第57回 理学療法士国家試験 午後 第14問
神経内科学第57回午後
第57回 理学療法士国家試験 午後 第14問(神経内科学)の正答は 3 です。小脳性運動失調(ふらつき・断綴性の話し方)、自律神経障害(膀胱直腸障害・起立性低血圧)、パーキンソニズム(固縮・振戦)が順に加わり、MRIで小脳と橋の萎縮がみられる=多系統萎縮症(MSA)である。
問題
60歳の男性。7年前から歩行時にふらつきを自覚し、6年前から話し方が単調で途切れ途切れとなり膀胱直腸障害と起立性低血圧を認めた。四肢の固縮や振戦が徐々に進行し、2年前から車椅子で移動するようになった。最近、声が小さくなり呼吸困難感を訴えるようになった。頭部MRIのFLAIR画像で水平断(別冊No. 4A)及び矢状断(別冊No. 4B)を別に示す。この疾患で合併する可能性が高いのはどれか。
- 1. 失語
- 2. 拮抗失行
- 3. 声帯麻痺 ✓
- 4. 下方注視麻痺
- 5. 他人の手徴候
正答:3番
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この問題の正答率(PTカコモン利用者の実データ)
初回正答率 46.3%難問
41人の初回解答から算出(2026年10月21日時点)
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、PTカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
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解説
■ 正答:3番 — 声帯麻痺
小脳性運動失調(ふらつき・断綴性の話し方)、自律神経障害(膀胱直腸障害・起立性低血圧)、パーキンソニズム(固縮・振戦)が順に加わり、MRIで小脳と橋の萎縮がみられる=多系統萎縮症(MSA)である。MSAでは声帯外転麻痺が起こり、吸気時の喘鳴(とくに睡眠中)や突然死の原因になる。声が小さい・呼吸困難感もこれに合う。
【各選択肢の解説】
1. 失語
❌ 誤り。失語は優位半球の大脳皮質(言語野)の病変で起こる。正しくは、MSAの言語の障害は小脳性・錐体外路性の構音障害(運動障害性構音障害)である。
❌ 誤り。失語は優位半球の大脳皮質(言語野)の病変で起こる。正しくは、MSAの言語の障害は小脳性・錐体外路性の構音障害(運動障害性構音障害)である。
2. 拮抗失行
❌ 誤り。一方の手の動作をもう一方の手が妨げる症状で、脳梁の病変や皮質基底核変性症でみられる。正しくは、MSAで主に問題になるのは小脳・錐体外路・自律神経の症状である。
❌ 誤り。一方の手の動作をもう一方の手が妨げる症状で、脳梁の病変や皮質基底核変性症でみられる。正しくは、MSAで主に問題になるのは小脳・錐体外路・自律神経の症状である。
3. 声帯麻痺
✅ 正しい。MSAでは声帯の外転(開く動き)が障害され、声門が狭くなって吸気性喘鳴や呼吸困難を起こす。睡眠中の突然死の原因にもなるため、気管切開や非侵襲的陽圧換気が検討される。
✅ 正しい。MSAでは声帯の外転(開く動き)が障害され、声門が狭くなって吸気性喘鳴や呼吸困難を起こす。睡眠中の突然死の原因にもなるため、気管切開や非侵襲的陽圧換気が検討される。
4. 下方注視麻痺
❌ 誤り。下方への垂直性注視麻痺は進行性核上性麻痺(PSP)の特徴である。正しくは、MSAで目立つのは小脳症状・パーキンソニズム・自律神経障害である。
❌ 誤り。下方への垂直性注視麻痺は進行性核上性麻痺(PSP)の特徴である。正しくは、MSAで目立つのは小脳症状・パーキンソニズム・自律神経障害である。
5. 他人の手徴候
❌ 誤り。片手が本人の意図と関係なく動く症状で、皮質基底核変性症(CBD)や脳梁の病変でみられる。正しくは、MSAで合併しやすいのは声帯外転麻痺である。
❌ 誤り。片手が本人の意図と関係なく動く症状で、皮質基底核変性症(CBD)や脳梁の病変でみられる。正しくは、MSAで合併しやすいのは声帯外転麻痺である。
【試験対策ポイント】
| 疾患 | 特徴的な所見 |
|---|---|
| 多系統萎縮症 | 小脳症状・パーキンソニズム・自律神経障害・声帯外転麻痺 |
| 進行性核上性麻痺 | 垂直性(下方)注視麻痺・後方への転倒・頸部の後屈 |
| 皮質基底核変性症 | 左右差の強い固縮・失行・他人の手徴候 |
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