第5章|耳の疾患
対応過去問 約45問 / 難易度 ★★★★☆
中耳炎
急性中耳炎
- 上気道炎(風邪)に続発することが多い
- 最多検出菌:肺炎球菌・インフルエンザ菌(黄色ブドウ球菌ではない)
- 軽症例では抗菌薬治療は必須でない(自然治癒例が多い)
- 耳管経由の感染(経外耳道感染ではない)
「急性中耳炎の最多検出菌は黄色ブドウ球菌」は誤り。肺炎球菌・インフルエンザ菌。
「急性中耳炎に抗菌薬治療は必須」は誤り。重症度に応じる。
慢性(化膿性)中耳炎
- 鼓膜穿孔が認められる(滲出性中耳炎では穿孔なし)
- 鼓膜穿孔は緊張部に多い(弛緩部ではない)
- 内耳への波及によって感音難聴をきたすことがある
- アブミ骨筋反射は陰性(連鎖の障害による)
「慢性中耳炎でアブミ骨筋反射陽性」は誤り。陰性となる。
真珠腫性中耳炎
- 鼓膜弛緩部から発生することが多い
- 骨破壊を引き起こすことが特徴的
滲出性中耳炎
成人の症状:難聴・耳閉感が主症状(耳漏・発熱・顔面神経麻痺はない)
小児の特徴:
- 難聴を自覚して来院することは少ない
- 反復する上気道炎が誘因
- 中耳に粘液性の貯留液がある
- ティンパノメトリはB型またはC型
- 両側罹患することが多い
関連疾患:口蓋裂・ダウン症候群・ピエール・ロバン症候群・CHARGE症候群
先天性風疹症候群は滲出性中耳炎と関連しない(感音難聴が主)
「小児の滲出性中耳炎では難聴を自覚して来院することが多い」は誤り。
「滲出性中耳炎では鼓膜の膨隆がある」は誤り。膨隆は急性中耳炎の所見。
耳硬化症
- アブミ骨底板の固着による伝音難聴
- 鼓膜穿孔はない
- 低周波数(250〜500Hz)の骨導閾値が上昇する(カルハルトのノッチ)
- ティンパノメトリはAs型(コンプライアンス低下)
耳小骨連鎖離断
- 鼓膜穿孔はない(または別病変による)
- ティンパノメトリAd型(コンプライアンスが高い)
- 伝音難聴で最大損失となりやすい
「耳小骨連鎖離断でティンパノメトリB型」は誤り。Ad型(高コンプライアンス)が特徴。
メニエール病
- 内リンパ水腫を病態基盤とする
- 症状の三主徴:回転性めまい・難聴・耳鳴(耳閉感)
- 発作性・反復性が特徴
- 失神は症状に含まれない
「メニエール病の症状に失神は含まれない」→失神はメニエール病の症状ではない。
ハント症候群
- 水痘帯状疱疹ウイルスによる顔面神経麻痺
- 症状:顔面神経麻痺・耳介部帯状疱疹・めまい・感音難聴・耳鳴
- 感音難聴(伝音難聴ではない)
- 耳下腺腫脹はない
「ハント症候群に単純疱疹が見られる」は誤り。帯状疱疹(水痘帯状疱疹ウイルス)。
「ハント症候群に伝音難聴が見られる」は誤り。感音難聴。
前庭疾患
前庭神経炎
- 難聴を伴わない(前庭神経のみが侵される)
- 強い回転性めまいが主症状
良性発作性頭位めまい症(BPPV)
- 難聴・耳鳴は伴わない
- 特定の頭位変換でめまいが誘発される
- 耳石が半規管内に迷入することが原因
- 感音難聴を生じない
「良性発作性頭位めまい症は感音難聴を生じる」は誤り。
聴神経腫瘍
- 後迷路性難聴(感音難聴の一種)
- 語音明瞭度の著しい低下が特徴
- 進行性の難聴
- Tone decay(閾値疲労)検査が陽性
音響性聴覚障害(騒音性難聴)
- 内耳性(感音)難聴
- 4,000Hz付近(C5-dip)の聴力低下が特徴(250Hzではない)
- 長期間の騒音曝露で発症(職業性)
- 障害は不可逆性(回復しない)
「音響性聴覚障害では250Hzの聴覚閾値が上昇する」は誤り。4,000Hz付近が正しい。
突発性難聴
- 原因不明の急性感音難聴
- 一側性が多い
- 難聴・耳鳴・耳閉感が突然発症
- 難聴は変動しない(1回発症)