PTカコモン — 理学療法士国家試験 過去問・解説

第57回 理学療法士国家試験 午前 第8問

整形外科疾患理学療法第57回午前
52歳の女性。踏み台から転落して左踵骨骨折を受傷し、手術が行われた。術後翌日の単純エックス線写真(別冊No. 3)を別に示す。この患者に対する運動療法で正しいのはどれか。 1. 術後翌日から距腿関節の可動域練習を行う。 2. 術後翌日から膝関節の可動域練習を行う。 3. 術後翌日から部分荷重を始める。 4. 術後1週から外固定内での距踵関節の等尺性運動を行う。 5. 術後2週からMP関節の可動域練習を行う。
第57回午前第8問 図
  1. 1. 術後翌日から距腿関節の可動域練習を行う。
  2. 2. 術後翌日から膝関節の可動域練習を行う。 ✓
  3. 3. 術後翌日から部分荷重を始める。
  4. 4. 術後1週から外固定内での距踵関節の等尺性運動を行う。
  5. 5. 術後2週からMP関節の可動域練習を行う。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 術後翌日から膝関節の可動域練習を行う。 踵骨骨折手術後の早期運動療法では、患部(足関節)への負荷を避けながら、隣接関節の機能維持が重要です。膝関節は患部から離れており、患部への影響が少ないため術後翌日から可動域練習を開始できます。 --- 【各選択肢の解説】 1. 術後翌日から距腿関節の可動域練習を行う。 ❌ 誤り。距腿関節は患部の足関節を構成する関節であり、踵骨骨折の直接的な部位です。受傷直後は固定期間を設け、早期の自動運動は避けるべきです。 2. 術後翌日から膝関節の可動域練習を行う。 ✅ 正しい。膝関節は患部(踵骨・足関節)から十分に離れており、患部への直接的な力を加えません。患部固定期間中でも膝関節の可動性を保つことは廃用を予防し、下肢全体の機能維持に有効です。 3. 術後翌日から部分荷重を始める。 ❌ 誤り。踵骨骨折は荷重骨折であり、手術直後の早期荷重は内固定の破綻や癒合不全のリスクが高まります。通常4~6週の非荷重期間が必要です。 4. 術後1週から外固定内での距踵関節の等尺性運動を行う。 ❌ 誤り。距踵関節(距骨下関節)は踵骨骨折部位に隣接しており、術後1週での運動は時期尚早です。通常2~3週以降が目安となります。 5. 術後2週からMP関節の可動域練習を行う。 ❌ 誤り。MP関節(中足趾関節)の練習開始は可能ですが、本選択肢は「術後翌日」という更に早期の膝関節練習と比較して優位性がありません。 --- 【試験対策ポイント】 ・踵骨骨折術後の初期管理:患部固定3~4週間、非荷重4~6週間が標準 ・患部外の関節練習:隣接関節との距離が遠いほど早期から開始可能(膝 > 股関節 > 足指) ・等尺性運動開始時期:術後2~3週以降(患部固定を損なわない範囲)
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