第60回 理学療法士国家試験 午前 第3問
内部障害理学療法第60回午前
第60回 理学療法士国家試験 午前 第3問(内部障害理学療法)は採点除外(全員に得点)の問題です。胸部エックス線写真では、両肺に網状の陰影(間質性肺疾患)があり、右肺の上外側に肺の血管影のない透過性の高い領域があって虚脱した肺の縁が見える=右気胸である。
問題
80歳の男性。間質性肺疾患の急性増悪で入院中。酸素化が不良で気管切開による人工呼吸管理を受けている。肺炎は認めないが血圧変動が大きい。その後、人工呼吸器を離脱して気管切開孔を閉鎖したが、右肺に気胸を生じ、経鼻酸素療法中である。胸部エックス線写真(別冊No. 1)を別に示す。この時期の理学療法で最も適切なのはどれか。
- 1. 酸素療法中は床上安静にとどめる。
- 2. 呼吸理学療法手技で気胸側の胸郭を拡張させる。
- 3. 修正Borgスケール9以上の強度で運動療法を行う。
- 4. 呼吸筋力の低下に対して吸気筋トレーニングを行う。
- 5. 呼吸数/一回換気量(f/TV)が150以上であれば筋力増強運動を行う。
正答:
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この問題の正答率(PTカコモン利用者の実データ)
初回正答率 100%やさしい
73人の初回解答から算出(2026年10月21日時点)
同じ利用者の2回目以降の解答は除外しています(再挑戦を含めると正答率は実力より高く出るため)。国家試験の公式発表値ではなく、PTカコモンで実際に解かれた記録にもとづく数値です。
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解説
■ 採点除外(全員正解の扱い)
胸部エックス線写真では、両肺に網状の陰影(間質性肺疾患)があり、右肺の上外側に肺の血管影のない透過性の高い領域があって虚脱した肺の縁が見える=右気胸である。気胸が残っている時期に、何を避け、何を根拠に活動量を決めるかを読む問題である。各選択肢は記述そのものの正誤で判断する。
【各選択肢の解説】
1. 酸素療法中は床上安静にとどめる。
❌ 誤り。この記述は「酸素療法中であること」を床上安静の理由にしているが、酸素療法を受けていること自体は安静にする理由にならない。正しくは、酸素投与下でも酸素飽和度・呼吸・循環を確かめながら離床や活動を進められ、気胸のある時期の活動の範囲は気胸の状態と主治医の指示で決める。
❌ 誤り。この記述は「酸素療法中であること」を床上安静の理由にしているが、酸素療法を受けていること自体は安静にする理由にならない。正しくは、酸素投与下でも酸素飽和度・呼吸・循環を確かめながら離床や活動を進められ、気胸のある時期の活動の範囲は気胸の状態と主治医の指示で決める。
2. 呼吸理学療法手技で気胸側の胸郭を拡張させる。
❌ 誤り。気胸が残る時期に気胸側の胸郭を手技で強く拡張させると、胸膜の破れた所からの空気漏れを増やすおそれがある。正しくは、気胸側への強い手技は避け、気胸の改善を待つ。
❌ 誤り。気胸が残る時期に気胸側の胸郭を手技で強く拡張させると、胸膜の破れた所からの空気漏れを増やすおそれがある。正しくは、気胸側への強い手技は避け、気胸の改善を待つ。
3. 修正Borgスケール9以上の強度で運動療法を行う。
❌ 誤り。修正Borgスケール(0〜10)の9は最大(10)に近い強さで、運動療法の強度として高すぎる。正しくは、息切れが中等度程度にとどまる強度で行う。
❌ 誤り。修正Borgスケール(0〜10)の9は最大(10)に近い強さで、運動療法の強度として高すぎる。正しくは、息切れが中等度程度にとどまる強度で行う。
4. 呼吸筋力の低下に対して吸気筋トレーニングを行う。
❌ 誤り。吸気筋トレーニングは抵抗に逆らって強く息を吸わせ、胸腔内に強い陰圧をかける訓練である。気胸が残る時期に行ってよいかは文献により扱いが分かれ、この時期の方針として一律に行うとは言えない。正しくは、気胸の状態と主治医の判断を確かめたうえで、行うかどうかを決める。
❌ 誤り。吸気筋トレーニングは抵抗に逆らって強く息を吸わせ、胸腔内に強い陰圧をかける訓練である。気胸が残る時期に行ってよいかは文献により扱いが分かれ、この時期の方針として一律に行うとは言えない。正しくは、気胸の状態と主治医の判断を確かめたうえで、行うかどうかを決める。
5. 呼吸数/一回換気量(f/TV)が150以上であれば筋力増強運動を行う。
❌ 誤り。f/TV(rapid shallow breathing index)は高いほど浅く速い呼吸で、人工呼吸器離脱の指標では105以上が離脱困難の目安とされる(Yang・Tobin 1991)。正しくは、150以上は呼吸の余力が乏しいことを示し、負荷を上げる根拠にはならない。
❌ 誤り。f/TV(rapid shallow breathing index)は高いほど浅く速い呼吸で、人工呼吸器離脱の指標では105以上が離脱困難の目安とされる(Yang・Tobin 1991)。正しくは、150以上は呼吸の余力が乏しいことを示し、負荷を上げる根拠にはならない。
【試験対策ポイント】
- 気胸の胸部エックス線:肺の血管影のない領域と虚脱した肺の縁を探す
- 気胸が残る時期:気胸側の胸郭を強く広げる手技・強い吸気努力・強い負荷は避ける
- 酸素療法中であることは、それだけでは安静の理由にならない
- f/TVは高いほど悪い(浅く速い呼吸)。「以上なら負荷を上げる」は向きが逆
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