ピアジェは、外界を取り込む枠組み(シェマ)を同化(既存の枠に当てはめる)と調節(枠のほうを作り変える)で更新しながら、思考が4段階で質的に変わるとした。順序は不変で、飛び越しはない。
| 段階 | 年齢 | 思考の特徴 | この時期に成立するもの |
|---|---|---|---|
| 感覚運動期 | 0〜2歳 | 感覚と運動で世界を知る。循環反応の反復 | 対象の永続性・遅延模倣・道具の使用 |
| 前操作期 | 2〜7歳 | 象徴機能は使えるが論理は未熟。自己中心性・アニミズム・中心化 | ごっこ遊び・言葉・描画。保存はまだできない |
| 具体的操作期 | 7〜11歳 | 脱中心化・可逆性。ただし具体物の範囲に限る | 保存概念・分類・系列化 |
| 形式的操作期 | 11歳〜 | 抽象的・仮説演繹的思考、命題の操作 | 「もし〜ならば」の推論、組合せ的思考 |
前操作期の自己中心性は「わがまま」ではなく、他者の視点に立てないという認知的な制約を指す。アニミズム=無生物にも心があると考える。
保存概念を感覚運動期・前操作期の獲得とするのは誤り → 正しくは具体的操作期。「永続性=乳児期/保存=学童期」で桁を分けて覚える。
| 時期 | 音声・言語 |
|---|---|
| 〜1か月 | 叫喚(泣き)・反射的発声 |
| 2〜3か月 | クーイング(「アー」「クー」など母音的な発声) |
| 4〜6か月 | 声遊び・過渡的喃語。声のやりとりを楽しむ |
| 6〜8か月 | 規準喃語(「ばばば」のように子音+母音を反復) |
| 8〜10か月 | 音声の模倣・ジャーゴン、指さしの出現 |
| 10〜12か月 | 初語(意味のある一語)。「ちょうだい」など簡単な言語理解 |
| 1歳〜1歳半 | 一語文。有意味語が2語言える(3語は1歳半頃)。絵本の物の名前を言う |
| 1歳半〜2歳 | 語彙爆発・二語文(「ワンワン きた」)。第一質問期(「これなに」) |
| 2〜3歳 | 多語文・助詞の使用・自分の姓名を言う |
| 3〜4歳 | 三語文以上、第二質問期(「なぜ」) |
| 4〜6歳 | 構文はほぼ成人型。しりとりができる(音韻意識の完成) |
理解は産出に先行する。話せる語数より分かる語数のほうが常に多い。クーイング=母音中心、喃語=子音を含む反復、で区別する。
| 段階 | 時期 | 特徴 |
|---|---|---|
| 前愛着 | 〜3か月 | 相手を選ばず、誰にでも同じように反応する |
| 愛着形成 | 3〜6か月 | 見慣れた人に多く微笑む(選択的な反応の始まり) |
| 明瞭な愛着 | 6か月〜2歳 | 人見知り・分離不安が出現。養育者が安全基地になり、そこを拠点に探索する |
| 目標修正的協調 | 3歳〜 | 養育者の意図を推測し折り合える。内的ワーキングモデルの形成 |
人見知りを「情緒の問題」「関わり不足」と読むのは誤り → 正しくは愛着形成が進んだサイン。乳幼児の発達項目の中でもかなり早期(6〜9か月)に出る点が繰り返し問われる。
| 社会的な関わり方 | 目安 | 内容 |
|---|---|---|
| ひとり遊び | 〜2歳 | 他児と関わらず一人で遊ぶ |
| 傍観的行動 | 2歳前後 | 他児の遊びを見ているが加わらない |
| 平行遊び | 2〜3歳 | 同じ場で似た遊びをするが、やりとりはない |
| 連合遊び | 3〜4歳 | 一緒に遊ぶが役割分担はない |
| 協同遊び | 4〜5歳〜 | 役割分担とルールがあり、目的を共有する |
遊びの形式は、機能遊び(感覚運動期)→ 象徴遊び(ごっこ遊び・2歳〜、前操作期の象徴機能)→ ルールのある遊び(学童期)と進む。
| 月齢 | 対人関係・基本的習慣 | 発語・言語理解 | 運動(比較用) |
|---|---|---|---|
| 2〜3か月 | あやすと声を出して笑う | クーイング | 首がすわる |
| 4〜6か月 | 鏡に映った自分に反応する | 喃語・人の声で振り向く | 寝返り |
| 6〜7か月 | 人見知りをする | おもちゃを見て声を出す | 座位(お座り) |
| 7〜8か月 | ビスケットを自分で食べる | 声の調子をまねる | ずり這い |
| 8〜9か月 | いないいないばあを喜ぶ・身振りをまねる | 音声をまねようとする | つかまり立ち |
| 10〜12か月 | コップを自分で持って飲む・バイバイをする | 初語・「ちょうだい」が分かる | 伝い歩き |
| 1歳〜1歳半 | つつみ紙をとって食べる | 2語言える(3語は1歳半頃)・絵本の物の名前を言う | 独歩・積み木を2つ重ねる(手の運動) |
| 1歳半〜2歳 | スプーンで食べる・排尿を知らせる | 簡単な指示に従う | 走る・階段を這って昇る |
| 2〜2歳半 | 排尿を予告する(2歳半) | 二語文が安定する・自分の姓名を言う | 階段を1段ずつ昇る |
| 3歳〜 | 排泄が自立する・衣服を着脱する | 三語文・色の名前を言う | 片足立ち・三輪車 |
出題は2型に絞られる。①ある項目が何か月か(早い/遅いの比較)②同じ時期に他領域で何ができるか(横並び)。6領域の名称はそのまま選択肢になるので丸暗記する。なお遠城寺式はスクリーニングであり、知能指数(IQ)は算出しない。
この検査の出題は「どちらが早いか」「1歳前か後か」に集約される。個々の月齢を丸暗記するより、1歳を境に二分したほうが速い。
| 生後12か月以前にできる | 12か月を過ぎてからできる |
|---|---|
| 人見知りをする(6〜9か月) | 積み木を2つ重ねる(1歳〜1歳半) |
| お座り(7か月)/ずり這い | 有意味語を2語言える(1歳〜1歳半)・3語言える(1歳半頃) |
| ビスケットを自分で食べる(7〜8か月) | 独歩(1歳〜1歳3か月) |
| いないいないばあを喜ぶ(8〜9か月) | 走る(1歳半〜2歳) |
| つかまり立ち・伝い歩き(8〜11か月) | 二語文(1歳半〜2歳) |
| コップを自分で持って飲む(10〜12か月) | スプーンで食べる(1歳半〜2歳) |
| バイバイをする・初語(10〜12か月) | 排尿を予告する(2歳半) |
「積み木を2つ重ねる」「有意味語を2〜3語言える」を12か月以前としてしまうのが最頻の誤り → 正しくはいずれも1歳を過ぎてから。数字を1つだけ持つなら人見知り=6〜9か月が最も早いを覚える。排尿の予告は選択肢の中でほぼ常に最も遅い。
| 紛らわしい組 | 区別のしかた |
|---|---|
| 生理的微笑/社会的微笑 | 新生児期の自発的なもの/2〜3か月・人の顔に対する反応 |
| クーイング/喃語 | 2〜3か月・母音中心/6か月頃・子音を含む反復 |
| 人見知り/分離不安 | 見知らぬ人への警戒/養育者と離れることへの不安。どちらも6〜9か月から |
| 対象の永続性/保存概念 | 8か月〜1歳(感覚運動期)/7歳前後(具体的操作期) |
| 平行遊び/連合遊び | そばで似た遊び・やりとりなし/一緒に遊ぶが役割分担なし |
| 遠城寺式/デンバー式(JDDST-R) | 6領域・0か月〜4歳7か月・折れ線で領域差を見る/4領域・0〜6歳・通過率75%で判定 |
認知・言語・社会性は別々に進むのではなく同じ時期に噛み合って進む。生後6〜9か月=対象の永続性・人見知り・喃語、1歳前後=初語・指さし・コップ飲み、1歳半〜2歳=二語文・象徴遊び・鏡像自己認知。この3つの束で覚えると領域をまたぐ問題にも対応できる。