第7章|聴力検査
対応過去問 約30問 / 難易度 ★★★★☆
耳小骨筋反射(アブミ骨筋反射)
反射弓の経路
音刺激 → 蝸牛 → 蝸牛神経
→ 蝸牛神経核 → 顔面神経核
→ 顔面神経 → アブミ骨筋
- 反射は刺激側と対側(両側)で起こる
- 反対側刺激による反射の検出は交叉聴取によるものではない(正常な反射弓の経路)
- 耳小骨筋反射は脳幹障害の影響を受ける(脳幹に反射弓があるため)
- 耳小骨筋反射が起こると音響インピーダンスが増加する(コンプライアンスが低下)
「耳小骨筋反射が反対側刺激で検出されるのは交叉聴取による」は誤り。正常な交叉反射経路。
「耳小骨筋反射は脳幹障害の影響を受けない」は誤り。影響を受ける。
ティンパノメトリ
| 型 | 病態 |
| A型 | 正常 |
| As型 | コンプライアンス低下(耳硬化症など) |
| Ad型 | コンプライアンス増大(耳小骨連鎖離断) |
| B型 | 平坦(滲出性中耳炎・鼓膜穿孔) |
| C型 | 陰圧(耳管機能不全・滲出性中耳炎初期) |
覚え方:As=アブミ骨が固い(Stiff)→コンプライアンス低下。Ad=アブミ骨が離れた(Disconnected)→コンプライアンス増大。
前庭誘発筋電位(VEMP)
- 耳石器(球形嚢)の機能検査
- 外有毛細胞の機能検査ではない
- 音刺激や振動刺激で誘発される
「VEMPは外有毛細胞の機能検査」は誤り。耳石器(球形嚢)の機能を反映。
眼振検査
| 検査 | 特徴 |
| 電気眼振計(ENG) | 閉眼時の眼振を記録できる(皮膚電極で記録) |
| フレンツェル眼鏡 | 高度凸レンズで視覚固視を除去して眼振を観察 |
| 温度眼振検査(カロリックテスト) | 外耳道に温水・冷水を注入。外側半規管(水平半規管)を刺激 |
| 頭位眼振検査 | 仰臥位・懸垂頭位で頭位を右下・左下に傾けて観察 |
頭位変換眼振検査 (Dix-Hallpike法など) | 座位から仰臥位へなどの頭位変換で誘発される眼振を観察 |
- 内耳障害による眼振は明所開眼で抑制される(視覚固視抑制)
- カロリックテストの定量的評価は眼振の緩徐相速度(遅相速度)を計測(急速相ではない)
「カロリックテストの定量的評価は眼振急速相を計測して行う」は誤り。緩徐相速度が正しい。
Tone decay検査
- 後迷路性難聴(蝸牛神経・中枢性)の診断に用いる
- 伝音難聴の診断には用いない
- 連続した純音が閾値より10〜20dB上の音量でも聞こえなくなる現象(聴覚疲弊)を評価
各検査の使い分けまとめ
| 所見・目的 | 使用する検査 |
| 外有毛細胞の機能 | 耳音響放射(OAE) |
| 耳石器(球形嚢)の機能 | VEMP |
| 外側半規管の機能 | カロリックテスト |
| 後迷路性難聴の診断 | Tone decay・ABR |
| 中耳腔の状態 | ティンパノメトリ |