炎症=組織傷害に対する生体の防御反応。有害因子を排除し、傷害された組織を修復する一連の過程である。
| 徴候 | ラテン語 | 成り立ち |
|---|---|---|
| 発赤 | rubor | 細動脈の拡張・充血 |
| 熱感 | calor | 局所血流の増加 |
| 腫脹 | tumor | 血管透過性亢進による滲出液の貯留 |
| 疼痛 | dolor | 発痛物質・腫脹による神経の圧迫 |
| 機能障害 | functio laesa | 上の4つの結果として生じる |
古典的4徴候はCelsus、機能障害を加えた5徴候はGalenがまとめたとされる。5徴候はいずれも急性炎症の初期の血管反応・滲出に由来する。
壊疽は炎症初期の徴候ではない。壊疽は組織が壊死して腐敗・乾燥した状態であり、組織障害が進行した結果として遅れて生じる。「急性炎症初期にみられないのはどれか」で壊疽を選ばせる出題がある。
「急性炎症の初期にみられるのはどれか」の答えは好中球遊走。線維化・血管新生・肉芽組織形成はいずれも修復期以降の所見、乾酪化(乾酪壊死)は結核などの肉芽腫性の慢性炎症の所見で、どれも急性初期ではない。
| 項目 | 急性炎症 | 慢性炎症 |
|---|---|---|
| 経過 | 数時間〜数日 | 数週間〜数か月以上 |
| 主な細胞 | 好中球 | リンパ球・形質細胞・マクロファージ(単核球) |
| 血管の反応 | 拡張・透過性亢進・内皮細胞の損傷 | 肉芽期は血管新生/瘢痕期は毛細血管が退縮 |
| 滲出 | 血漿蛋白の滲出・フィブリン析出 | 乏しい |
| 組織変化 | 浮腫(腫脹) | 線維化・瘢痕化 |
「慢性炎症の特徴はどれか」で選ぶべきは組織の線維化と血管の増殖。逆に、好中球の集積・血漿蛋白の滲出・血管内皮細胞の損傷・血管透過性の亢進・局所の浮腫・フィブリン析出はすべて急性側である。
サイトカインの分泌は急性・慢性いずれにも共通する現象で、慢性炎症に特異的な特徴として選んではいけない。
どちらも慢性側の所見。選択肢に「局所の浮腫/白血球の集積/フィブリン析出/血管透過性の亢進」が並んでいたらこれらは全部急性の所見なので、残った毛細血管の退縮が答えになる。
肉芽組織=新生毛細血管+線維芽細胞+炎症細胞からなる修復組織。組織欠損を埋めたのち膠原線維が増生し、血管が減って瘢痕(線維化)へ成熟する。
| 項目 | 正常な肉芽 | 異常(感染)肉芽 |
|---|---|---|
| 色調 | 鮮紅色〜淡紅色 | 白色・くすんだ色 |
| 性状 | 適度に湿潤し柔らかい | 乾燥、または膿性分泌物が多量 |
| 出血 | 出血しやすい(新生血管が脆い) | 易出血性がさらに悪化 |
| 感染 | マクロファージ・リンパ球が常在し感染防御能をもつ | 感染しやすい |
「正常な肉芽の特徴」=出血しやすい。白色である・乾燥している・分泌物が多い・感染しやすいは、いずれも異常肉芽側の記述。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 促進 | 蛋白質・アミノ酸(肉芽と膠原線維の材料)/ビタミンC(コラーゲン合成=ヒドロキシプロリン生成に必須)/亜鉛(細胞分裂・蛋白合成)/十分な酸素(コラーゲン合成と殺菌)/適度な湿潤環境 |
| 遅延(全身) | 低栄養(蛋白・ビタミンC・亜鉛の欠乏)/糖尿病/副腎皮質ステロイド・抗癌薬/高齢/貧血 |
| 遅延(局所) | 感染/血流障害/乾燥/異物/反復する機械的刺激 |
「創傷治癒を遅延させるのはどれか」の答えは副腎皮質ステロイド。抗炎症作用に加え線維芽細胞の増殖抑制・コラーゲン合成抑制・易感染性で治癒を妨げる。亜鉛・アミノ酸・酸素・ビタミンCは逆に促進因子で、欠乏したときに遅延する。
持続的な圧迫で局所の血流が途絶え、組織が壊死したもの。好発部位は仙骨部・踵部・大転子部・坐骨結節など骨突出部。
血圧の上昇は褥瘡の危険因子ではない。血圧が保たれるほど末梢の組織灌流は維持される。危険なのは低血圧のほう。
評価=ブレーデンスケール(知覚の認知・湿潤・活動性・可動性・栄養状態・摩擦とずれの6項目)。予防=おおむね2時間ごとの体位変換と除圧、および栄養管理。
| 深度 | 障害層 | 外見・水疱 | 疼痛 | 治癒・瘢痕 |
|---|---|---|---|---|
| Ⅰ度 | 表皮のみ | 発赤・熱感、水疱なし | あり | 数日で自然治癒・瘢痕を残さない(植皮不要) |
| 浅達性Ⅱ度 | 真皮浅層 | 水疱あり・水疱底は赤(充血) | 強い | 1〜2週で自然治癒・瘢痕を残さない |
| 深達性Ⅱ度 | 真皮深層 | 水疱あり・水疱底は白(蒼白) | あるが鈍い | 瘢痕を残す・植皮を要することが多い |
| Ⅲ度 | 皮下組織まで全層 | 白色〜褐色〜黒色の痂皮・炭化、水疱なし | 無痛(神経終末も壊死) | 創底から上皮化せず・植皮が必要 |
ひっかけの定番。
| 時期 | 起こること |
|---|---|
| 受傷〜12時間(〜48時間) | 血管透過性亢進による浮腫と血漿漏出 → 熱傷ショック(循環血液量減少)。気道熱傷では喉頭浮腫 |
| 数日〜数週 | 感染期。長期の重症管理・不動により集中治療室獲得性筋力低下〈ICU-AW〉 |
| 数週〜数か月 | 肥厚性瘢痕・瘢痕拘縮・関節拘縮・骨化性筋炎(異所性骨化) |
「受傷後12時間以内に生じやすいのはどれか」=浮腫。肥厚性瘢痕・関節拘縮・骨化性筋炎・ICU-AWはすべて数日〜数週以降に遅れて出るので消せる。
顔面の熱傷、鼻咽腔・口腔内の煤(すす)、鼻毛の焦げ、嗄声。喉頭浮腫による気道閉塞・窒息のリスクがあり、生命予後を大きく左右する。
| 基礎代謝量 | 因子 |
|---|---|
| 高くなる | 体温上昇(1℃で約13%増)・発熱/慢性炎症性疾患・感染/甲状腺機能亢進/寒冷環境/除脂肪体重(筋肉量)が多い/同一年齢では男性>女性 |
| 低くなる | 思春期以降の加齢(ピークは思春期)/睡眠/低栄養/甲状腺機能低下/除脂肪体重が少ない |
基礎代謝量は安静・空腹・快適温度下で生命維持に要するエネルギー量。炎症や発熱では代謝が亢進する側に動く、が判断の軸になる。
| 区分 | 薬剤 |
|---|---|
| 長期管理(コントローラー) | 吸入ステロイド(第一選択)・長時間作用性β2刺激薬〈LABA〉 |
| 発作時(リリーバー) | 短時間作用性β2刺激薬〈SABA〉 |
| 禁忌・悪化因子 | β遮断薬(気管支を収縮させる)・アスピリンなどNSAIDs(アスピリン喘息を誘発) |
| 治療薬ではない | フロセミド(ループ利尿薬)・マクロライド系抗菌薬 |
語の向きで覚える。GVHD=移植片(Graft)が宿主(Host)を攻撃/拒絶反応=宿主が移植片を攻撃。