第56回 理学療法士国家試験 午後 第77問
神経内科学第56回午後
痙縮の治療に用いられるボツリヌス毒素の作用部位はどれか。
1. 筋小胞体
2. 脊髄前角
3. 脊髄前根
4. 運動神経終末
5. 脊髄後根神経節
- 1. 筋小胞体
- 2. 脊髄前角
- 3. 脊髄前根
- 4. 運動神経終末 ✓
- 5. 脊髄後根神経節
正答:4番
解説
■ 正答:4番 — 運動神経終末
ボツリヌス毒素は運動神経終末のシナプス前膜に作用し、アセチルコリン放出を阻害することで痙縮を軽減します。神経筋接合部でのシナプス伝達を遮断する機序により、筋肉の過剰収縮を抑制します。
---
【各選択肢の解説】
1. 筋小胞体
❌ 誤り。筋小胞体はカルシウム貯蔵・放出の役割を担いますが、ボツリヌス毒素の作用部位ではありません。
2. 脊髄前角
❌ 誤り。脊髄前角は運動ニューロンの細胞体が存在する部位ですが、ボツリヌス毒素はここには直接作用しません。
3. 脊髄前根
❌ 誤り。脊髄前根は運動軸索の通路ですが、ボツリヌス毒素の作用部位ではありません。
4. 運動神経終末
✅ 正しい。ボツリヌス毒素はシナプス小胞からのアセチルコリン放出を阻害し、神経筋接合部での伝達を遮断します。
5. 脊髄後根神経節
❌ 誤り。脊髄後根神経節は知覚神経の細胞体が存在する部位で、痙縮治療の対象ではありません。
---
【試験対策ポイント】
- ボツリヌス毒素=シナプス前膜のSNARE蛋白を分解→アセチルコリン放出阻害
- 神経筋接合部での作用機序が要点
- 痙縮治療薬として臨床応用(脳卒中後の上下肢痙縮など)