| 靱帯 | 位置 | 緊張して制動する運動 |
|---|---|---|
| 前縦靱帯 | 椎体の前面 | 伸展(後屈)を制動 |
| 後縦靱帯 | 椎体・椎間板の後面=脊柱管の前壁 | 屈曲を制動 |
| 黄色靱帯 | 上下の椎弓の間=脊柱管の後壁 | 屈曲を制動 |
| 棘間靱帯 | 隣接する棘突起の間 | 屈曲を制動 |
| 棘上靱帯 | 棘突起の先端を結ぶ最も後方 | 屈曲を制動 |
| 横突間靱帯 | 横突起の間 | 側屈を制動 |
並び順は前から 前縦靱帯→椎体→後縦靱帯→黄色靱帯→棘間靱帯→棘上靱帯。前縦靱帯だけが伸展を止め、後方の靱帯群はすべて屈曲を止める。
骨化して脊髄を圧迫する靱帯:後縦靱帯骨化症(OPLL)は頸椎に多く、黄色靱帯骨化症は胸椎に多い(胸髄圧迫で下肢の痙性麻痺)。
「膀胱直腸障害は生じない」は誤り。馬尾が高度に圧迫されれば膀胱直腸障害を生じ、緊急手術の適応となる。また「Myerson徴候陽性」も誤りで、Myerson徴候(眉間反射の亢進)はパーキンソン病などの錐体外路徴候であり椎間板ヘルニアとは無関係。
| 時期 | 適切な対応 | 誤りとされる対応 |
|---|---|---|
| 急性期 | 数日程度の短期安静と疼痛管理、軟性(弾性)コルセット | 急性期からの間欠牽引/急性期からの硬性コルセット/強い疼痛時の体操療法 |
| 亜急性期以降 | 四つ這い位での一側下肢挙上(体幹安定化)、端座位での骨盤前後傾、腸腰筋・ハムストリングスのストレッチ、体幹筋の筋力訓練、TENS、ホットパック | 数か月間のベッド上安静(廃用症候群を招く) |
肢位の指導は「何を問われているか」で答えが変わる。3つに分けて覚える。
| ヘルニア高位 | 障害される神経根 | 感覚障害の領域 | 筋力低下 | 反射 |
|---|---|---|---|---|
| L1/2 | L2 | 鼠径部・大腿前面 | 腸腰筋 | — |
| L2/3 | L3 | 大腿前面〜膝内側 | 大腿四頭筋 | 膝蓋腱反射 低下 |
| L3/4 | L4 | 下腿内側〜内果 | 大腿四頭筋・前脛骨筋 | 膝蓋腱反射 低下 |
| L4/5 | L5 | 下腿外側〜足背(母趾側) | 前脛骨筋・長母趾伸筋 | 変化なし |
| L5/S1 | S1 | 下腿後面〜足部外側・足底 | 下腿三頭筋・腓骨筋 | アキレス腱反射 低下 |
腰椎ではヘルニア高位の1つ下の番号の神経根が障害される(L4/5→L5根、L5/S1→S1根)。MRIは突出椎間の高さと突出側(左右)の2つを読む。
大腿四頭筋の筋力低下(L2〜L4)や長母趾伸筋の筋力低下(L5)はS1障害では起こらない。左右の取り違えも頻出で、圧迫側と症状側を一致させて選ぶ。
| テスト | 肢位・方法 | 陽性で疑う病態 |
|---|---|---|
| SLR(Lasègue) | 背臥位・膝伸展位のまま下肢を挙上 | 坐骨神経の伸張。下位腰椎(L4/5・L5/S1)の椎間板ヘルニア |
| Bragard | SLRで疼痛が出た角度から少し下げ、足関節を背屈 | SLRの変法。腰椎椎間板ヘルニアの疼痛誘発テスト |
| 大腿神経伸張テスト(FNST) | 腹臥位で膝を屈曲させる | 大腿神経の伸張。上位腰椎(L2/3・L3/4=L3・L4根)。大腿前面に放散痛 |
| Kemp | 体幹を後側方へ伸展・回旋 | 腰椎椎間関節・神経根障害 |
大腿前面の症状 → 腹臥位のFNST/下腿後面・足部の症状 → 背臥位のSLR。図で肢位を問われたら「腹臥位で膝屈曲=FNST」「背臥位で膝伸展位のまま挙上=SLR」で即断。
| テスト | 方法の要点 | 陽性で疑う疾患・部位 |
|---|---|---|
| Spurling | 頸椎を伸展・患側へ側屈させ頭部から軸圧(=椎間孔圧迫) | 頸椎症性神経根症 |
| Jackson | 頸部を後屈・側屈させる | 頸椎の神経根症 |
| Adson | 頸部を伸展・患側回旋し橈骨動脈拍動の減弱をみる | 胸郭出口症候群(前斜角筋) |
| Wright | 座位で両肩関節を過外転し橈骨動脈拍動の減弱をみる | 胸郭出口症候群 |
| Morley | 鎖骨上窩を圧迫する | 胸郭出口症候群 |
| Allen | 橈骨・尺骨動脈を圧迫して血行をみる | 手部の動脈開存 |
| Yergason・Speed | 肘屈曲位で前腕回外に抵抗/肩屈曲に抵抗 | 上腕二頭筋長頭腱炎 |
| Drop arm | 他動的に外転した上肢を下ろせず落下する | 腱板断裂(棘上筋) |
| Chair・Thomsen | 手関節背屈などに抵抗を加える | 上腕骨外側上顆炎(テニス肘) |
| Finkelstein・Eichhoff | 母指を握り込ませ手関節を尺屈 | de Quervain病(狭窄性腱鞘炎) |
| McMurray・Apley | 膝の回旋/腹臥位で下腿を圧迫・回旋 | 膝半月板損傷(Apleyの牽引では側副靱帯) |
| Lachman・前方引き出し | 脛骨を前方へ引く | 膝前十字靱帯損傷 |
| Thompson | 腹臥位で下腿三頭筋を握り足の底屈をみる | アキレス腱断裂 |
| Patrick(FABER) | 患側足部を対側膝に乗せ4の字にする | 股関節・仙腸関節の病変 |
| Thomas | 対側股関節を最大屈曲させる | 腸腰筋の短縮(股関節屈曲拘縮) |
| Ober | 側臥位で外転・伸展位から下肢を下ろす | 腸脛靱帯(大腿筋膜張筋)の短縮 |
名前が似ているものを取り違えない。Thomsen=テニス肘/Thomas=腸腰筋/Thompson=アキレス腱断裂。Spurlingだけが頸椎神経根で、Adson・Wright・Morley・Edenは胸郭出口症候群、Allenは手の動脈。
誤りとして出される定番:「腰椎前屈で症状が増強する」(正しくは前屈で軽快)/「下肢の深部腱反射は亢進する」(正しくは低下)/「先天発症が多い」(正しくは加齢性の後天性)/「内反尖足を生じる」(内反尖足は痙性麻痺の所見)。
| 上位運動ニューロン障害 | 下位運動ニューロン障害 | |
|---|---|---|
| 筋緊張 | 痙縮あり | 弛緩性・痙縮なし |
| 腱反射 | 亢進 | 低下〜消失 |
| 病的反射 | 陽性(Babinskiなど) | 陰性 |
| 代表例 | 脳梗塞・外傷性脳損傷・中心性頸髄損傷・胸椎黄色靱帯骨化症・頸椎後縦靱帯骨化症 | 腰椎椎間板ヘルニア(神経根)・腰部脊柱管狭窄症(馬尾) |
「痙縮を生じにくい疾患は?」と問われたら腰椎椎間板ヘルニア=神経根=下位=痙縮なしを選ぶ。脳・脊髄が障害される疾患はすべて痙縮を生じうる。
血管性の正体は閉塞性動脈硬化症〈ASO〉。末梢動脈疾患〈PAD〉の大半(9割前後)は動脈硬化を基盤とするASO=頻度が高い疾患で、「閉塞性動脈硬化症の頻度は低い」という肢は誤り。Buerger病(閉塞性血栓血管炎)は若年喫煙男性に生じる別カテゴリで、こちらが稀。
| 比較点 | 神経性(腰部脊柱管狭窄症・変性すべり症) | 血管性(閉塞性動脈硬化症=ASO/末梢動脈疾患=PAD) |
|---|---|---|
| 姿勢の影響 | 前屈・座位で軽快、伸展で増悪 | 姿勢に無関係。立ち止まって安静にすると軽快 |
| 自転車 | 前屈位なので長く乗れる | 同程度の運動量で症状が出る |
| 足背動脈 | 触知良好 | 拍動の減弱・消失 |
| 主な検査 | MRI・脊髄造影 | ABI(足関節上腕血圧比)・トレッドミル歩行 |
| 対応 | 屈曲位保持の装具・体幹屈筋強化・前かがみで休む | 監視下歩行運動療法・危険因子の管理 |
| Fontaine分類 | 症状 |
|---|---|
| Ⅰ度 | 無症状〜冷感・しびれ |
| Ⅱ度 | 間欠性跛行 |
| Ⅲ度 | 安静時痛 |
| Ⅳ度 | 潰瘍・壊死(切断のリスク) |
動脈は「歩かせる・冷やさない・締めない」/静脈は「圧迫する」。この対比で選択肢を切ると迷わない。
| 頸神経根 | 主な支配筋・反射 |
|---|---|
| C5 | 三角筋・上腕二頭筋反射 |
| C6 | 腕橈骨筋・手根伸筋 |
| C7 | 上腕三頭筋反射 |
| C8 | 手内筋 |
「C6/7間の外側型ヘルニアで腕橈骨筋反射が亢進する」は誤り。C6/7外側型が圧迫するのはC7神経根で、低下するのは上腕三頭筋反射。神経根症では反射は低下が原則。
高齢者の急性背部痛で脊椎分離症・脊柱管狭窄症・椎間板ヘルニアを選ばない。分離症=若年スポーツ選手の伸展時腰痛、脊柱管狭窄症=間欠性跛行、椎間板ヘルニア=下肢放散痛とSLR陽性で像が違う。
| 女性に多い | 男性に多い |
|---|---|
| 関節リウマチ(男女比およそ1:3〜4、30〜50歳代) 骨粗鬆症 変形性膝関節症(高齢女性) 全身性エリテマトーデス | 強直性脊椎炎(若年男性・HLA-B27関連) 痛風 特発性大腿骨頭壊死(中年男性・ステロイド・アルコール) 大腿骨頭すべり症(肥満傾向の思春期男児) 腰椎椎間板ヘルニア(20〜40歳代) |
自己免疫疾患(関節リウマチ・全身性エリテマトーデス・橋本病)は女性優位、と束ねて覚える。
| 装具 | 作用(保持する肢位) | 主な適応 |
|---|---|---|
| Williams型 | 腰椎の伸展を制限し屈曲位を保持する軟性装具 | 腰部脊柱管狭窄症・分離すべり症 |
| Jewett型 | 3点固定で屈曲を制限し伸展位を保持 | 胸腰椎の椎体圧迫骨折 |
| Boston型 | 胸腰仙椎装具(TLSO) | 側弯症 |
| Milwaukee装具 | 頸部までバーをもつ装具 | 側弯症 |
| Steindler型 | 腰仙椎の固定 | 腰仙部の支持 |
| ハロー・ベスト | 頸椎の強固な固定 | 頸椎(不安定性・術後) |
誤りの定番:「Williams型=側弯症」「Milwaukee=腰部脊柱管狭窄症」「ハロー・ベスト=腰部脊柱管狭窄症」はすべて誤り。前屈で楽になる病態(狭窄症・すべり症)=Williams型(屈曲位)、圧迫骨折=Jewett型(伸展位)と、屈伸の向きを対にして覚える。
| 装具 | 作用 | 適応 |
|---|---|---|
| 交互歩行装具(RGO) | 左右の股関節の動きを連動させ交互歩行を可能にする | 二分脊椎・胸腰髄レベルの対麻痺。機能残存レベルTh12前後が適応。T10など上位は股関節周囲の随意性に乏しく実用歩行困難=不適 |
| 短下肢装具(底屈制動式) | 底屈を制動し踵接地から立脚を安定させる | 脳卒中片麻痺(下肢BrunnstromステージⅤ) |
| コックアップ・スプリント/Oppenheimer型 | 手関節背屈の保持・補助 | 橈骨神経麻痺(下垂手) |
| 対立スプリント | 母指の対立位を保持 | 正中神経麻痺(猿手) |
| ナックルベンダー | MP関節の屈曲を補助 | 尺骨神経麻痺(鷲手) |
| スウェーデン式膝装具 | 膝の反張(過伸展)を防止 | 反張膝 |
| pogo-stick装具 | 練習用の簡易義足 | 下肢切断者 |
| 体操 | 内容 | 対象 |
|---|---|---|
| Williams体操 | 腹筋強化と腰椎屈曲方向の運動 | 脊柱管狭窄症・椎間関節性の腰痛 |
| McKenzie体操 | 腰椎伸展方向の運動(パピーポジション) | 椎間板ヘルニアなどの腰痛 |
| Frenkel体操 | 床の足形などを目で見て合わせる反復運動=視覚による代償 | 深部感覚障害による感覚性運動失調 |
| Klapp体操 | 四つ這い位で行う | 脊柱側弯症 |
| Codman体操 | 体幹を前傾し上肢を振り子状に振る | 肩関節周囲炎 |
| Buerger-Allen体操・Böhler体操 | 下肢の挙上と下垂を繰り返す | 閉塞性動脈疾患などの末梢循環障害 |
腰痛体操は方向で覚える:Williams=屈曲/McKenzie=伸展。Frenkel=失調・見て合わせると結びつけ、循環改善系(Buerger-Allen・Böhler)や肩(Codman)・側弯(Klapp)と混同しない。
| 徴候 | 内容 | 示すもの |
|---|---|---|
| Lasègue | 下肢伸展挙上で下肢に放散痛 | 腰椎椎間板ヘルニア(坐骨神経の伸張) |
| Lhermitte | 頸部の前屈で脊柱に沿って電撃様の痛み・しびれが走る | 頸髄病変・多発性硬化症(後索) |
| Uhthoff | 体温上昇(入浴・運動)で神経症状が悪化 | 多発性硬化症。「体温低下で悪化」は誤り |
| Romberg | 開脚立位で閉眼すると動揺が増強 | 深部感覚(脊髄後索)障害。小脳性失調は開眼でも動揺するため陽性化しない |
| Barré | 挙上保持した上肢が回内・下降する | 錐体路障害(運動麻痺) |
| Kernig | 股・膝屈曲位から膝を伸展すると抵抗・疼痛 | 髄膜刺激徴候(髄膜炎・くも膜下出血) |
| カーテン徴候 | 発声時に咽頭後壁が健側へ偏位 | 迷走神経(咽頭)麻痺 |
| 内側縦束(MLF)症候群 | 核間性眼筋麻痺 | 脳幹の障害。後頭葉ではない |
| Brown-Séquard症候群 | 同側の運動麻痺・深部感覚障害+対側の温痛覚障害 | 脊髄の片側(半側)損傷。両側横断性ではない |
| Trendelenburg | 患側で片脚立ちすると遊脚側の骨盤が下制 | 中殿筋(上殿神経 L4〜S1)の筋力低下 |
| 異常歩行 | 主な原因 |
|---|---|
| Trendelenburg歩行 | 中殿筋の筋力低下=変形性股関節症・先天性股関節脱臼・大腿骨頸部骨折 |
| 間欠性跛行 | 腰部脊柱管狭窄症・閉塞性動脈硬化症(末梢動脈疾患) |
| 鶏歩 | 総腓骨神経麻痺(下垂足) |
| 酩酊(よろめき)歩行 | 小脳失調 |
| 小刻み歩行・すくみ足 | パーキンソン病・大脳基底核障害 |
| はさみ足歩行 | 両側の痙性(痙性対麻痺・脳性麻痺) |
| 分回し歩行 | 脳卒中片麻痺 |
| 踵打歩行 | 深部感覚障害(脊髄後索) |
Trendelenburg徴候は股関節そのものの病態で生じる。腰椎分離症・腰部脊柱管狭窄症・変形性膝関節症・変形性足関節症を選ばない。
図から作業姿勢を選ぶ問題は、「膝が曲がっている・背すじが伸びている・荷が体に近い」の3条件を満たすものを選べば決まる。