構音検査・評価の種類
新版構音検査の下位検査・評価項目
下位検査に含まれる:
下位検査に含まれない:
- 随意運動発達検査(別途構音類似運動検査として実施)
新版構音検査の評価項目:
- 語内位置(語頭・語中・語尾)
- 誤り音の種類(省略・置換・歪み)
- 誤り方の一貫性
- 後続母音による影響
評価項目にない:
単語呼称による構音検査の評価項目
評価項目に含まれるもの:
- 誤り音・誤り方
- 被刺激性(正しいモデルを聞かせたときの変化)
- 一貫性(同じ音を同じように誤るか)
評価項目に含まれないもの:
- 適応性(同じ単語を繰り返したときの変化——吃音の評価概念)
会話明瞭度検査
- 5段階で評価する
- 音節レベルではなく発話全体として評価(音節単位の正誤判断ではない)
- 評価者は言語聴覚士に限らない
- 複数名で評価することが望ましい
- 被刺激性の評価ではない
構音評価における発話明瞭度検査
「発話明瞭度検査=音の誤りの評価」は誤り——発話明瞭度は話全体のわかりやすさを評価するもの(個別の音の誤りはより詳細な構音検査で評価)。
各構音異常の評価に適した検査
| 評価ツール | 適応 |
| パラトグラフィ | 舌と口蓋の接触パターン(口蓋化構音・側音化構音) |
| 鼻咽腔内視鏡 | 開鼻声・鼻咽腔の閉鎖機能 |
| 鼻息鏡(ミラー) | 鼻漏れ(鼻咽腔構音・開鼻声)——側音化構音の評価ではない |
| 超音波検査 | 舌背の運動 |
| セファログラフィ | 口蓋咽頭後壁間距離(形態評価) |
| 咽頭ストロボスコープ | 声帯振動(声門破裂音の評価ではない) |
| OAE | 聴覚機能(鼻咽腔構音の評価ではない) |
「鼻息鏡=側音化構音の評価」は誤り——鼻息鏡は鼻漏れ(鼻咽腔)の評価。側音化構音にはパラトグラフィが適切。
口蓋裂言語検査(2007年)の評価項目
含まれる項目:
- 開鼻声
- 鼻渋面(鼻をしかめる代償動作)
- 軟口蓋の動き
- ブローイング
含まれない項目:
- Oral diadochokinesis(DDK)(口腔顔面の交互反復運動——運動機能評価として別途実施)
構音障害の要因・発達への影響
要因となるもの(影響大):
- 聴力
- 構音器官の形態
- 構音器官の運動能力
- 音韻操作能力(語音弁別・音節分解)
要因とならない・影響が少ないもの:
- 視覚認知能力(小児の構音障害の要因でない)
- 書字能力(構音発達への影響が少ない)
構音訓練の適応判断に必要な評価
重要度が高い:
重要度が低い:
機能性構音障害の訓練分析で配慮すべき優先順位が低い:
訓練適応の判断基準
訓練適応あり:
- 誤り音の一貫性あり
- 被刺激性あり
- 集団内での二次的問題(からかいなど)
訓練適応の判断に含まれない:
- 書字能力の遅れ
- 希薄な親子関係(訓練の禁忌要因にはなりえるが適応基準ではない)
訓練適応とならない条件(開始しない):
- 言語発達段階が3歳レベルの場合(言語全体の発達を優先)——ただし構音のみの遅れと言語全体の遅れを区別する必要あり
構音障害の原因とならないもの
原因となる:口唇裂・高度難聴・粘膜下口蓋裂・舌小帯短縮症
原因とならない:
- 溝状舌(舌の表面に溝がある先天的変異だが構音障害の原因にはならない)