第60回 理学療法士国家試験 午後 第90問
整形外科学第60回午後
腰椎椎間板ヘルニアで正しいのはどれか。
1. 小児期に多く発生する。
2. 膀胱直腸障害は生じない。
3. 人口の約15%が罹患する。
4. Myerson徴候は陽性である。
5. 脱出髄核は吸収されることがある。
- 1. 小児期に多く発生する。
- 2. 膀胱直腸障害は生じない。
- 3. 人口の約15%が罹患する。
- 4. Myerson徴候は陽性である。
- 5. 脱出髄核は吸収されることがある。 ✓
正答:5番
解説
■ 正答:5番 — 脱出髄核は吸収されることがある。
腰椎椎間板ヘルニア(LDH)では、脱出した髄核が脊柱管内に存在しますが、時間経過とともに髄核に対する免疫応答(特にマクロファージ)により、脱出髄核が段階的に吸収・消失することが報告されています。これを「髄核の吸収現象」といい、自然経過での改善メカニズムの一つです。
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【各選択肢の解説】
1. 小児期に多く発生する。
❌ 誤り。腰椎椎間板ヘルニアは30〜50代の中年以降に多発。小児では稀。
2. 膀胱直腸障害は生じない。
❌ 誤り。中央型・傍正中型の大型ヘルニアでは、馬尾神経圧迫により排尿困難・便秘などの膀胱直腸障害が生じます(馬尾症候群)。緊急手術適応。
3. 人口の約15%が罹患する。
❌ 誤り。椎間板ヘルニア自体の有病率は10〜20%ですが、症状を呈する患者は約4%程度。
4. Myerson徴候は陽性である。
❌ 誤り。Myerson徴候は額部皮膚反射で、パーキンソン病で陽性。腰椎ヘルニアとは関連なし。評価はSLRテスト・Lasègue徴候など。
5. 脱出髄核は吸収されることがある。
✅ 正しい。脱出髄核に対する異物反応・マクロファージによる食食作用により、時間とともに吸収されることが報告されており、自然経過での改善の根拠となります。
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【試験対策ポイント】
腰椎椎間板ヘルニア(LDH)の特徴:
- **発症年齢**:30〜50代(加齢と変性が原因)
- **多発部位**:L4-5・L5-S1
- **症状**:下肢放散痛・しびれ・神経根障害
- **診断**:MRI(脱出髄核を描出)
- **SLRテスト**:L4-5・L5-S1レベルで陽性率高い
- **自然経過**:約80%は保存療法で改善(髄核吸収含む)
- **緊急手術適応**:馬尾症候群(膀胱直腸障害+両下肢麻痺)
PT介入は急性期は安静→亜急性期より体幹安定化運動を開始します。