第3章|循環器・血液・脈管系

対応過去問 10問/難易度 ★★★☆☆
📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:循環・血液はST臨床から少し遠く見えますが、脳へ血液を送る動脈(内頸動脈・椎骨動脈)の障害=脳卒中が失語・構音障害・嚥下障害の最大の原因です。脳血管の解剖と脳卒中の全体像は神経系ノートで扱います。この章は心臓と血管の連結・血液の酸素化・刺激伝導系・圧受容器・血球という「誤り選択肢を見抜けば得点できる」定番テーマを、頻出の引っかけごとに整理します。

3-1 心臓の構造と血管の連結

心臓は2心房2心室。血液の流れは全身→大静脈→右心房→右心室→肺動脈→肺→肺静脈→左心房→左心室→大動脈→全身。「どの部屋にどの血管がつながるか」がそのまま問われます。

心臓の部位連結する血管血液
右心房上・下大静脈が流入静脈血
右心室肺動脈へ送り出す静脈血
左心房肺静脈が流入動脈血
左心室大動脈へ送り出す動脈血
「心臓の部位と連結する血管」=右心室―肺動脈:正しい組合せは右心室―肺動脈/左心室―大動脈/右心房―大静脈/左心房―肺静脈。「心室=送り出す(動脈)」「心房=受け取る(静脈・肺静脈)」で仕分ける。
連結する血管の正しい組合せ=肝臓―門脈:別の問題(19-4)では、心臓の組合せがすべて誤りに作られ、「肝臓―門脈」だけが正しい門脈は胃・腸・脾臓の静脈血を集めて肝臓に運ぶ静脈(毛細血管→門脈→肝臓の毛細血管、という特殊な血管系)。心臓の対応(左心房―肺静脈・左心室―大動脈…)を正しく覚えていれば消去法で解ける。

3-2 体循環・肺循環と血液の酸素化

「動脈=動脈血」ではありません。肺循環では動脈・静脈の中身が逆になるのが最大の引っかけです。

血管流れる血液酸素濃度
肺動脈静脈血(右心室→肺へ)最も低い
肺静脈動脈血(肺→左心房へ)最も高い
大動脈・全身の動脈動脈血高い
全身の静脈静脈血低い
最も酸素が低い=肺動脈/最も高い=肺静脈:「最も酸素濃度の低い血液」は肺動脈(全身で酸素を使い切った血液を肺へ運ぶ)。「最も高い」は肺静脈(肺でガス交換した直後)。冠動脈・肝動脈・腎静脈などに惑わされない——肺で酸素を受け取った直後の肺静脈がピーク

3-3 冠循環と心臓の機能・刺激伝導系

刺激伝導系

刺激伝導系=特殊心筋:心臓は洞房結節→房室結節→ヒス束→左右脚→プルキンエ線維の順に電気を伝える。これらは神経ではなく「特殊心筋」右冠動脈が洞房結節を栄養する(多くの人)、心電図のP波は心房の脱分極アドレナリンは心拍数を増やす——これらは正しい記述。
「プルキンエ線維は交感神経である」は誤り:プルキンエ線維は刺激伝導系を構成する特殊心筋であって神経ではない。自律神経(交感・迷走)は心臓の外から調節するが、伝導系そのものは心筋である点がポイント。

心周期と冠血流

冠動脈血流は心室拡張期に増加:収縮期は心筋が冠血管を圧迫するため、冠動脈血流量はおもに心室拡張期に増える。ほかに心房と心室は交互に収縮し、左心室の収縮期内圧は右心室よりずっと高い(体循環へ送るため)。
正しいのは「冠動脈血流量は心室拡張期に増加する」:「心室と心房は同時に収縮」「右室と左室の収縮期内圧は等しい」「拡張期に大動脈と左室の内圧は等しい」はいずれも誤り。冠血流=拡張期に増えるが正解の定番。

3-4 血管の分岐・自律神経・圧受容器

動脈圧受容器=頸動脈洞・大動脈弓:血圧を感知する圧受容器は頸動脈洞(内頸動脈起始部)と大動脈弓にある。血圧が上がると受容器が感知し、反射的に心拍・血管を調整する(頸動脈洞反射)。椎骨動脈・脳底動脈・腕頭動脈・鎖骨下動脈は主な圧受容器の場所ではない。
21-3の誤り=「末梢動脈は副交感神経で拡張」「冠動脈は肺動脈から分岐」:末梢動脈は主に交感神経支配で、緊張が高まると収縮する(副交感で拡張ではない)。冠動脈は大動脈の起始部(大動脈洞)から分岐する(肺動脈からではない)。一方肺動脈に静脈血が流れる・胸管にリンパ液が流れる・脳脊髄液は脈絡叢で産生されるは正しい。

3-5 血液(血球)と免疫

血球おもな役割
赤血球なし(脱核)酸素運搬(ヘモグロビン)
血小板なし(巨核球の断片)止血・凝固
白血球(好中球・好酸球・リンパ球・単球)あり免疫・防御
「核がないのはどれか」=赤血球・血小板:ヒトの成熟赤血球と血小板には核がない。好中球・好酸球・リンパ球などの白血球は有核。「酸素を運ぶ赤血球と、破片である血小板は核なし」と押さえる。
「免疫担当細胞でないのはどれか」=血管内皮細胞:リンパ球・肥満細胞・樹状細胞・マクロファージは免疫を担う細胞。一方血管内皮細胞は血管の内面を覆う細胞で、免疫の主役ではない(免疫反応に関与はするが「免疫担当細胞」には数えない)。