この章のねらい:パーソナリティ理論は「人名↔理論↔用語」の組合せが全問の形。類型論(タイプ分類)と特性論(量的記述)の対比を軸に、提唱者を暗記カードのように結びつければ確実に取れます。臨床心理学の他章(療法・検査)とも人名が重なるので、ここで人名マップを完成させると章をまたいで効きます。
4-1 パーソナリティのとらえ方 ― 類型論と特性論
| 類型論 | 特性論 |
| とらえ方 | いくつかの典型的タイプに分類(質的) | 複数の特性の程度(量)の組合せで記述(量的・連続的) |
| 長所 | 直感的・全体的に把握しやすい | 個人差を連続的に細かく表せる |
| 短所 | 中間型・混合型を扱いにくい | 静態的で力動面を軽視しやすい・全体像が見えにくい |
| 代表 | クレッチマー・シェルドン・ユング・シュプランガー | オールポート・キャッテル・アイゼンク・ギルフォード・ビッグファイブ |
特性論の説明として正しいのは:「個人差を量的な差としてとらえる」「刺激―反応の一貫した表出傾向として測定する」。一方「理論的背景に基づく典型例を明示」「直感的・全体的に把握」は類型論の特徴。ビッグファイブは代表的な特性論。
4-2 類型論
| 提唱者 | 分類の軸 | 類型 |
| クレッチマー | 体型と気質 | 細長型=分裂気質/肥満型=躁うつ気質/闘士型=粘着気質 |
| シェルドン | 胚葉の発達 | 内胚葉型・中胚葉型・外胚葉型 |
| ユング | 心的態度(向性) | 内向型・外向型 |
| シュプランガー | 価値の方向 | 理論・経済・審美・社会・権力・宗教の6類型 |
取り違え頻出:「闘士型」はクレッチマー(シェルドンではない)。「外胚葉型」はシェルドン。「外向型」はユング。「理論型・権力型・審美型」はシュプランガーの価値類型(オールポートやフロムではない)。体型で人格を分類=クレッチマー。
4-3 特性論
| 提唱者 | 内容 |
| オールポート | 特性論の代表。共通特性と個人特性、機能的自律 |
| キャッテル | 16因子(16PF)。表面特性と根源特性 |
| アイゼンク | 外向性・神経症傾向などの次元(生物学的基盤を重視) |
| ギルフォード | 複数の特性の程度で性格を記述(YG性格検査の基礎) |
諸立場と提唱者:Freud=精神分析/Rogers=現象学的(自己理論)/Eysenck=特性論(「相互作用論」は誤り)/Lewin=場の理論/Mischel=状況論。アイゼンクを「相互作用論」とする誤りが定番。
4-4 ビッグファイブ(5因子モデル・OCEAN)
性格を5つの次元でとらえる、現在の標準的な特性論。語彙アプローチから見いだされ、文化を超えて比較的安定して再現されます。
| 因子 | 内容 |
| 開放性(Openness) | 知的好奇心・想像力・新しい経験への開かれ |
| 誠実性(Conscientiousness) | 計画性・責任感・自己統制 |
| 外向性(Extraversion) | 社交性・活動性 |
| 協調性(Agreeableness) | 思いやり・協力的態度 |
| 神経症傾向(Neuroticism) | 情緒の不安定さ・不安の感じやすさ |
5因子でないもの:攻撃性・内向性・楽観性はビッグファイブに含まれない。とくに「内向性」は外向性の一極であって独立した因子ではない(=ひっかけ)。「協調性」が5番目、と押さえる。各因子は高低の連続体。
4-5 パーソナリティ障害・諸理論
パーソナリティ障害と特徴
| 障害 | 中心的特徴 |
| 境界性 | 理想化と脱価値化の両極を揺れ動く |
| 強迫性 | 秩序・完璧主義へのこだわり |
| 自己愛性 | 誇大性(誇大的な自己評価) |
| 反社会性 | 虚言・他者の権利の無視(虚偽性) |
| 回避性 | 拒絶への過敏さと対人回避 |
誤り組合せの定番:「回避性―関係念慮」は誤り。関係念慮(無関係な出来事を自分に関係づける)は統合失調型などの特徴。回避性の中心は「傷つくのが怖くて避ける」対人回避。
人名と理論(横断整理)
| 人名 | 理論 |
| Jung | タイプ論(内向・外向) |
| Rogers | 自己理論 |
| Klein | 対象関係論 |
| Maslow | 自己実現理論(欲求階層説) |
| Skinner | オペラント条件づけ(行動主義) |
| Bowlby | アタッチメント(愛着)理論 |
「Skinner―アタッチメント理論」は
誤り。アタッチメント理論は
Bowlby(愛着の詳細は
第5章)。スキナーはオペラント条件づけの行動主義。