この章のねらい:音の「時間」に関わるテーマをまとめます。
時間的加重(短い音は聞こえにくい)は
聴力検査の刺激音の長さに、
聴覚疲労(TTS)と音響外傷の区別は
騒音性難聴・イヤホン難聴の予防指導に直結します。
聴覚情景分析(音脈分凝)は雑音下で会話を聞き分けるしくみで、補聴の到達目標そのもの。得点源は
「TTS=持続曝露/音響外傷=瞬間の強大音」の区別です。
5-1 時間的加重と時間分解能
短い音の聞こえは、その持続時間に強く左右されます。ある時間まではエネルギーを足し合わせて聞く時間的加重が働きます。
- 短い音のラウドネスは持続時間に依存して変化する(約200msまでは長いほど大きく聞こえる)。
- 一定時間(臨界時間)を超えると、それ以上長くしてもラウドネスは変化しない。
- 音を極端に短くすると、絶対閾は上昇(聞こえにくく)する。
- 純音の数周期分だけ取り出した音は、音高をもたないクリック音として知覚される。
- 短い音の音色は持続時間に依存して変化する。
要点:約200msまでは「長い=大きい・聞こえやすい」(時間的加重)。それを超えると一定。逆に極端に短いと閾値が上がり、数周期だけならクリック音になる。「短い音ほど聞こえにくい」が軸。
ひっかけ:「短い音では持続時間を短縮すると絶対閾が低下する」は誤り(上昇する)。「短い音の音色は持続時間に依存しない」は誤り(依存する)。
ここから先は「ST国試ノート」の内容です
全22科目まとめて850円(買い切り・追加課金なし)。購入済みのアカウントでログインすると、この章の続きがそのまま表示されます。
失語症と言語発達障害学は登録なしで全章読めます。まず中身を確かめてから決めてください。
この章の続きで扱う内容
- 5-2 聴覚疲労(TTS/PTS)と音響外傷
- 5-3 聴覚情景分析と選択的注意