第4章|認知症・脱髄・感染・頭痛

対応過去問 18問/難易度 ★★★☆☆
📝 このノートはAI編集部が過去問から作成した学習用まとめです。基礎医学領域は専門監修前のため、診断基準・数値・薬剤などの細部は必ず成書・最新ガイドラインで確認してください。
この章のねらい:認知症は、STが臨床でコミュニケーション支援・摂食嚥下・リハビリの対象として日常的に関わる病態です。型ごとの中核症状(AD=記憶/DLB=幻視・変動/前頭側頭型=人格変化)を押さえることが、高次脳機能障害の評価・アプローチの土台になります。

4-1 アルツハイマー病

認知症の最多。近時記憶障害(新しいことを覚えられない)から始まり、緩徐に進行します。

項目内容
萎縮部位海馬・側頭頭頂葉(内側側頭葉の萎縮)
病理①老人斑=アミロイドβの蓄積
病理②神経原線維変化=タウ蛋白の異常
髄液マーカータウ上昇・アミロイドβ42低下
画像後部帯状回・楔前部の血流/代謝低下
病理の対応を混同しない:老人斑=アミロイドβ、神経原線維変化=タウ。この2つの対応は頻出。症状面では物盗られ妄想・取り繕い反応が特徴的。

4-2 レビー小体型認知症とその他の認知症・鑑別

中核症状
レビー小体型認知症(DLB)認知の変動・繰り返す具体的な幻視・パーキンソニズム(+レム睡眠行動異常・抗精神病薬過敏・易転倒)
前頭側頭型認知症人格変化・脱抑制・常同行動(記憶は比較的保たれる)
血管性認知症まだら認知症・階段状進行・感情失禁
アルツハイマー病近時記憶障害・物盗られ妄想

リハのひっかけ:認知症のアプローチはリアリティ・オリエンテーション(RO)・回想法が代表。プリズム順応は「半側空間無視」の訓練であり認知症の技法ではない——選択肢に混ぜられやすい。転倒・パーキンソニズムを伴う認知症はDLBをまず想起。

4-3 脱髄疾患:多発性硬化症(MS)

中枢神経の髄鞘(ミエリン)が壊れる脱髄疾患。若年女性に多い。

項目内容
疫学高緯度地方・白色人種に多い・若年女性
経過時間的・空間的に多発(再発と寛解を繰り返す・病巣が中枢のあちこち)
症状視神経炎(視力低下)・複視・感覚障害・運動麻痺・小脳失調
画像MRIで大脳白質・脳室周囲の脱髄病変
キーワード=「時間的・空間的多発」。別々の時期に、中枢神経の別々の場所の症状が出る=MSを疑う。高緯度・白色人種という疫学も頻出。

4-4 中枢神経感染症・プリオン病

疾患特徴
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)プリオン病。急速進行性認知症・ミオクローヌス・脳波の周期性同期性放電・脳の海綿状変化・感染性(異常プリオン蛋白)
単純ヘルペス脳炎側頭葉内側を侵す・発熱・意識障害・健忘
破傷風創傷から感染・開口障害・全身の強直性けいれん
CJDの三徴=急速進行する認知症+ミオクローヌス+周期性同期性放電。数か月で急速に進む認知症は、緩徐進行のADと対照的。感染性(プリオン)という点が他の変性認知症と決定的に違う。

4-5 頭痛(片頭痛)

種類特徴
片頭痛拍動性・片側性・悪心嘔吐・光/音過敏・前兆(閃輝暗点)・数時間〜72時間・女性に多い
緊張型頭痛両側の締めつけ感・軽〜中等度・悪心を伴わない
群発頭痛片側眼窩部の激痛・自律神経症状(流涙・鼻閉)・男性に多い
片頭痛の特徴=悪心・嘔吐や光・音過敏を伴う拍動性の頭痛。「動くと悪化」「暗く静かな所で休むと楽」も片頭痛らしさ。突然の激しい頭痛(雷鳴頭痛)はくも膜下出血を疑い、片頭痛と区別する(第2章参照)。
次章へ:第5章 末梢神経・筋・神経筋接合部疾患。ここまでの中枢神経から、末梢(神経→接合部→筋)へ。ギラン・バレー症候群、重症筋無力症、筋ジストロフィーの「障害される場所」ごとの鑑別を扱います。