| 消化液 | 産生部位 | 液性 | 1日量 | 主成分・酵素 |
|---|---|---|---|---|
| 唾液 | 耳下腺・顎下腺・舌下腺 | 中性〜弱アルカリ | 約1.0〜1.5 L | αアミラーゼ(プチアリン) |
| 胃液 | 胃腺(壁細胞・主細胞) | 強酸性(pH1〜2) | 約1.5〜2 L | ペプシン・塩酸・内因子 |
| 膵液 | 膵房細胞(外分泌部) | アルカリ性(pH約8) | 約1.0〜1.5 L | アミラーゼ・トリプシン・リパーゼ・重炭酸 |
| 胆汁 | 肝臓(濃縮・貯蔵は胆嚢) | 弱アルカリ性 | 約0.5〜1 L | 胆汁酸・ビリルビン(酵素は含まない) |
| 腸液 | 小腸腺 | アルカリ性 | 約1.5〜3 L | ペプチダーゼ・二糖類分解酵素 |
「1日約100 mL」「分泌速度が増すとpHが低下」「加齢で増加」「分泌中枢は中脳」はいずれも誤り → 正しくは1〜1.5 L/pH上昇/加齢で減少/延髄・橋。
「膵液は酸性」「脂肪分解酵素は含まれない」「主成分はインスリン」「1日約300 mL」「Langerhans島からリパーゼが分泌される」はすべて誤り → 膵液はアルカリ性・リパーゼを含む・1日約1〜1.5 Lで、リパーゼは膵房細胞から分泌される。
急性膵炎=本来は腸管で活性化されるはずの消化酵素が膵内で活性化し、膵を自己消化する病態。
| 酵素 | 由来 | 基質 | 産物 |
|---|---|---|---|
| αアミラーゼ | 唾液・膵液 | デンプン | デキストリン・マルトース |
| マルターゼ | 腸(膜消化) | マルトース | ブドウ糖×2 |
| スクラーゼ | 腸 | スクロース | ブドウ糖+果糖 |
| ラクターゼ | 腸 | 乳糖 | ブドウ糖+ガラクトース |
| ペプシン | 胃液(酸性で働く) | 蛋白質 | ポリペプチド |
| トリプシン・キモトリプシン | 膵液 | 蛋白質・ポリペプチド | より短いペプチド |
| ペプチダーゼ | 腸 | ジ・トリペプチド | アミノ酸 |
| リパーゼ | 膵液 | トリグリセリド(脂肪) | 脂肪酸+モノグリセリド(グリセリン) |
糖質=多糖→二糖→単糖の二段階(アミラーゼ→二糖類分解酵素)。蛋白=胃で粗く切り(ペプシン)→膵で細かく切り(トリプシン)→腸でアミノ酸まで(ペプチダーゼ)の三段階。酵素は自分の担当段階しか進められない。
誤りの典型 → 「αアミラーゼはマルトースをブドウ糖に分解」(それはマルターゼ)/「マルターゼはデンプンをデキストリンに分解」(それはαアミラーゼ)/「マルターゼはスクロースを分解」(それはスクラーゼ)/「ラクターゼは乳糖をマルトースに分解」(正しくはブドウ糖+ガラクトース)/「ペプシンはトリグリセリドを分解」(それはリパーゼ)/「トリプシンはトリペプチドをアミノ酸に分解」(それはペプチダーゼ)。
「胆汁は胆嚢で産生される」「胆汁に消化酵素(リパーゼ)が含まれる」「胆汁は蛋白質を分解する」「胆汁は脂肪の吸収を抑制する」「胆汁酸塩の大部分は大腸で再吸収される」「Oddi括約筋の弛緩で胆汁が空腸へ放出される」「ミセル内の脂質は輸送蛋白で取り込まれる」はすべて誤り。
| ホルモン | 分泌部位・刺激 | おもな作用 |
|---|---|---|
| ガストリン | 胃前庭部/食物の到達 | 胃酸・ペプシノゲン分泌を促進 |
| セクレチン | 十二指腸/酸の流入 | 重炭酸に富む膵液を促進+胃酸分泌は抑制 |
| コレシストキニン(CCK) | 十二指腸/脂肪・蛋白 | 膵酵素の分泌促進+胆嚢収縮 |
「セクレチンは胃液分泌を促進する」は誤り → セクレチンは胃酸を抑制し膵液を促進する。「胃液分泌の増加は食物が胃に到達してから起こる」も誤り → 脳相から始まる。
| 部位 | おもに吸収されるもの |
|---|---|
| 胃 | 吸収はほとんど行わない(アルコール・一部の薬物のみ) |
| 十二指腸〜空腸上部 | 鉄・カルシウム |
| 空腸 | 糖(単糖)・アミノ酸・脂肪=三大栄養素の主吸収部位 |
| 回腸末端 | ビタミンB₁₂(内因子と結合)・胆汁酸 |
| 大腸(結腸) | 水・電解質 |
吸収経路は2本。糖・アミノ酸=毛細血管→門脈→肝臓/脂肪=カイロミクロン→リンパ管(乳び管)→胸管→静脈。脂肪だけ肝臓を経由せず全身循環に入る。
「鉄は結腸で吸収」「脂肪は十二指腸で吸収」「蛋白質は胃で吸収」「ビタミンB₁₂は空腸で吸収」はいずれも誤り。B₁₂と胆汁酸は回腸末端なので、回腸末端の切除ではB₁₂欠乏(巨赤芽球性貧血)が起こる。
「肝臓は血球を産生する」は誤り → 造血は骨髄(胎児期のみ肝で造血)。「肝臓は胆汁を貯蔵する」も誤り → 貯蔵は胆嚢。「肝臓はグルカゴンを分泌する」も誤り → グルカゴンは膵Langerhans島A(α)細胞から。
| 水溶性(ペプチド・アミン) | 脂溶性(ステロイド・甲状腺ホルモン) | |
|---|---|---|
| 代表 | インスリン・グルカゴン・バゾプレッシン(ADH)・オキシトシン・成長ホルモン・PTH・カルシトニン・アドレナリン | エストロゲン・プロゲステロン・テストステロン・コルチゾール・アルドステロン・サイロキシン(T₄) |
| 受容体 | 細胞膜(cAMPなどセカンドメッセンジャー) | 細胞膜を通過し核内受容体(遺伝子発現) |
| 作用 | 速いが短い | 遅いが持続的 |
ひっかけの本命はサイロキシン。アミノ酸由来だが脂溶性に分類される。ステロイドホルモン(性ホルモン・副腎皮質ホルモン)はすべて脂溶性。
| 紛れやすいホルモン | 本当の作用(血糖とは無関係) |
|---|---|
| アルドステロン | 副腎皮質の鉱質コルチコイド。Na再吸収・K排泄 |
| パラトルモン(PTH) | 血中カルシウムを上げる |
| カルシトニン | 血中カルシウムを下げる |
| オキシトシン | 子宮収縮・射乳 |
「血糖を下げるホルモンは複数ある」は誤り → 下げるのはインスリンだけ。低血糖に対して複数の昇糖ホルモンが動員されるのは生体防御。
| 時期 | 子宮内膜 | 優位ホルモン | 基礎体温 |
|---|---|---|---|
| 月経期 | 機能層が剥離・脱落 | いずれも低値 | 低温相 |
| 卵胞期=増殖期 | 増殖し厚さ約5 mmへ | エストロゲン(卵胞ホルモン) | 低温相 |
| 排卵 | — | LHサージ | 排卵前に一過性に低下 |
| 黄体期=分泌期 | さらに肥厚・分泌亢進 | プロゲステロン(黄体ホルモン) | 高温相 |
「月経期は基礎体温が高温相になる」は誤り → 月経期はプロゲステロンが低下しており低温相。高温相は排卵後の黄体期(分泌期)。「黄体ホルモン上昇」「卵巣ホルモン低下」「FSH低下」で排卵が起こるとするのもすべて誤り。
| 指標 | 定義・基準 | 数値 |
|---|---|---|
| 基礎代謝量(BM) | 早朝・空腹(食後12時間以上)・覚醒・安静仰臥位・快適室温で測定 | 体表面積に比例(体重ではない) |
| 安静時代謝量 | 座位安静での代謝量 | 基礎代謝量より大きい |
| 代謝当量(MET) | 安静座位の酸素摂取量を1とした比(倍数)。差ではない | 1 MET=3.5 mL/kg/分 |
| エネルギー代謝率(RMR) | 基礎代謝量を基準にした作業強度=(作業時代謝-安静時代謝)÷基礎代謝量 | — |
| 呼吸商(RQ) | 栄養素により異なる | 糖質1.0/蛋白約0.8/脂質0.7 |
| 特異動的作用(SDA) | 食後の消費エネルギー増加・体温上昇(食事誘発性熱産生) | 蛋白約30%>糖質約6%>脂質約4% |
大小関係は基礎代謝量<安静時代謝量<活動時代謝量。代謝を上げる要因=体温上昇(1℃で約13%増)・甲状腺ホルモン・寒冷・成長期。体重(除脂肪量)が減れば代謝量も低下する。
「安静時代謝量は基礎代謝量より小さい」は誤り → 大きい。「METは安静臥位時を基準」も誤り → 安静座位が基準。「基礎代謝量は体表面積に反比例」も誤り → 比例。「RQは栄養素によらず一定」「SDAは食後の消費エネルギーの減少」も誤り。
「基礎代謝量は同性で同年齢ならば体重に比例する」も誤り → 比例するのは体表面積であって体重ではない。同じ体重でも体脂肪が多い人は基礎代謝が低く、代謝を生むのは脂肪ではなく除脂肪量(筋・内臓)だから、体重が同じでも基礎代謝量は一致しない。基礎代謝量の基準値は「体表面積1m²あたり◯kcal/時」で表される。
代謝の設問は「何を基準(=1)にしているか」を突く。RMR=基礎代謝量が基準/MET=安静座位が基準/基礎代謝量そのものは体表面積に比例。この3つの基準を取り違えさせるのが定番のひっかけ。
| 場面 | 起こること |
|---|---|
| 運動時 | グリコーゲン分解が亢進/冠血流増加・腎血流減少(血流再分配)/動静脈酸素較差は増大/アルドステロン増で尿中Na排泄は減少 |
| 広範囲熱傷の急性期 | 毛細血管透過性亢進で全身浮腫/ストレスホルモンで高血糖/基礎代謝量は1.5〜2倍/高蛋白(1.5〜2.0 g/kg/日)栄養 |
「広範囲熱傷の急性期は輸液量を制限する」は誤り → 大量の体液喪失に対し積極的な輸液が必須(Parkland式=最初の24時間に4 mL×体重kg×熱傷面積%)。
| 小器官 | はたらき |
|---|---|
| ミトコンドリア | ATP産生(酸化的リン酸化)。独自の環状DNAをもつ。グリコーゲン分解の場ではない(細胞質) |
| 粗面小胞体 | リボソームが付着し蛋白質を合成 |
| 滑面小胞体 | 脂質・ステロイド合成、Ca²⁺貯蔵。ATPは作らない |
| リボソーム | 蛋白質合成の場 |
| 核小体 | リボソーム(rRNA)を形成 |
| Golgi装置 | 蛋白質の糖鎖修飾・選別・輸送 |
| リソソーム(ライソソーム) | 加水分解酵素を含み不要物を分解 |
| ペルオキシソーム | カタラーゼなど酸化酵素。過酸化水素の分解・脂肪酸の酸化 |
| 中心小体 | 微小管形成中心(MTOC)として紡錘体を作り、細胞分裂の開始に関わる |
「Golgi装置はリボソームを形成する」は誤り → 形成するのは核小体。「滑面小胞体はATPを合成」「ミトコンドリアはグリコーゲンを分解」「リソソームは蛋白質を合成」「リボソームは物質を分解」もすべて誤り(合成と分解の入れ替えが定番のひっかけ)。
| DNA | RNA | |
|---|---|---|
| 鎖 | 2本鎖(二重らせん) | 1本鎖 |
| 塩基 | A・T・G・C | A・U・G・C |
| 塩基対 | A-T/G-C | A-U/G-C |
「RNAにはチミンが含まれる」は誤り → RNAはウラシル、チミンはDNA特有。「アデニンはシトシンと結合」も誤り → A-T/G-C。「DNAは三重鎖らせん」も誤り → 二重らせん。