結合離開
4. 恥骨骨折
5. 腸骨骨折
- 1. 股関節脱臼
- 2. 大腿骨近位部骨折
- 3. 恥骨結合離開
- 4. 恥骨骨折 ✓
- 5. 腸骨骨折
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 恥骨骨折
83歳の高齢女性が転倒後に右股関節痛を訴えており、エックス線写真で恥骨部の骨折線が確認できるため、恥骨骨折が疑うべき疾患です。高齢者では骨粗鬆症により転倒時に骨盤部骨折を生じやすくなります。
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【各選択肢の解説】
1. 股関節脱臼
❌ 誤り。転倒による脱臼は稀であり、通常は股関節の形態が大きく変化して明らかに異常が認められます。本症例では股関節の解剖学的位置関係は保たれていると考えられます。
2. 大腿骨近位部骨折
❌ 誤り。転倒時に高頻度で生じる疾患ですが、本問のエックス線写真では大腿骨頸部や転子部の骨折線は認められません。
3. 恥骨結合離開
❌ 誤り。恥骨結合離開は強大な外力(交通事故など)により両側恥骨が分離する重篤な損傷であり、転倒のみでは生じにくい病態です。
4. 恥骨骨折
✅ 正しい。高齢者の転倒では骨粗鬆症の影響で恥骨に直接的または間接的外力が加わり、恥骨体部または恥骨枝の骨折が生じやすい疾患です。
5. 腸骨骨折
❌ 誤り。腸骨骨折は恥骨骨折よりも頻度が低く、本症例で特に疑う根拠がありません。
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【試験対策ポイント】
- 高齢者転倒時の股関節痛は骨盤部骨折(特に恥骨骨折)を優先して疑う
- 骨粗鬆症が転倒時骨折のリスク因子(高齢女性で特に顕著)
- エックス線写真で恥骨部の骨折線確認が診断の決め手