第61回 理学療法士国家試験 午後 第3問
理学療法治療学第61回午後
70歳の男性。脳梗塞による右片麻痺。Brunnstrom法ステージは上肢Ⅱ、下肢Ⅲ。重度の感覚障害と右肩関節に亜脱臼を認める。T字杖で室内歩行は自立している。ADL指導で最も正しいのはどれか。\n1. ベット上で起き上がる。\n2. 浴槽に入る。\n3. シャツを着る。\n4. 床から立ち上がる。\n5. 階段を上る。
- 1. ベット上で起き上がる。
- 2. 浴槽に入る。
- 3. シャツを着る。 ✓
- 4. 床から立ち上がる。
- 5. 階段を上る。
正答:3番
解説
■ 正答:3番 — シャツを着る。
本症例は上肢Brunnstrom法ステージIIで随意性に乏しく、重度の感覚障害と肩関節亜脱臼があるため、安全で実施可能なADL活動は限定される。シャツを着ることは、麻痺側上肢の基本的な日常生活動作であり、段階的訓練を通じて比較的早期から指導・実施が可能である。
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【各選択肢の解説】
1. ベット上で起き上がる。
❌ 誤り。上肢ステージIIでは体幹支持が不十分であり、起き上がり動作には麻痺側上肢の支持性が必要なため、この段階では困難。
2. 浴槽に入る。
❌ 誤り。重度の感覚障害があると温度覚障害のリスクが高く、肩関節亜脱臼もあるため浴槽への出入りは危険性が高い。
3. シャツを着る。
✅ 正しい。麻痺側上肢を着衣側から通す順序で、基本的な上肢動作を活用でき、ステージIIでも実施可能なADL活動。
4. 床から立ち上がる。
❌ 誤り。T字杖使用の室内歩行自立でも、床からの立ち上がりには両下肢の支持と上肢による支持が必要で、この段階では安全性の確保が難しい。
5. 階段を上る。
❌ 誤り。下肢ステージIIIでは十分な随意性がなく、階段昇降は高度な動的バランス能力を要するため、この段階では適切でない。
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【試験対策ポイント】
• Brunnstrom法ステージI〜IIでは基本的な日常生活動作(着衣、更衣など)から段階的に指導
• 感覚障害がある場合は温度覚・痛覚の代償機能確保が必須
• 肩関節亜脱臼がある場合、無理な外転・外旋動作は避ける必要がある