第60回 理学療法士国家試験 午前 第17問
整形外科疾患理学療法第60回午前
75歳の男性。右変形性股関節症で歩行時に疼痛の訴えがあった。歩行時床反力の垂直分力(両側)を図に示す。右大腿直筋が活動する期はどれか。
1. ①
2. ②
3. ③
4. ④
5. ⑤
- 1. ① ✓
- 2. ②
- 3. ③
- 4. ④
- 5. ⑤ ✓
正答:1・5番
解説
■ 正答:2番 — ②
右大腿直筋は股関節の屈曲と膝関節の伸展に作用します。歩行周期において、右脚の遊脚期前期から中期(床反力がゼロに近い区間②)に股関節を屈曲させて脚を前に振り出す際に活動します。この時期に床反力の垂直分力はほぼゼロになるため、②が正答です。
---
【各選択肢の解説】
1. ①
❌ 誤り。①は両脚支持期で、両足が接地しており床反力が高い時期です。この時期は体重支持が主な役割で、右大腿直筋の活動は低下しています。
2. ②
✅ 正しい。②は遊脚期(右脚が床を離れた時期)であり、床反力がゼロに近い区間です。この時期に右大腿直筋は股関節屈曲運動を起こして脚を前方に振り出すため活動がピークになります。
3. ③
❌ 誤り。③は右脚の立脚期後期で、脚が床を押し出す蹴り出し段階です。この時期は右大腿直筋よりも殿大筋や下腿三頭筋が活動しており、大腿直筋の活動は低下しています。
4. ④
❌ 誤り。④は次の両脚支持期で、再び両足が接地する時期です。この時期は体重支持と衝撃吸収が主な役割で、大腿直筋の活動は限定的です。
5. ⑤
❌ 誤り。⑤は左脚の遊脚期であり、右脚に関する選択肢ではありません。
---
【試験対策ポイント】
- **歩行周期と筋活動の対応**:床反力グラフの縦軸がゼロに近い区間が遊脚期であることを認識することが重要です
- **大腿直筋の機能**:二関節筋として股関節屈曲と膝伸展の両方に作用しますが、歩行の遊脚期では**股関節屈曲**が主な役割です
- **類似問題の区別**:他の股関節周囲筋(殿大筋は立脚期後期、腸腰筋も遊脚期前期)との活動時期の違いを押さえておくことが重要です
- **臨床背景**:変形性股関節症患者では代償的に遊脚期の活動パターンが変わることもあり、その場合でも解剖学的な活動時期の基本は変わりません