第55回 理学療法士国家試験 午後 第84問
神経内科学第55回午後
脊髄損傷で正しいのはどれか。
1. 受傷直後は尿失禁状態となる。
2. 排尿筋括約筋協調不全は生じない。
3. 残尿が150 mLでは導尿は不要である。
4. 核・核下型神経因性膀胱であれば尿道カテーテル長期留置を行う。
5. 核上型神経因性膀胱であればトリガーポイントの叩打による反射性排尿を試みる。
- 1. 受傷直後は尿失禁状態となる。
- 2. 排尿筋括約筋協調不全は生じない。
- 3. 残尿が150 mLでは導尿は不要である。
- 4. 核・核下型神経因性膀胱であれば尿道カテーテル長期留置を行う。
- 5. 核上型神経因性膀胱であればトリガーポイントの叩打による反射性排尿を試みる。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 核上型神経因性膀胱であればトリガーポイントの叩打による反射性排尿を試みる。
脊髄損傷における神経因性膀胱の管理は損傷レベルにより異なります。核上型(脊髄損傷)では脊髄排尿中枢の反射が保たれるため、膀胱部や恥骨上部の叩打刺激で反射性排尿が誘発される特徴があり、この方法は排尿管理の重要な手段となります。
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【各選択肢の解説】
1. 受傷直後は尿失禁状態となる。
❌ 誤り。脊髄損傷受傷直後は脊髄ショック期であり、膀胱機能も抑制されるため尿閉(尿が出ない状態)となります。
2. 排尿筋括約筋協調不全は生じない。
❌ 誤り。脊髄損傷では脳との連絡が遮断されるため、排尿筋と外尿道括約筋の協調が失われ、協調不全は典型的な合併症です。
3. 残尿が150 mLでは導尿は不要である。
❌ 誤り。導尿の目安は残尿100 mL以上とされており、150 mLは感染や腎機能障害のリスクがあるため導尿が必要です。
4. 核・核下型神経因性膀胱であれば尿道カテーテル長期留置を行う。
❌ 誤り。核下型(脊髄損傷より下位の神経障害)では脊髄排尿中枢の機能喪失により反射排尿も困難なため、間欠導尿が推奨されます。長期留置は感染リスクが高いため一般的ではありません。
5. 核上型神経因性膀胱であればトリガーポイントの叩打による反射性排尿を試みる。
✅ 正しい。脊髄損傷による核上型膀胱では脊髄排尿反射が温存されており、膀胱や恥骨上部の叩打刺激(トリガーポイント刺激)で反射的な排尿が可能です。
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【試験対策ポイント】
• 脊髄損傷直後は脊髄ショック期で尿閉(残尿多量)となる
• 神経因性膀胱は損傷レベルで分類:核上型は反射排尿可能、核下型は困難
• 排尿筋括約筋協調不全と残尿は脊髄損傷の常合併症
• 導尿の目安は残尿100 mL以上