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THE MECHANISM|指南書

言語聴覚士国試 合格のメカニズム
——何を、どこまで、どう確かめて覚えれば受かるか

この文書は、既卒プレミアムの「思想」を書いたものです。プレミアムの会員ページにある機能は、すべてこの指南書のどこかの部品として置かれています。数字はすべて当サイトの過去問2,800問と全利用者の初回回答の実測で、推測は推測と書きます。

初版 2026-09-04/最終更新 2026-09-06|著者=現役の言語聴覚士・養成校教員(ST-Toolbox運営)|印刷して読めます
目次
  1. 一文で言うと
  2. 得点源は有限で、数えられる(実測)
  3. 落ちる原因は「分からない」ではない
  4. 確かめる手段は3つ、役割が違う
  5. 「覚えた」の定義——節の5つの状態
  6. 毎日の型
  7. この指南書とプレミアム機能の対応表
  8. 保証しないこと(正直に)

0一文で言うと

国試の得点源は有限でリスト化できる。重要度は出題頻度×実測正答率で決まる。その上位を「覚えた状態」にし、それを確かめ続ける仕組みがあれば合格する。

必要なものは3つです。

  1. 覚える本棚——何を覚えるかのリスト。過去問2,800問を科目→章→節(771節)に紐づけて作った「ST国試ノート」がこれにあたります。
  2. 覚えられるシステム——覚えた状態を作り、確かめ、維持させる仕組み。やらせる機構(毎日のミッション・週の計画・声かけ)と、確認手段(過去問・小テスト・模試)の組み合わせです。
  3. 計器盤——本人と伴走者が状態を読み、次の一手を変える窓。知識マップ、節の状態表、ロードマップ。

①と②が無ければ誰も受かりません。③は無くても受かる人は受かりますが、仕組みが本人の状態に合わせて次の一手を変えるには③が要ります。③が無いと、②は全員に同じメニューを配るだけの本棚に戻ります。既卒受験で欠けているのは、たいてい①でも②の教材でもなく、②の「やらせる機構」と③の「読む人」です。

1得点源は有限で、数えられる(実測)

「全範囲をもう一周」が既卒でいちばん多い不合格パターンです。全範囲はそもそも要りません。過去問2,800問の全問を科目・章・節に紐づけると、次の数字が出ます。

88%
節の再出題率。第26〜28回の各200問のうち、同じ節が過去に出ていた問題の割合(全期間)
363
出題数の多い順に363節(全771節の約半分)を押さえると、第27回で120点分(合格ライン)が出た
60%
直近3回分だけを覚えた場合の節カバー率。合格ラインぎりぎり=3年分では足りない
1
「覚えていても解けない」適用型(聴力図の読み・dB計算・IPA・図の術式)の割合。残り9割は知識型

再出題率——章で見ると無意味、節で見ると本当のことが分かる

対象回単位全期間直近5回直近3回
第26回100%97.0%94.0%
第26回88.0%75.5%62.0%
第27回98.5%97.0%89.5%
第27回86.5%69.5%60.5%
第28回99.0%97.5%89.5%
第28回88.5%72.5%58.5%

章で「99%再出題」と言っても何も言っていません(年200問に対して章は215しかないので、どの章も毎年出ます)。本当の単位は節です。節レベルで約88%=天井は176点前後。合格ライン120点はその下にあるので、「上位の節を覚える」路線は成り立ちます。

何節で何点になるか

対象回覆える最大100問120問140問160問
第27回173/200220節(30%)363節(50%)524節(73%)637節(88%)
第28回177/200198節(26%)325節(43%)411節(55%)605節(81%)

読み方は2つあります。

ノートは本当に答えを載せているか(外部の問題で測った)

「ノートを覚えれば受かる」は、ノートを過去問から作った以上、過去問で測っても証拠になりません(自分で書いた答えを自分で採点することになる)。そこでノートと無関係に作られた模擬試験の問題50問を無作為に抜き、ノート全文だけを根拠に正答を一意に選べるかを判定しました。

一意に選べる(A)部分的(B)解けない(C)
外部模試50問(ノートと独立)34(68%)14(28%)2(4%)
第28回200問(参考・ノートが答えを知っている集合)183(91.5%)98

差の23.5ポイントが「自分の答えを自分で採点していた分」です。今後、棚の被覆を語るときは68%を使います。Bの14問を消去法で半分取れると置けば82%=164点相当で、合格ライン120点は超えますが、これは棚を完全に覚えた場合の天井であって、学生の得点ではありません。

一覧表は「これで全部」と読まれる。この検算で「解けない」2問のうち2問とも、ノートの閉じた一覧(「○○法は7つ」)に正答が無く、誤答肢4つが全部一覧に載っていたために積極的に誤答を選ぶ型でした。無いより悪い。以後ノートは「網羅を主張しない・代表例と明示する・見分けの原理を書く・国試の語形を併記する」を書式ルールにしています。

2落ちる原因は「分からない」ではない

設計の制約として2つを飛躍と呼んでいます。

既卒の方は、棚(ノート・参考書)もアプリも持っていて落ちた層です。足りなかったのは中身でなく、毎日やらせて、状態を読んで、次の一手を変える運転手でした。学校ならそれは教員です。既卒にはいません。

3確かめる手段は3つ、役割が違う

手段測れること測れないこと・弱点
① 過去問初めて解いたときの正誤=知識の有無(2,800問・全問に実測正答率つき)2回目以降は「その問題を覚えた」しか測れない。既卒は既に何周もしているので、この汚染がいちばん重い
② 小テスト(ノート本文の穴埋め)問題文と独立に知識項目そのものを叩ける。過去問暗記と知識を分離できる唯一の手段穴埋めの当たりはずれ。得点を予測するかはまだ検証中(§7)
③ 模試合格ラインを超えているかの総合判定(受験者平均から補正した本試験換算点)200問は標本なので項目別の穴は出ない。科目によって甘さが違う

①で初見の穴を見つけ、②で節ごとの定着を判定し、③で総点を確かめる。この順番と役割分担が指南書の骨格です。

節771のうち53%は過去問が2問以下しかありません。つまり過去問だけでは「2回目に別の問題で確かめる」ができない節が半分ある。②の小テストが要る理由はここです(全800節・3,953問を用意しています)。

4「覚えた」の定義——節の5つの状態

定着=「日をまたいで7日以上あけ、別の問題で2回当てた節」。

記憶そのものは測れません。履歴から状態を出します(間隔反復アプリのAnki/FSRSと同じ立場です)。用語は次のとおりです。

定義
探針(プローブ)その節に紐づく初めて解く過去問、または小テストの1回。同じ過去問の2回目以降は数えない(既卒の過去問暗記を除くため)
探針日同じ日に同じ節を何問解いても1回。その日の判定=3問以下は全問正解/4問以上は8割以上で「成功」
未着手探針日がゼロ
初見正解探針日で成功1回
定着前の成功日から7日以上あけた探針日でまた成功
要復習探針日で失敗。次の探針日で成功すれば初見正解に戻る
再確認待ち定着から28日経過。再確認で成功→定着(期限は2倍の56日、上限は本試験日)/失敗→要復習

なぜ7日と28日か

「1回正解したら、1週間ほどあけてもう一度当てる」は、successive relearning(連続的再学習)として学習科学で最も再現性の高い手続きのひとつです(Rawson & Dunlosky 2011ほか)。初回の正解回数を増やしても、1週間後の再学習1回で上書きされる(Vaughn ら 2016)ので、初日に同じ節を何問も解くより、日をあけて1問当てるほうが効きます。28日は、試験まで2〜12か月の学習で最適な復習間隔が約3週間で、長すぎる側の損は小さいという実測(Cepeda ら 2008)から取りました。参考文献は末尾。

この定義で「何をやるか」が決まる

小テスト1問は30秒ほどなので、上位363節(120点分)を定着で保つための再確認は1日およそ12問=10分です。診断600問や新しい学習の量は変えずに、この10分を毎日足す。それが「覚えた状態を維持する」の実体です。

5毎日の型

Phase 0|撮影(最初の2〜4週)直近3回600問を通しで解く。1問3分、解説は深追いしない。ここで初めて「自分の穴」が節の単位で写る。3年分を覚えても受からない(§1)。撮影が目的。
毎日|ミッション+確かめる10分①きょうのミッション(過去問N問=初見の穴を見つける)②「きょう確かめる」節の小テスト(最大5節)③誤ったまま7日以上経った問題5問の解き直し。②が無いと定着は永久に起きない。
毎週|計画の組み直し計器盤(実施量・節の状態・上位363節の定着数)を読んで、翌週の配分を変える。遅れは日数でなく問数で言う。目標は下げない。配分だけ変える。
節目|模試で総点を測る本試験換算点で合格ラインとの距離を測り、落とした問題を「本試験なら正答率が高い順」に潰す。素点で合否を語らない。

やることの順番は決まっています。本人が集中するのは「決めた時間をやり切る」ことだけです。

6この指南書とプレミアム機能の対応表

既卒プレミアム(¥12,800・次回国試の年度末まで)は、この指南書の「覚えられるシステム」の運転手です。プレミアム固有の部品はほとんどありません——棚(ノート)は¥850で買え、過去問は無料、模試は別売りです。売っているのは計器盤を読んで次の一手を決め、本人に接触し続ける主体と、それに要る計器の解像度です。会員ページのどこが指南書のどこかを、隠さず全部書きます。

指南書の部品会員ページでの実装(どこにあるか)無料でできる範囲
① 覚える本棚(§0・§1)ST国試ノート全41科目 開錠(プレミアム全科目専用の19科目を含む)/データルーム=全2,800問×全利用者の初回正答率で「勝負どころ」の章を並べた根拠表/節の状態表の★=上位363節の印ノートは無料2科目+¥850で22科目。データルームと★は会員のみ
確認① 過去問(§3)診断フェーズ=直近3年600問を年度順に切った日別ミッションと完了予定日/きょうの一歩のミッション(初回回答だけを実測として扱う)過去問2,800問・全問解説は誰でも無料。600問を「通しで」やらせる線と完了日は会員のみ
確認② 小テスト(§3・§4)ノート各節の「小テスト」ボタン(穴埋め3,953問/800節)/きょう確かめる(小テスト)=きょうの一歩に毎日最大5節、上位363節を先に期日の古い順で自動表示。押すとその節の小テストが直接開く会員のみ。無料では2本目の探針が作れないので、状態は「初見正解」止まり
確認③ 模試(§3・§5)ワンコイン模試 受験料込み模試の実測カード=素点・本試験換算点・落とした問題を本試験正答率の高い順に/ロードマップの実績線(模試の換算点でだけ引く)模試は¥500で別売り。換算点と実績線は会員のみ
節の5状態・定着の定義(§4)知識マップ下段「項目(節)の状態」=要復習/初見正解/定着/再確認待ち+「きょう確かめる」の5つの数・タブ「次に確かめる順」「誤答が残っている順」/最上段に上位363節の定着 N/363(合格ラインの高さを1つの数で)無料アプリの計器は「行動」と「科目の正答率」まで。節の状態は会員のみ
再探針(§4・§5)日別ミッションの末尾5問=誤ったまま7日以上経った問題を古い順に自動で混ぜる/きょう確かめる=7日経った初見正解・28日経った定着の節を小テストで会員のみ
やらせる機構(§2)きょうの一歩(日別ミッション・クリア後の上乗せ提示・追いついたら自動で割当増)/今週やること(月曜配信)/コーチ(相談は24時間以内に返答・停滞時の声かけ)無料には計画そのものが無い
計器盤(§0・§5)知識マップ(科目・グループ別の水位)/ロードマップ(全行程の予定バーと遅れを問数で)/全章マイルストーン(41科目215章をいつまでに)/成長ログ・行動分析(曜日×時間帯の正答率)無料アプリにも学習カレンダー・科目別正答率はある。「計画と比べる計器」と「他人が読む計器」が会員のみ
運転手(§2・§5)上の計器を毎晩読み、翌週の配分を変え、本人に接触し続ける伴走者(文面の生成にはAIを使い、枠組みと教材は現役ST・養成校教員が設計・監修)/ヒアリング(就労・時間・受験歴)から個別の全期間計画を作るここがプレミアムの正体。無料には存在しない

逆に言えば、棚を良くしてもプレミアムの価値は上がりません(全員に効くので)。計器盤を良くするとプレミアムの価値は上がります(運転手の目が良くなる)。だから開発の力は、計器の解像度=節の状態・定着の数・再探針の自動化に注いでいます。

7保証しないこと(正直に)

1. 「定着」がまだ得点を予測すると証明できていません。過去問の履歴で作った7種類の「定着」の定義を第1回模試(30人・5,538ペア)で検証したところ、受験者の実力と設問の難しさの効果を抜くとどの定義も差が誤差の範囲でした。原因は単位の粗さ(節ではなく問題群で見ていた)が本命と考え、単位を節に揃えた上の定義(§4)で次回の模試と第29回で再検証します。差が+3ポイント未満なら、7日/28日の間隔要件を捨てて「2回当てた」だけに落とします。それまで、知識マップの水位は進捗の表示であって得点の予測ではありません。

2. 小テストの予測妥当性は未検証です。ノート本文からの穴埋めが「覚えたか」を測れているかは、利用が2週間たまってから統計で見ます。それまで「定着確認」と名乗るのは控えめにしています。

3. 100%ではありません。狙いは間隔反復アプリの標準と同じ「9割思い出せる」水準です。上位363節の線も「出題数の多い順」で機械的に引いた線で、境界付近は運で入っています。

4. 教材・解説の作成にはAIを使っています。人の目でも確認していますが誤りが残ることがあります。気づいた点は会員ページのコーチからその場で送ってください。確認のうえ直します。

指南書は判断のたびに書き足しています。数字が変わったら、変わったと書きます。

この指南書のとおりに、毎日回す。

既卒プレミアム ¥12,800(税込)・次回国試の年度末まで・追加課金なし。2026年9月7日(月)スタート、お申し込みの締切はありません。

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会員ページで、きょうの一歩へ。

「きょう確かめる(小テスト)」と「上位363節の定着」は会員ページの知識マップにあります。

会員ページを開く 節の状態表へ

参考文献

Rawson KA, Dunlosky J (2011). Optimizing schedules of retrieval practice for durable and efficient learning: How much is enough? J Exp Psychol Gen 140(3):283–302./Vaughn KE, Dunlosky J, Rawson KA (2016). Effects of successive relearning on recall: Does relearning override the effects of initial learning criterion? Mem Cognit 44:897–909./Rawson KA, Dunlosky J (2022). Successive relearning: An underexplored but potent technique for obtaining and maintaining knowledge. Curr Dir Psychol Sci 31(4):362–368./Janes JL, Dunlosky J, Rawson KA, Jasnow A (2020). Successive relearning improves performance on a high-stakes exam in a difficult biopsychology course. Appl Cogn Psychol 34:1118–1132./Cepeda NJ, Vul E, Rohrer D, Wixted JT, Pashler H (2008). Spacing effects in learning: A temporal ridgeline of optimal retention. Psychol Sci 19(11):1095–1102./Karpicke JD, Bauernschmidt A (2011). Spaced retrieval: Absolute spacing enhances learning regardless of relative spacing. J Exp Psychol Learn Mem Cogn 37(5):1250–1257./Karpicke JD, Roediger HL (2008). The critical importance of retrieval for learning. Science 319:966–968./Little JL, Bjork EL (2015). Optimizing multiple-choice tests as tools for learning. Mem Cognit 43:14–26.

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