📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:ここは
解剖学のなかで最もST臨床に近い領域です。
喉頭の軟骨と筋は
音声障害の舞台、
咽頭・舌骨筋・口蓋は
嚥下障害と構音(
音声学)の土台、疾患面は
耳鼻咽喉科学へつながります。過去問は
①頭蓋の骨 ②喉頭の軟骨と関節 ③咽頭の区分 ④舌骨上/下筋群 ⑤耳管を開く筋 ⑥筋の種類(横紋筋か平滑筋か)を、位置と支配を対にして問うのが定番です。
2-1 頭蓋を構成する骨
頭蓋骨は脳を入れる脳頭蓋(頭蓋腔をつくる骨)と顔をつくる顔面頭蓋に分けます。「頭蓋腔(脳頭蓋)を構成するのはどれか」がよく問われます。
| 区分 | おもな骨 |
| 脳頭蓋(頭蓋腔をつくる) | 前頭骨・頭頂骨・後頭骨・側頭骨・蝶形骨・篩骨 |
| 顔面頭蓋 | 上顎骨・口蓋骨・頬骨・鼻骨・涙骨・下鼻甲介・鋤骨・下顎骨・舌骨 |
「頭蓋腔を構成する骨でないのはどれか」=口蓋骨:篩骨・前頭骨・側頭骨・蝶形骨は脳頭蓋(頭蓋腔)を構成する。一方口蓋骨は硬口蓋の後方をつくる顔面頭蓋で、頭蓋腔は構成しない。篩骨・蝶形骨は「顔の骨っぽい名前」だが脳頭蓋に含まれる点に注意。
2-2 喉頭の軟骨と関節
喉頭は甲状軟骨・輪状軟骨・喉頭蓋軟骨(以上は単一)と、左右一対の披裂軟骨などからなります。可動性を生む「関節」がどこにあるかが問われます。
| 関節 | 連結する軟骨 | はたらき |
| 輪状甲状関節 | 輪状軟骨 ― 甲状軟骨 | 甲状軟骨が前傾し声帯を伸展(音の高さ) |
| 輪状披裂関節 | 輪状軟骨 ― 披裂軟骨 | 披裂軟骨が回転・滑走し声門を開閉 |
「輪状軟骨と関節によって結合するのはどれか」=甲状軟骨・披裂軟骨:輪状軟骨は甲状軟骨(輪状甲状関節)と披裂軟骨(輪状披裂関節)と関節する。舌骨は靭帯・筋で吊るされ、喉頭蓋軟骨は甲状軟骨内面に付着、気管とは膜(輪状気管靭帯)で連結し、いずれも「関節」ではない。声帯運動の土台になる2つの関節を押さえる。
ST接続:声門を開くのは
後輪状披裂筋(唯一の外転筋)で、輪状披裂関節を介して披裂軟骨を動かします。反回神経麻痺による声帯麻痺・音声の異常は
音声障害ノートで詳しく扱います。
2-3 咽頭の区分(上・中・下咽頭)
咽頭は上から上咽頭(鼻部)・中咽頭(口部)・下咽頭(喉頭部)の3つに分けます。「どの構造がどの区分か」がそのまま問われます。
| 区分 | 属する構造 |
| 上咽頭 | 咽頭扁桃(アデノイド)・耳管咽頭口・耳管隆起 |
| 中咽頭 | 舌扁桃(舌根)・口蓋扁桃・前/後口蓋弓・軟口蓋・咽頭後壁中部 |
| 下咽頭 | 梨状陥凹・輪状後部・咽頭後壁下部 |
「中咽頭に属するのはどれか」=舌扁桃・後口蓋弓・軟口蓋:中咽頭の代表は舌扁桃・後口蓋弓・軟口蓋。ひっかけの耳管隆起は上咽頭、梨状陥凹は下咽頭に属する。上=耳管・アデノイド/中=扁桃・口蓋弓・軟口蓋/下=梨状陥凹、と3段で覚える。
2-4 舌骨上筋群と舌骨下筋群
舌骨につく筋は舌骨より上(舌骨上筋群)と舌骨より下(舌骨下筋群)に分かれます。舌骨上筋群は嚥下時に喉頭を挙上し、舌骨下筋群は喉頭を下げます。
| 筋群 | 含まれる筋 | おもな作用 |
| 舌骨上筋群 | 顎二腹筋・顎舌骨筋・オトガイ舌骨筋・茎突舌骨筋 | 舌骨・喉頭を挙上(嚥下) |
| 舌骨下筋群 | 胸骨舌骨筋・胸骨甲状筋・甲状舌骨筋・肩甲舌骨筋 | 舌骨・喉頭を下制 |
「舌骨下筋群に含まれる筋はどれか」=甲状舌骨筋:選択肢のうち甲状舌骨筋だけが舌骨下筋群。顎舌骨筋・顎二腹筋・茎突舌骨筋・オトガイ舌骨筋は舌骨上筋群。「胸骨・肩甲・甲状+舌骨=下」「オトガイ・顎・茎突+舌骨=上」と語頭で振り分けると速い。
ST接続:舌骨上筋群の収縮による
喉頭挙上は、嚥下時に喉頭口を閉じ食道入口部を開く要です。喉頭挙上不全は誤嚥につながり、
嚥下障害の評価・訓練(メンデルソン手技など)の中心になります。
2-5 口蓋・耳管の筋
耳管を開く筋=口蓋帆張筋:耳管(中耳と上咽頭をつなぐ管)は普段閉じており、嚥下やあくびで開いて中耳の換気(圧の調整)を行う。これを能動的に開くのが口蓋帆張筋(三叉神経支配)で、口蓋帆挙筋も補助する。内側・外側翼突筋は咀嚼筋、茎突舌骨筋は舌骨上筋群、口蓋咽頭筋は咽頭を挙げる筋で耳管開大の主役ではない。
耳管開大の障害=滲出性中耳炎:口蓋帆張筋の働きが不十分だと耳管換気が低下し、中耳に貯留液がたまる滲出性中耳炎を起こす。口蓋裂では口蓋帆張筋の走行異常で耳管機能が悪く、滲出性中耳炎から伝音難聴をきたしやすい——ここが構音・難聴とつながる要点。
2-6 頭頸部の筋の種類(横紋筋・平滑筋)
筋は横紋筋(骨格筋・心筋)と平滑筋(内臓・血管)に分けます。頭頸部の筋の大半は随意の骨格筋(横紋筋)ですが、食道の下部は平滑筋に変わります。
発声発語・嚥下器官の筋は基本「骨格筋(横紋筋)」:喉頭内筋・咽頭収縮筋・軟口蓋の筋・舌筋・咀嚼筋は随意の骨格筋(横紋筋)。輪状甲状筋・下咽頭収縮筋・横隔膜も骨格筋で、意識的に動かせる。
「平滑筋で構成されるのはどれか」=下部食道括約筋:食道は上部が骨格筋・下部が平滑筋で、下部食道括約筋は平滑筋(不随意)。心筋は横紋筋(特殊心筋)、横隔膜・輪状甲状筋・下咽頭収縮筋は骨格筋。「のどまでは意のまま=骨格筋/食道下部から先は自動=平滑筋」と嚥下の流れで覚える。