PTカコモン — 理学療法士国家試験 過去問・解説

第57回 理学療法士国家試験 午前 第23問

解剖学第57回午前
運動に関する中枢神経について正しいのはどれか。 1. 一次運動野においては他の部位と比較して手と顔面の運動領域が小さい。 2. 中脳黒質に由来するドパミン作動性ニューロンは線条体に至る。 3. 皮質脊髄路のうち約30%の線維が延髄錐体で対側に交叉する。 4. Betzの巨大錐体細胞は運動野大脳皮質の第Ⅲ層に存在する。 5. Purkinje細胞の軸索は小脳への求心性線維となる。
  1. 1. 一次運動野においては他の部位と比較して手と顔面の運動領域が小さい。
  2. 2. 中脳黒質に由来するドパミン作動性ニューロンは線条体に至る。 ✓
  3. 3. 皮質脊髄路のうち約30%の線維が延髄錐体で対側に交叉する。
  4. 4. Betzの巨大錐体細胞は運動野大脳皮質の第Ⅲ層に存在する。
  5. 5. Purkinje細胞の軸索は小脳への求心性線維となる。

正答:2番

解説
■ 正答:2番 — 中脳黒質に由来するドパミン作動性ニューロンは線条体に至る。 中脳黒質のドパミン作動性ニューロンは線条体に投射し、運動制御に関与するニグロ線条体路を形成します。これは運動調節の重要な経路です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 一次運動野においては他の部位と比較して手と顔面の運動領域が小さい。 ❌ 誤り。運動野では手と顔面は体の広い領域に対して過度に大きな皮質領域を占めます。これは運動野ホムンクルスで示される通り、精密運動を要する部位ほど広い領域が割当てられています。 2. 中脳黒質に由来するドパミン作動性ニューロンは線条体に至る。 ✅ 正しい。ニグロ線条体路として知られ、運動制御に必須の経路です。パーキンソン病ではこの経路のドパミン神経が変性します。 3. 皮質脊髄路のうち約30%の線維が延髄錐体で対側に交叉する。 ❌ 誤り。約90%の皮質脊髄路線維が延髄下部の錐体交叉で対側に交叉します。約10%が同側のまま下行します。 4. Betzの巨大錐体細胞は運動野大脳皮質の第Ⅲ層に存在する。 ❌ 誤り。Betzの巨大錐体細胞は第Ⅴ層(特に5b層)に存在し、皮質脊髄路の主要な細胞体です。第Ⅲ層ではなく第Ⅴ層が正解です。 5. Purkinje細胞の軸索は小脳への求心性線維となる。 ❌ 誤り。Purkinje細胞の軸索は小脳からの遠心性線維で、小脳核への出力を担当します。小脳への求心性線維は登上線維と苔状線維です。 --- 【試験対策ポイント】 • 運動野ホムンクルス:手・顔面は過度に広い領域 • 皮質脊髄路交叉率:約90%が延髄で交叉、約10%は同側 • Betz細胞の局在:第Ⅴ層(運動野大脳皮質) • 小脳の入出力:Purkinje細胞は出力側、登上線維・苔状線維は入力側
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