貧血は①赤血球の大きさ(MCV)と②起こる機序の2軸で分類する。
| 型 | MCV | 代表疾患 |
|---|---|---|
| 小球性低色素性 | 80未満 | 鉄欠乏性貧血、慢性出血(消化管出血)、サラセミア |
| 正球性正色素性 | 80〜100 | 再生不良性貧血、溶血性貧血、腎性貧血、急性出血 |
| 大球性 | 100超 | 巨赤芽球性貧血(ビタミンB₁₂欠乏・葉酸欠乏) |
末梢血に大型の赤血球が出現=ビタミンB₁₂欠乏か葉酸欠乏と直結させる。再生不良性貧血・溶血性貧血は正球性、鉄欠乏性貧血と消化管出血は小球性で、いずれも大球性にはならない。
| 機序 | 疾患 | 不足しているもの |
|---|---|---|
| 産生低下 | 鉄欠乏性貧血 | ヘモグロビンの材料(鉄) |
| 巨赤芽球性貧血 | DNA合成の材料(B₁₂・葉酸) | |
| 腎性貧血 | エリスロポエチン(腎から分泌) | |
| 再生不良性貧血 | 造血幹細胞そのもの(汎血球減少) | |
| 骨髄異形成症候群(MDS) | 正常な造血(無効造血) | |
| 破壊亢進 | 溶血性貧血 | 産生は低下しない(むしろ亢進) |
| 喪失 | 出血性貧血 | 血液そのもの |
「溶血性貧血では赤血球の産生が低下する」は誤り → 正しくは赤血球の破壊が亢進する貧血で、骨髄の造血はそれを代償して亢進する。溶血の所見=網赤血球増加・間接ビリルビン上昇・LDH上昇・ハプトグロビン低下・黄疸・脾腫。骨髄が活発に働いている点が、他のすべての貧血と決定的に違う。
むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)は鉄欠乏との関連がとくに深く、鉄欠乏性貧血の患者にみられやすい睡眠・覚醒障害である。
| 紛らわしい睡眠障害 | 本態 |
|---|---|
| 睡眠時遊行症 | 小児に多いノンレム睡眠時の睡眠時随伴症。鉄欠乏と無関係 |
| ナルコレプシー | オレキシン欠乏による過眠症 |
| 睡眠相前進症候群 | 体内時計のずれ(概日リズム睡眠障害) |
| 閉塞性睡眠時無呼吸障害 | 上気道の閉塞。背景は肥満で、鉄欠乏とは関連しない |
ビタミンB₁₂または葉酸が欠乏するとDNA合成が障害され赤芽球の核成熟が遅れる。巨大な赤芽球ができ、末梢血には大型の赤血球(大球性・MCV高値)が出る。
| ビタミンB₁₂欠乏 | 葉酸欠乏 | |
|---|---|---|
| 貧血 | どちらも巨赤芽球性貧血(大球性) | |
| 神経症状 | あり(亜急性連合性脊髄変性症=深部感覚障害・失調・錐体路徴候) | 出にくい |
| 主な原因 | 胃全摘、萎縮性胃炎、内因子に対する自己抗体 | 摂取不足、アルコール多飲、妊娠、薬剤 |
| 発症までの時間 | 体内貯蔵が多く数年かかる | 数か月と短い |
悪性貧血=内因子の欠乏によりビタミンB₁₂が吸収できず起こる巨赤芽球性貧血のこと。
| ビタミン | 欠乏症 |
|---|---|
| B₁ | 脚気、Wernicke脳症 |
| B₂ | 口角炎・口内炎・舌炎 |
| B₁₂・葉酸 | 巨赤芽球性貧血 |
| ニコチン酸(ナイアシン) | ペラグラ(皮膚炎・下痢・認知症) |
| C | 壊血病(出血傾向・歯肉出血) |
| A | 夜盲症・眼球乾燥症 |
| D | くる病(小児)・骨軟化症(成人) |
| K | 出血傾向(新生児メレナ) |
胃全摘後の貧血を理解するには、胃のどの細胞が何を出しているかを押さえる必要がある。
| 細胞 | 分泌物 | はたらき |
|---|---|---|
| 壁細胞 | 塩酸(胃酸)+内因子 | 殺菌・ペプシノーゲン活性化/B₁₂吸収 |
| 主細胞 | ペプシノーゲン | 胃酸で活性化されペプシン(蛋白分解酵素)になる |
| 副細胞(粘液頸細胞) | 粘液 | 胃粘膜の保護 |
| G細胞 | ガストリン | 消化管ホルモン。胃酸分泌を促進する |
内因子(Castle内因子)は壁細胞から分泌され、ビタミンB₁₂と結合して回腸末端での吸収を助ける。ここが切れるとB₁₂は吸収できない。
ガストリン・ヒスタミン・アセチルコリン(迷走神経=副交感)。迷走神経刺激は胃酸分泌を促進する。
よくある誤り3つ。
| 合併症 | 機序 |
|---|---|
| 逆流性食道炎 | 噴門(逆流防止弁)が失われるため、胆汁・腸液が食道へ逆流する |
| 巨赤芽球性貧血(悪性貧血) | 内因子欠乏 → ビタミンB₁₂吸収障害。貯蔵があるため数年後に出る |
| 鉄欠乏性貧血 | 胃酸低下により鉄が吸収されにくくなる(こちらは比較的早期) |
| ダンピング症候群 | 早期=食後30分以内の動悸・冷汗・腹痛・下痢/後期=食後2〜3時間の反応性低血糖 |
| 骨代謝障害 | カルシウム・ビタミンD吸収低下 → 骨粗鬆症・骨軟化症 |
胃全摘後に起こりにくいものを問う出題も多い。多血症(逆に貧血)、血小板減少や出血傾向(減るのは赤血球で、血小板・凝固能は保たれる)、高カルシウム血症(逆に低下傾向)、てんかん、脱水、脂肪便(これは膵外分泌不全・胆汁障害で起こる)、低蛋白血症(蛋白の消化吸収は主に小腸なので必発ではない)。
| 疾患 | 要点 |
|---|---|
| 白血病 | 白血病細胞が骨髄を占拠し正常血球が減る → 貧血・易感染(好中球減少)・出血傾向(血小板減少)の3徴 |
| 再生不良性貧血 | 造血幹細胞の障害による汎血球減少。正球性正色素性 |
| 骨髄異形成症候群(MDS) | 造血幹細胞の異常による無効造血。高齢者に多く、急性白血病へ移行しうる |
| 腎性貧血 | 腎からのエリスロポエチン産生低下。慢性腎不全・透析患者に必発 |
| 系統 | 出血の型 | 検査 | 代表疾患 |
|---|---|---|---|
| 血管の異常 | 紫斑 | いずれもほぼ正常 | Osler病(毛細血管拡張)、壊血病、老人性紫斑 |
| 血小板の異常 | 点状出血・点状紫斑(皮膚・粘膜の浅い出血) | 血小板減少・出血時間延長 | 免疫性血小板減少症(ITP)、白血病、DIC |
| 凝固因子の異常 | 関節内出血・筋肉内出血(深部の大きな出血) | APTT延長・血小板正常・出血時間正常 | 血友病、肝硬変、ビタミンK欠乏 |
理学療法:関節内出血の急性期は安静・冷却・圧迫・挙上(RICE)で、他動運動やマッサージは行わない。出血が止まってから可動域運動と筋力維持へ移る。大腿四頭筋の強化は膝関節出血の予防になる。
SLEは中枢神経も侵し、多彩な神経精神症状を出す。頭痛・けいれん・被害妄想などの精神病症状・気分の変動(うつ状態)・認知障害はいずれもSLEでみられる。
SLEにみられにくいのはチック(運動性・音声チック)。チックはTourette症候群の中核症状であり、SLEとは結びつかない引っかけとして頻出。
増悪因子=紫外線(日光)・感染・妊娠出産・寒冷・薬剤。屋外リハや窓際での日光曝露に配慮し、日中の直射日光を避ける。ステロイド長期投与による骨粗鬆症・大腿骨頭壊死・易感染にも注意する。
| 主な膠原病 | 特徴 |
|---|---|
| 関節リウマチ | 対称性の多関節炎・朝のこわばり・骨びらん・尺側偏位 |
| 全身性強皮症 | 皮膚硬化・Raynaud現象・肺線維症・逆流性食道炎 |
| 多発性筋炎/皮膚筋炎 | 近位筋の筋力低下・CK上昇・Gottron徴候・ヘリオトロープ疹 |
細菌性食中毒は、毒素そのものが病態を作る毒素型と、菌が腸管で増殖・侵入して炎症を起こす感染型に分かれる。
| 型 | 菌 | 毒素・特徴 |
|---|---|---|
| 毒素型 | ボツリヌス菌 | ボツリヌス毒素=神経毒。神経筋接合部でアセチルコリン放出を阻害し弛緩性麻痺・眼症状・嚥下障害 |
| 赤痢菌 | 志賀毒素を産生し腸管粘膜を障害 | |
| 腸管出血性大腸菌(O157) | ベロ毒素(志賀様毒素)→ 出血性大腸炎・溶血性尿毒症症候群(HUS) | |
| 黄色ブドウ球菌・コレラ菌 | エンテロトキシン(耐熱性・加熱で防げない)/コレラ毒素 | |
| 感染型 | サルモネラ | 腸管に侵入・増殖して炎症を起こす。卵・食肉が原因 |
| カンピロバクター | 鶏肉が原因。Guillain-Barré症候群の先行感染として重要 | |
| 腸炎ビブリオ | 魚介類(海水由来)。腸管で増殖する |