第60回 理学療法士国家試験 午後 第94問
内科学・臨床医学第60回午後
尿毒症で正しいのはどれか。
1. 腎不全の初期にみられる。
2. 代謝性アシドーシスを示す。
3. 低カリウム血症を生じやすい。
4. 透析患者の死亡原因で最も多い。
5. 血清クレアチニン濃度は低下する。
- 1. 腎不全の初期にみられる。
- 2. 代謝性アシドーシスを示す。 ✓
- 3. 低カリウム血症を生じやすい。
- 4. 透析患者の死亡原因で最も多い。
- 5. 血清クレアチニン濃度は低下する。
正答:2番
解説
■ 正答:2番 — 代謝性アシドーシスを示す。
尿毒症(uremia)は、腎不全が進行した際に腎機能低下に伴い、尿素・クレアチニンなどの窒素性老廃物や電解質異常が血中に蓄積する症候群です。腎臓の酸排泄機能低下により**代謝性アシドーシス**が生じ、さらに高カリウム血症(カリウム排泄低下)・高リン血症などが併発します。
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【各選択肢の解説】
1. 腎不全の初期にみられる。
❌ 誤り。尿毒症は腎不全が進行し、eGFR 15 mL/min/1.73㎡以下の末期腎不全(ESRD)で顕著に現れます。初期腎不全では血清電解質が比較的保たれています。
2. 代謝性アシドーシスを示す。
✅ 正しい。腎臓の酸排泄機能低下により、血液が酸性に傾き、代謝性アシドーシス(pH↓・HCO3-↓)が生じます。
3. 低カリウム血症を生じやすい。
❌ 誤り。むしろ**高カリウム血症**が生じます。腎臓のカリウム排泄低下が主因で、心不整脈のリスク上昇。
4. 透析患者の死亡原因で最も多い。
❌ 誤り。透析患者の死亡原因の第1位は心疾患(特に急性心筋梗塞)で、尿毒症性症状は透析で改善するため直接的な死亡原因ではありません。
5. 血清クレアチニン濃度は低下する。
❌ 誤り。腎機能低下により**血清クレアチニン濃度は上昇**します。正常は0.6〜1.2 mg/dL。
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【試験対策ポイント】
尿毒症の生化学的特徴:
- **酸塩基平衡**:代謝性アシドーシス(pH↓、HCO3-↓)
- **電解質異常**:
- 高カリウム血症(K+ >5.5 mEq/L;心不整脈リスク)
- 高リン血症(P >4.5 mg/dL)
- 低カルシウム血症(Ca <8.5 mg/dL)
- **腎性貧血**:EPO産生低下
- **尿毒症症状**:悪心・嘔吐・食欲不振・神経障害・脳症
透析療法(血液透析・腹膜透析)で代謝産物を除去し、尿毒症症状を緩和します。