PTカコモン — 理学療法士国家試験 過去問・解説

第57回 理学療法士国家試験 午後 第18問

内部障害理学療法第57回午後
75歳の男性。身長165 cm、体重60 kg。大動脈弁狭窄症。心房細動と一過性脳虚血発作の既往があり、経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)を行っている。NYHA分類ではclass Ⅰで、運動負荷試験で得られた嫌気性代謝閾値(AT)は17.5 mL/分/kgである。この患者への生活指導で誤っているのはどれか。 1. 抗凝固療法の服薬を継続する。 2. 体重や血圧を日誌に付けて自己管理する。 3. 自宅での生活活動は3 METsを上限とする。 4. 下肢筋力のレジスタンストレーニングをする。 5. 心肺運動負荷試験で得られたAT強度で運動する。
  1. 1. 抗凝固療法の服薬を継続する。
  2. 2. 体重や血圧を日誌に付けて自己管理する。
  3. 3. 自宅での生活活動は3 METsを上限とする。 ✓
  4. 4. 下肢筋力のレジスタンストレーニングをする。
  5. 5. 心肺運動負荷試験で得られたAT強度で運動する。

正答:3番

解説
■ 正答:3番 — 自宅での生活活動は3 METsを上限とする。 この患者のAT(嫌気性代謝閾値)は17.5 mL/分/kgであり、体重60 kgから換算すると約1050 mL/分です。AT強度は心不全患者の安全な運動処方の指標となり、一般的にこの強度での運動は3 METsを超えることが多く、むしろ上限ではなく目標強度として設定されるべきです。NYHA class Iで比較的良好な心機能を持つ本患者には、3 METsの制限は過度に保守的です。 --- 【各選択肢の解説】 1. 抗凝固療法の服薬を継続する。 ✅ 正しい。心房細動の既往と一過性脳虚血発作があり、血栓塞栓症のリスクが高いため、抗凝固療法の継続は必須である。 2. 体重や血圧を日誌に付けて自己管理する。 ✅ 正しい。心不全患者の日常的な自己管理は、増悪予防に重要であり、体重増加や血圧上昇は増悪兆候である。 3. 自宅での生活活動は3 METsを上限とする。 ❌ 誤り。AT値17.5 mL/分/kgはおおむね5 METs程度に相当し、NYHA class I患者にはより高い運動強度が許容される。3 METsは過度な制限である。 4. 下肢筋力のレジスタンストレーニングをする。 ✅ 正しい。心不全患者における筋力トレーニングは、サルコペニア予防と生活機能維持の観点から推奨される。 5. 心肺運動負荷試験で得られたAT強度で運動する。 ✅ 正しい。AT強度での運動は心不全患者の安全で効果的な運動処方の基準であり、推奨される強度である。 --- 【試験対策ポイント】 • AT値からのMET換算:AT 1 mL/分/kg ≒ 0.28~0.3 METs • NYHA class別運動処方の違いを理解する(class Iはより高い活動が許容される) • 心房細動×TIA既往患者への抗凝固療法継続は必須
関連

▶ 第57回 全問一覧

▶ 内部障害理学療法 の過去問一覧