第2章|異常構音の種類と特徴

対応過去問 17問 / 難易度 ★★★★☆

各異常構音の特徴

異常構音の出現しやすい音・聴覚印象・構音操作

異常構音出現しやすい音聴覚印象構音操作の特徴
鼻咽腔構音イ列音・拗音・[s][ts][dz](摩擦音・破擦音)鼻に抜けた歪み音口腔からの呼気流が不十分;外鼻孔閉鎖で明瞭になる
口蓋化構音タ行([t]→カ行に近い音)・歯茎音全般「タ」が「カ」に近く聞こえる舌背が過剰に挙上する
側音化構音イ列音・拗音・[s][ts][dz]「キ」が「ヒ」に近い歪み音(鼻音化はしない)呼気が舌の側方から出る;舌の緊張が関与
声門破裂音カ行・ガ行・全母音に先行して出現のどを詰めた感じの母音に聞こえる声門での閉鎖と破裂;喉頭の緊張が関与
咽頭摩擦音(咽頭破裂音)カ行・ガ行(軟口蓋音の代替)こもったカ行・ガ行音に聞こえる舌根部と咽頭後壁で産生;[k][g]に代わって出現

「側音化構音=ナ行に出現しやすい」は誤り(ナ行は鼻音で側音化しない)。「鼻咽腔構音=キがチに近く聞こえる」は誤り(口蓋化構音の聴覚印象)。「咽頭摩擦音=舌尖の動きが観察される」は誤り(舌根・咽頭後壁が関与)。

構音位置が口腔以外にある異常構音

口腔以外に構音位置がある(口腔外構音):

  • 鼻咽腔構音(鼻咽腔)
  • 咽頭摩擦音・咽頭破裂音(咽頭)
  • 声門破裂音(声門)

口腔内に構音位置がある(口腔内構音):

  • 側音化構音・口蓋化構音(異常だが口腔内)

鼻咽腔閉鎖機能不全の代償構音

鼻咽腔閉鎖不全があると、口腔内圧を確保できないため以下の代償構音が出現しやすい:

  • 声門破裂音
  • 咽頭摩擦音(咽頭破裂音)

口蓋化構音・側音化構音は鼻咽腔閉鎖不全の代償構音ではない。

構音の誤り方の分類

誤り方の4種類

誤り方説明
省略音が脱落するハッパ→アッパ([h]の省略)
置換別の音に変わるサカナ→タカナ([s]→[t])
歪み異常な音が出る(異常構音)側音化・口蓋化など
付加余分な音が加わる

音節配列の誤り

誤り方説明
音節脱落音節ごと消えるひこうき→こうき、ロボット→ボット
音位転換音節の順序が入れ替わる
同化隣接音の影響で変化ゴハン→ゴアン(ハ→ア:前後母音への同化)
語の音の配列の誤り音節の入れ替わりこっぷ→ぽっぷ([k]と[p]が転倒)

「ロボット→[botto]」:ロ([ɾo])の音節が脱落=音節脱落。「ゴハン→ゴアン」:[h]が周囲の母音に同化=同化(省略ではない)。「メガネ→メアネ」も同化([g]→[a]への同化)。

カバン→[tabaN]の誤り方

「カバン」→「タバン」([k]→[t]への置換):構音位置の誤り

[k](軟口蓋)→[t](歯茎):構音位置が後方から前方へ