頻出の誤り肢 → 正しくは
「男性に多い」「男性の発症率は女性の約2倍」→ 男女ほぼ同等で、2倍という数値に根拠はない
「急性発症することが多い」→ 潜行性発症が多い
「中年期以後に発症することが多い」→ 思春期〜青年期が好発
| 時期 | 主な症状 | キーワード |
|---|---|---|
| 前駆期 | 非特異的な不調。不眠・不安・焦燥・集中困難、知覚過敏(聴覚過敏・光過敏)、自生思考(意志と無関係に思考が勝手に湧く) | まだ特徴的でない漠然とした不調 |
| 急性期 | 陽性症状が顕在化。幻覚(幻聴)・妄想・滅裂思考・興奮・昏迷(緊張病症候群) | 派手な症状が出そろう |
| 消耗期(休息期) | 急性期後の疲弊。過眠・倦怠・意欲低下 | 休養が最優先 |
| 回復期・慢性期 | 陰性症状が前景。感情の平板化・意欲低下・自閉 | 生活機能への関わり |
前駆期を問う設問の答えは自生思考か聴覚過敏。奇異な妄想・滅裂な思考・緊張病症候群は急性期、感情の平板化は慢性期の陰性症状であり、いずれも前駆期ではない。
| 陽性症状(本来ないものが加わる) | 陰性症状(本来あるものが失われる) |
|---|---|
| 幻覚(幻聴が最多)・妄想 | 感情の平板化(感情鈍麻) |
| 連合弛緩・滅裂思考(形式的思考障害) | 意欲低下・無為 |
| 興奮・奇異な行動・緊張病症状 | 会話の貧困・快感消失・自閉 |
| 薬物反応性は良好 | 難治の傾向 |
| 急性期に目立つ | 慢性期に前景となる |
連合弛緩は「思考の脈絡が失われる」という表現から陰性症状と誤りやすいが、形式的思考障害=陽性症状。逆に快感消失・会話の貧困は陰性症状。
注意・記憶・遂行機能などの認知機能障害は、陽性・陰性のどちらにも収まらない第3の症状群として扱われる。作業療法が主に関わるのは陰性症状と生活機能。
| 病型 | 中核症状 | 特徴・予後 |
|---|---|---|
| 緊張型 | 興奮と昏迷=意志発動(精神運動性)の異常。カタレプシー・拒絶症・常同 | 急性発症が多く予後は比較的良好 |
| 破瓜型(解体型) | 感情鈍麻・思考解体・無為など陰性症状が前景 | 思春期発症・潜行性・予後不良 |
| 妄想型 | 被害妄想・幻聴など陽性症状が中心 | 発症年齢が高め(30歳前後〜)。人格荒廃は目立たず予後は比較的良好 |
| 単純型 | 明らかな陽性症状を欠き、無為・自閉が緩徐に進行 | 潜行性・予後不良 |
| 残遺型 | 急性期を過ぎ、陰性症状が残る慢性の状態 | 経過後半の状態像。意志発動の異常が主体ではない |
「興奮や昏迷など意志発動の異常が主体」=緊張型。「思春期発症+陰性症状」=破瓜型。「妄想・幻聴中心で発症が遅い」=妄想型。
| 予後良好 | 予後不良 |
|---|---|
| 急性発症 | 潜行性(緩徐)発症 |
| 明らかな発症誘因(ストレス因子)がある | 誘因が不明 |
| 発症年齢が高め | 若年発症 |
| 陽性症状が主体 | 陰性症状が強い |
| 女性 | 男性 |
| 病前適応が良好・家族の支援あり | 病前適応不良・支援なし |
| DUP(未治療期間)が短い | DUPが長い |
DUP=Duration of Untreated Psychosis(発症から治療開始までの期間)。長いほど予後は不良で、早期治療が重要。
「急性発症は予後が悪い」→ 逆で急性発症は予後良好。
「女性は男性より予後が悪い」→ 逆で女性のほうが予後良好。
「発症から治療開始までの期間と予後は無関係」→ 誤り。DUPが長いほど予後不良。
「潜行性の発症」「若年での発症」「強い陰性症状」はすべて予後不良因子で、予後良好の答えにはならない。
| 介入 | 標的 | 高EEへの直接効果 |
|---|---|---|
| 家族心理教育 | 家族の知識と対応=EEそのもの | ◎ 第一選択 |
| 生活技能訓練(SST) | 患者本人の社会生活技能 | × 本人への介入 |
| 認知行動療法 | 患者本人の認知・行動 | × 本人への介入 |
| 自律訓練法 | 自己暗示による本人のリラクセーション | × |
| レクリエーション | 交流・気分転換 | × |
| 時期 | 方針 |
|---|---|
| 急性期 | 休養と抗精神病薬が優先。刺激を減らし、作業療法・表現療法は導入しない |
| 回復期 | 作業療法を開始。生活リズムの回復、短時間・単純・成功しやすい課題、対人交流の再開 |
| 維持期 | SST・デイケア・就労支援で社会復帰。服薬継続とストレス/生活リズム管理で再発予防 |
「絵画療法は統合失調症急性期に有効」は誤り → 表現性の高い療法は内面を強く刺激するため回復期以降に用いる。
| 用語 | 定義 | 主にみられる場面 |
|---|---|---|
| 自生思考 | 意志と無関係に思考が勝手に湧き上がる | 統合失調症の前駆期 |
| 離人症状 | 「自分がやっているのに自分がやっている感じがしない」=自己や外界に対する現実感・実感の喪失 | 解離性障害・うつ病・不安障害・統合失調症と幅広い |
| 拒絶症 | 働きかけや指示に反抗的・無反応に振る舞う | 緊張病 |
| 感情鈍麻 | 感情の動きや反応が乏しくなる | 統合失調症の陰性症状 |
| 心気症状 | 身体の些細な不調を重大な病気と過度に心配する | 心気症・うつ病 |
| 恐怖症 | 特定の対象・状況に対する不合理で強い恐怖 | 不安症群 |
| 昏迷 | 意識は保たれるが自発的な運動・反応が消失する | 緊張型・重症うつ病 |
| 妄想 | 内容 | 背景 |
|---|---|---|
| 心気妄想 | 「不治の病にかかっていて助からない」 | うつ病(三大微小妄想) |
| 罪業妄想 | 「自分は罪深く取り返しがつかない」 | うつ病(三大微小妄想) |
| 貧困妄想 | 「金がなく破産する」 | うつ病(三大微小妄想) |
| 誇大妄想 | 自分の能力や地位を過大に評価する | 躁状態 |
| 血統妄想 | 「自分は高貴な家系・有名人の子だ」 | 躁状態(誇大妄想の一種) |
| 迫害妄想・被毒妄想 | 「危害を加えられる」「食べ物に毒を盛られた」 | 統合失調症(被害妄想) |
自己を過小評価=うつ/過大評価=躁/他者から害される=統合失調症、で振り分ける。医師が否定しても確信を変えない点が「妄想」で、単なる心配(心気症状)と区別する。
| 疾患 | 好発時期 |
|---|---|
| 統合失調症 | 思春期〜青年期(10代後半〜30歳前後) |
| 社交不安障害 | 思春期〜青年期 |
| 神経性無食欲症 | 思春期〜青年期の女性 |
| うつ病 | 幅広いが成人期中期(40〜60歳頃)に好発。役割葛藤や身体変化が誘因 |
| 血管性認知症 | 高齢期(脳血管障害に伴う) |
「精神科医療機関では実施されない」「対象者は限定されない」「主治医との情報共有は制限される」「急性期から参加を推奨」はすべて誤り。
| 技法 | 原理・特徴 |
|---|---|
| 系統的脱感作法 | 不安階層表を作成し、弛緩と組み合わせる(逆制止) |
| 自律訓練法 | 公式に沿った自己暗示で心身を弛緩させる。不安階層表は用いない |
| バイオフィードバック | 心拍・筋電図・皮膚温などの生体情報を本人に返し、オペラント条件付けで自律機能を随意的に制御する |
| 生活技能訓練(SST) | 行動療法。モデリング・ロールプレイで社会生活技能を学習する |
| 認知行動療法 | 認知の偏りに介入し、行動を変える |
| 精神分析的療法 | 転移を分析・活用する |
転移=患者から治療者へ向く感情、逆転移=治療者から患者へ向く感情。方向の違いが問われる。
「陽性転移の出現を目標とする」は誤り → 転移は治療過程で生じる現象であり、出現自体は目標ではない。
「逆転移を認識したときは治療を中止する」は誤り → 認識したうえで自己分析し治療に活かす。中止しない。