第5章|末梢神経・筋・神経筋接合部疾患

対応過去問 14問/難易度 ★★★★☆
📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:運動の指令は「末梢神経 → 神経筋接合部 → 筋」と伝わります。どこが壊れたかで症状も検査所見も変わる——ここが本章の骨格。重症筋無力症の易疲労性や筋疾患の構音・嚥下への影響は、運動障害性構音障害嚥下障害の理解にもつながります。神経系の基礎は神経系ノートで補強を。

5-1 ギラン・バレー症候群と末梢神経障害

ギラン・バレー症候群(GBS)は末梢神経の自己免疫性脱髄疾患。国試頻出のキーワードで固めます。

項目内容
先行感染上気道感染・下痢の1〜3週間後に発症(カンピロバクター腸炎など)
麻痺急性・左右対称・下から上への(上行性)弛緩性運動麻痺
腱反射低下・消失
髄液蛋白細胞解離(蛋白↑・細胞数は正常)
予後多くは数か月で回復に向かう
GBSの決め手=「先行感染+蛋白細胞解離+腱反射低下」。「先行感染がある」「腱反射が亢進する」は矛盾(GBSは低下)。上行性・左右対称の弛緩性麻痺が典型。

他の末梢神経障害:糖尿病性ニューロパチー手袋靴下型の感覚障害・腱反射低下が特徴。反回神経麻痺は迷走神経の枝の障害で嗄声・声帯麻痺を起こす(ST臨床で重要)。

5-2 神経筋接合部疾患(重症筋無力症)と筋疾患

疾患特徴
重症筋無力症(MG)抗アセチルコリン受容体抗体・神経筋接合部の障害。易疲労性(日内変動・夕方悪化)・眼瞼下垂・複視テンシロン(抗コリンエステラーゼ)試験で改善。胸腺腫を合併
デュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)ジストロフィン欠損・X連鎖劣性・男児・腓腹筋の仮性肥大・登はん性起立(ガワーズ徴候)・動揺性歩行・CK著明高値
皮膚筋炎近位筋の筋力低下・ヘリオトロープ疹/ゴットロン徴候・悪性腫瘍の合併・CK上昇
MGの見抜き方=「夕方に悪化する眼瞼下垂・複視」+「テンシロンで改善」。疲れると悪化・休むと回復する(易疲労性)のが接合部疾患のサイン。DMDは「男児・腓腹筋仮性肥大・ガワーズ徴候」の三点セット。

5-3 神経筋疾患の鑑別・その他

検査所見で「どこの病気か」を当てる組合せ問題が出ます。障害部位ごとの代表所見を一覧で整理します。

疾患キー所見
重症筋無力症抗AChR抗体・反復刺激で振幅漸減(waning)
ランバート・イートン筋無力症候群反復刺激で振幅漸増(waxing)・肺小細胞癌に合併
多発筋炎/皮膚筋炎CK上昇・筋原性パターン(近位筋)
デュシェンヌ型筋ジストロフィージストロフィン欠損・CK著明高値
ミトコンドリア脳筋症(MELAS)難聴・脳卒中様発作・乳酸上昇
神経原性 vs 筋原性:神経原性は「線維束性収縮・遠位筋優位・高振幅電位」、筋原性は「近位筋優位・低振幅電位・CK上昇」。線維束性収縮があれば下位運動ニューロン(神経原性=ALSなど)を疑う。

その他(救急):気道(気管内)異物は窒息を起こす救急病態。突然の呼吸困難・チアノーゼ・声が出ない時は背部叩打法・腹部突き上げ法(ハイムリック法)で異物除去を試みる。誤嚥・窒息は嚥下障害とも隣接する。

まとめ:本章の「末梢神経→接合部→筋」の障害部位マップは、第1章の上位/下位運動ニューロン徴候と対になります。臨床神経学5章を通して、「疾患↔症候↔部位」の三角形を描けるようにしておきましょう。飲み込み・話しことばへの影響は嚥下障害運動障害性構音障害へ接続します。