第56回 理学療法士国家試験 午前 第40問
理学療法評価学第56回午前
Wallenberg症候群に関連する摂食嚥下障害はどれか。
1. 半側空間無視による先行期障害
2. 観念失行による準備期障害
3. 顔面麻痺による口腔期障害
4. 食道入口部開大不全による咽頭期障害
5. 胃食道逆流による食道期障害
- 1. 半側空間無視による先行期障害
- 2. 観念失行による準備期障害
- 3. 顔面麻痺による口腔期障害
- 4. 食道入口部開大不全による咽頭期障害 ✓
- 5. 胃食道逆流による食道期障害
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 食道入口部開大不全による咽頭期障害
Wallenberg症候群(延髄外側症候群)は、椎骨動脈や後下小脳動脈の閉塞により延髄外側部が梗塞する疾患です。延髄に含まれる迷走神経核(咽頭・喉頭の支配)や三叉神経脊髄路核の障害により、咽頭期の嚥下障害が生じます。特に食道入口部(咽頭・食道移行部)の開大不全が特徴的です。
---
【各選択肢の解説】
1. 半側空間無視による先行期障害
❌ 誤り。半側空間無視は大脳皮質(頭頂葉など)の障害で生じ、Wallenberg症候群の病変部位(延髄)とは異なります。
2. 観念失行による準備期障害
❌ 誤り。観念失行は大脳皮質(頭頂葉)の高次脳機能障害であり、Wallenberg症候群の延髄病変では起こりません。
3. 顔面麻痺による口腔期障害
❌ 誤り。Wallenberg症候群では顔面神経核の障害により顔面麻痺が生じることもありますが、主な嚥下障害は咽頭期に生じます。
4. 食道入口部開大不全による咽頭期障害
✅ 正しい。延髄の迷走神経核障害により咽頭・喉頭の運動が低下し、食道入口部(咽頭食道括約筋)の開大不全が生じ、咽頭期障害となります。
5. 胃食道逆流による食道期障害
❌ 誤り。Wallenberg症候群で食道期障害(胃食道逆流など)が直接生じることはありません。
---
【試験対策ポイント】
• Wallenberg症候群=延髄外側梗塞→迷走神経核障害→咽頭嚥下障害
• 咽頭期障害:食道入口部開大不全、咽頭蠕動低下が特徴
• 大脳皮質病変(半側空間無視、観念失行)との鑑別が重要