関節軟骨の摩耗・変性を一次的な病態とする退行変性疾患。滑膜炎は二次的に生じる。
「滑膜炎から軟骨の変性に至る」は関節リウマチの病態であってOAではない。OAは軟骨の摩耗が先、滑膜炎は後。この順序が入れ替えて出題される。
一次性OAが手指に出たものが変形性指関節症。中高年女性に多く、骨性の隆起(結節)を触れる。
| 結節・変形 | 関節 | 背景疾患 |
|---|---|---|
| Heberden結節 | DIP(遠位指節間関節) | 一次性OA |
| Bouchard結節 | PIP(近位指節間関節) | 一次性OA |
| 尺側偏位・スワンネック・ボタン穴 | MP・PIP・DIP | 関節リウマチ |
| Charcot関節(無痛性破壊) | 荷重関節が主 | 神経障害による二次性 |
H(Heberden)=端=遠位DIP/Bouchard=PIP。選択肢に紛れる「遠位橈尺関節」「近位橈尺関節」は前腕回内外の関節、「中手指節関節(MP)」はRAの尺側偏位の座であり、いずれもHeberden結節の部位ではない。
Charcot関節は一次性OAではない。糖尿病性神経障害・脊髄癆などで痛覚が失われ、無痛のまま関節が破壊される二次性の関節症。
| 場面 | 正しい指導 | 理由 |
|---|---|---|
| T字杖 | 健側(患側と反対)の手に持つ | 患側股関節の荷重と外転筋活動を減らす |
| 階段の昇段 | 健側から踏み出す | 患側に踏み込み荷重をかけない |
| 階段の降段 | 患側から下ろす | 健側で体重を支えながら下ろせる |
| 椅子 | やや高めにする | 低い椅子は股関節を深く屈曲させ負担・疼痛が増す |
| 椅子からの立ち上がり | 患側を前に出す | 手前に引くと患側への荷重が増える |
杖と階段は「杖は健側/上りは健側・下りは患側」。荷重関節の保護という一本の原則で全選択肢を消去できる。
血清アルカリフォスファターゼ(ALP)は骨・肝疾患の指標であり、RAで高値になるとはいえない。RAの検査項目として選ばない。
この4項目に「朝のこわばり」は含まれない。朝のこわばり・対称性・リウマトイド結節・X線変化は1987年の旧基準にあった項目で、2010年基準から外れた。臨床所見としての朝のこわばりが重要であることと、分類基準の項目であるかは別問題。
| 段階 | ステージ(X線・関節破壊) | クラス(機能・ADL) |
|---|---|---|
| Ⅰ | 骨破壊なし。関節近傍の骨粗鬆症(骨萎縮)のみ | ほぼ正常に活動できる |
| Ⅱ | 軟骨破壊・関節裂隙狭小化。筋萎縮を伴う | やや制限あるが日常・職業活動は可能 |
| Ⅲ | 軟骨下骨の破壊(びらん)・変形 | 身の回りはできるが仕事は行えない |
| Ⅳ | 線維性・骨性の関節強直 | ほぼ寝たきり・全面介助 |
ステージ=X線像/クラス=ADL・就労で別々に判定する。「X線で高度破壊・強直+身辺自立だが就労不能」ならステージⅣ・クラスⅢ。ステージⅣに特異的なのは強直で、骨粗鬆症はⅠ、軟骨下骨の破壊はⅢ、腱鞘炎や筋萎縮はステージ特異的な所見ではない。
| 変形 | 部位と肢位 |
|---|---|
| スワンネック変形 | 手指。PIP過伸展+DIP屈曲(白鳥の首) |
| ボタン穴(boutonnière)変形 | 手指。PIP屈曲+DIP過伸展。PIP背側の中央索断裂で側索が掌側へ滑って生じる |
| 尺側偏位 | MP関節で手指が尺側に偏位 |
| ムチランス変形(オペラグラス手) | 手指。骨吸収で指が短縮し望遠鏡状になる高度破壊。脊柱の変形ではない |
| Z変形 | 手の母指。MP屈曲+IP過伸展。足の母趾ではない |
| 足部 | 外反母趾・内反小指変形・開張足・外反扁平足 |
スワンネックとボタン穴はPIPの向きが正反対。「過伸展するのはどれか」と問われたらスワンネック=PIP、ボタン穴=DIP。DIP屈曲+PIP過伸展=スワンネック、DIP過伸展+PIP屈曲=ボタン穴、と肢位の組合せで一意に決まる。
ROM表記の読み方:伸展がマイナス(例 PIP伸展−45°)は伸展不足=屈曲位(屈曲拘縮)。伸展がプラスに大きい(例 DIP伸展30°)は過伸展。PIP伸展−45°・DIP伸展30°ならボタン穴変形。
フォーク状変形はRAではない → 橈骨遠位端骨折(Colles骨折)の変形。対するSmith骨折は庭シャベル(garden spade)状変形。
また内反足はRAに合併しにくい → RAの足部変形は外反方向(外反扁平足・外反母趾)が典型。
| 変形 | MTP | PIP | DIP |
|---|---|---|---|
| 鉤爪趾(claw toe) | 伸展(過伸展) | 屈曲 | 屈曲 |
| 槌趾(hammer toe) | 伸展 | 屈曲 | 伸展 |
| マレットトウ(mallet toe) | 中間 | 中間 | 屈曲 |
| 足部の状態 | 靴で擦れる・圧が集中する所 |
|---|---|
| 鉤爪趾 | PIP関節の背側(いちばん高く突出して靴の甲に当たる)。趾尖や中足骨頭の足底にも胼胝 |
| 尖足 | 前足部の足底(中足骨頭) |
| 内反(内反尖足) | 足部外側縁(第5中足骨基部の周り) |
| 外反母趾 | 第1中足骨頭の内側(バニオン) |
| 趾の外側偏位 | 趾の側面(隣の趾・靴の側壁) |
脳卒中片麻痺でも足趾屈筋の痙縮で鉤爪趾が出る(尖足・内反尖足と並存しやすい)。対応はトゥボックスの深い靴・除圧パッド・中足骨パッド。
| 変形 | 装具・足底板 |
|---|---|
| 開張足(横アーチ低下) | メタタルサルアーチサポート(中足骨パッド。中足骨頭のすぐ近位を下から支える) |
| 扁平足(内側縦アーチ低下) | アーチサポート(土踏まず支持) |
| 外反母趾 | 足底装具・中足部支持(金属支柱付短下肢装具は適応外) |
| 膝の内反変形 | 外側ウェッジ |
| 膝の外反変形 | 内側ウェッジ |
| 足関節の内・外反 | Tストラップ(前額面の矯正) |
| 後足部の内・外反 | Thomasヒール/逆Thomasヒール |
| 脚長差 | 踵補高 |
ウェッジは「厚い側と逆へ荷重を移す」。外側ウェッジ→内反膝、内側ウェッジ→外反膝。開張足は前額面ではなく横アーチの問題なので、ウェッジ・Tストラップ・ヒール修正では対応できない。
図で選ばせる問題は「手指の小関節にねじり・強い把持・体重が乗っていないか」だけを基準に消去する。手をついて支える/瓶のふたをひねる/はさみを母指示指で操作する/重い物を指で引っぱるは、いずれも不適。
| 病態 | 特徴 |
|---|---|
| 槌指(マレットフィンガー) | 突き指で終止腱断裂または末節骨基部背側の剥離骨折。DIPが屈曲位で垂れ自動伸展できない。治療はDIP伸展位固定 |
| 鉤爪(かぎ爪)変形 | 尺骨神経麻痺など。MP過伸展+PIP・DIP屈曲 |
| ばね指(弾発指) | 屈筋腱の腱鞘炎。屈伸時に引っかかり跳ねる。外傷性の変形ではない |
| Dupuytren拘縮 | 手掌腱膜の肥厚による屈曲拘縮。糖尿病・アルコールと関連。RAの合併ではない |
| ボクサー骨折 | 第5中手骨頸部骨折。拳で殴って受傷 |
| Bennett骨折 | 第1中手骨基部の関節内骨折・脱臼(母指CM関節) |
| Krukenberg | 前腕切断後に橈尺骨を分けて把持機能をつくる手術名。指の変形名ではない |
RAと無関係な整形疾患もRAの選択肢に紛れる。脊椎分離症はスポーツによる椎弓の疲労骨折でRAとは関連しない。RAで問題になる脊椎病変は環軸椎亜脱臼。
| 痛風 | 偽痛風 | |
|---|---|---|
| 沈着する結晶 | 尿酸塩(尿酸ナトリウム)結晶 | ピロリン酸カルシウム結晶 |
| 好発 | 中年男性(30〜50代) | 高齢者 |
| 好発関節 | 足の母趾MTP(第1中足趾節)関節 | 膝関節 |
| 背景 | 高尿酸血症。肥満・過食・飲酒などメタボリックシンドロームに合併 | 加齢・軟骨石灰化 |
結晶の取り違えが定番の引っかけ。痛風=尿酸塩・男性・母趾/偽痛風=ピロリン酸カルシウム・高齢者・膝。
| 強直性脊椎炎 | 関節リウマチ | |
|---|---|---|
| 好発 | 10〜30歳代の男性 | 30〜50歳代の女性 |
| 主な病変 | 仙腸関節・脊椎(下から上行)・付着部炎。股・肩など四肢の大関節も侵される | 手指の小関節(MCP・PIP)が対称性に |
| 検査 | HLA-B27と関連、リウマトイド因子陰性。活動期は赤沈亢進・CRP上昇 | リウマトイド因子陽性が多い |
| 発症 | 緩徐。安静で悪化し運動で軽くなる炎症性の腰背部痛・朝のこわばり | — |
| 関節外症状・画像 | 虹彩毛様体炎(前部ぶどう膜炎)/竹様脊椎(bamboo spine) | — |
誤りで出る言い回し:「20歳代の女性に好発」「急性発作で発病」「血沈は正常」「四肢の関節は障害されない」——いずれも誤り。