第57回 理学療法士国家試験 午前 第45問
内部障害理学療法第57回午前
Duchenne型筋ジストロフィーの呼吸管理について正しいのはどれか。
1. 非侵襲的陽圧換気療法〈NPPV〉の適応ではない。
2. 舌咽呼吸は強制的に吸気する最大量を得るのに有効である。
3. 咳最大流量〈cough peak flow〉は咳介助を行う目安にならない。
4. 呼吸管理の適応になる時期は機能障害度ステージⅣからである。
5. 排痰補助装置による咳介助は徒手による咳介助に優先して行われる。
- 1. 非侵襲的陽圧換気療法〈NPPV〉の適応ではない。
- 2. 舌咽呼吸は強制的に吸気する最大量を得るのに有効である。 ✓
- 3. 咳最大流量〈cough peak flow〉は咳介助を行う目安にならない。
- 4. 呼吸管理の適応になる時期は機能障害度ステージⅣからである。
- 5. 排痰補助装置による咳介助は徒手による咳介助に優先して行われる。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 舌咽呼吸は強制的に吸気する最大量を得るのに有効である。
舌咽呼吸(グロッソファリンジアル呼吸)は、舌と咽頭の筋肉を用いて空気を肺に送り込む技法で、Duchenne型筋ジストロフィーで呼吸筋が低下した患者の機能的残気量(FRC)や最大吸気量を増加させるのに有効です。
---
1. 非侵襲的陽圧換気療法〈NPPV〉の適応ではない。
❌ 誤り。Duchenne型筋ジストロフィーは進行に伴い呼吸不全が生じるため、NPPVは夜間睡眠時からの適応が基本であり、重要な呼吸管理方法です。
2. 舌咽呼吸は強制的に吸気する最大量を得るのに有効である。
✅ 正しい。舌咽呼吸により最大吸気量(最大呼吸量)を増加させ、咳嗽能力の維持や会話能力の改善に寄与します。
3. 咳最大流量〈cough peak flow〉は咳介助を行う目安にならない。
❌ 誤り。咳最大流量は排痰能力の評価指標として重要であり、160L/分以下では咳介助の適応判定の目安になります。
4. 呼吸管理の適応になる時期は機能障害度ステージⅣからである。
❌ 誤り。Duchenne型では肺活量低下やFVC<50%予測値でNPPV導入が検討され、ステージⅢ以降から対応を開始する場合が多いです。
5. 排痰補助装置による咳介助は徒手による咳介助に優先して行われる。
❌ 誤り。排痰補助装置は有用ですが、基本となる徒手咳介助を行った上で必要に応じて併用するため、優先度は同等かむしろ徒手が基本です。
---
【試験対策ポイント】
• 舌咽呼吸:強制的吸気量(最大呼吸量)増加に有効
• 咳最大流量160L/分以下:咳介助適応の目安
• NPPV:ステージⅢ〜睡眠時から導入検討